第66回 高橋源一郎監督「選手の成長のためにはいろんな方の協力は惜しまない」2020年01月10日

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【目次】
[1]グラウンドは共用。雨天練習場も、寮もない中、質を高めるには選手にとってためになる指導者を増やすこと
[2]地道に努力を継続する選手が花開く瞬間を逃さないことが指導者の役割

 令和がスタートし、高校野球は指導者の世代交代が緩やかに進んでいく。平成では昭和30年~40年代生まれの指導者がトップを走る時代。

 今では昭和50年~60年代の指導者が実績を残す時代になってきている。その代表的な指導者として期待されるのが中京大中京の高橋源一郎監督だろう。1979年生まれの高橋監督は、1997年センバツでは主将として準優勝を経験。

 その後は中京大に進み、中京大、三重中京大中京のコーチを経て、2010年から監督に就任した。それまで2009年に甲子園優勝に導いた大藤敏行監督の後継者として、期待された。

 高橋監督は「全国最多の優勝回数を誇るチームですから、日本一は常に目指していくチームです」とその目標に到達するためのチーム作りを行ってきた。

 超名門ゆえ、外部からのプレッシャーが強い中、2015年、2017年と二度の甲子園出場。そして2019年の明治神宮大会では優勝を果たし、今年は全国制覇に期待がかかっている。30歳ながら中京大中京の指揮を執ることになった高橋監督はこの9年間で、どんな指導哲学を築いてきたのか。

グラウンドは共用。雨天練習場も、寮もない中、質を高めるには選手にとってためになる指導者を増やすこと


高橋源一郎監督

 全国最多の11度の甲子園優勝を誇る中京大中京。そのフレーズを聞いてしまうと、グラウンドも豪華と思ってしまうが、同じ愛知私学4強として注目される東邦愛工大名電享栄のように、学校から離れた野球部専用グラウンドがあるわけではなく、学校の敷地内にある。そのため全面に使えるわけではなく、他部活との共用だ。

 また雨天練習場もない。寮もないので、リクルートは愛知県が中心。超トップクラスのチームのように、全国から選手が集まるわけではない。

 設備について寮、専用球場などが完備されたチームと比べると、どうしても劣る。
 それでもなぜ中京大中京は全国トップクラスのチームでいられるのか…。それはこれまで築き上げたブランドを最大活用しているからだ。

 高橋監督は語る。
 「選手たちにはできることをやっていこうと話をしていますが、それでも私たち指導者は選手たちが練習に打ち込める環境作りが仕事なので、だからOBの方々の力は今の中京の環境にとっては重要です」

 まず雨天の日。高橋監督はOBを頼って雨天練習場を借りられるよう、お願いする。また、選手のレベルアップにOB、学生コーチが指導を行う。選手をあまり迷わせないよう、チームの方向性がバラバラにしないよう、そのチームの技術論などを統一する考えもあるだろう。

 ただ高橋監督は違う。いろいろな人の教えが入ることは選手の伸びしろが大きく変わってくる。
 「私1人だけでは、これぐらい(小さく腕を広げる)しか成長しないものを、こんなにも(大きく腕を広げながら)変わってくるんです」

 また選手にとって成長を促す技術論は人それぞれ。ある程度のセオリーはあっても、正解というものはない。高橋監督は「私の感覚だけでは、成長できるとは限らない。だからいろいろな方の教えが必要なんです」

 今年の主力選手たちも学生コーチや先輩、OBの力を借りながら伸びてきた。たとえば、この世代を代表する速球派右腕・高橋 宏斗は学生コーチからフォーム、間の取り方など投手の基礎を学び、正捕手の印出 太一は1学年先輩の捕手・関岡 隼也からストッピングなどを捕手技術を学び、正遊撃手の中山 礼都は朝早くきて学生コーチにノックを受けてもらい、鍛えてもらうなど、選手が主体的になって取り組む様子が見えた。

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