広島商時代には2回、そして現在指揮する広島新庄では3回と、春夏合わせて5回の甲子園出場へチームを導いた迫田守昭監督。今秋は広島県大会を制して、中国地区大会でベスト4進出。選抜出場が有力視されており、出場が決まれば自身6度目の甲子園出場となる。
広島にとどまらず、全国でも屈指の名将という立ち位置にいる迫田監督。しかし、毎年結果を残すために、チームをどのように作れば常勝軍団が作れるのか。今回はファーストをテーマに話を聞いてみた。
バッティングではなく、守備。負けないチームを作ることが大事

ファースト守備につく広島新庄の選手
広島県で常に上位に入り続ける広島新庄。現在チームを指揮する迫田監督が一番優先するのは守備だ。
「守備でミスしないところから始めます。負けないチームを作るために選手の起用もメンバー決めも守備ができる選手が中心です。それで選んだ選手たちを打てるようにしていくのがウチのやり方です」
よく聞くのが、バッティングはいいけど守備が課題。だからコンバートして、何とか守れるポジションで起用するケース。しかし、迫田監督はそのような起用方法をしない。その理由は負けないチームを作るためでもあるが、迫田監督なりの持論があるからだ。
「ハンドリングや打球を合わせるリズム感みたいなものは先手的なものだと思うんです。なので、鍛えて良くなるといっても限界があります。けどバッティングなら鍛えれば何とかなると思っています」
迫田監督は自身の方針を「他のチームとは逆だと思います」と自負している。それでも守備が大事なのだ。だからこそ、守備に困った選手を安易にファーストや外野にコンバートすることを「致命傷になる」と考えている。
「打てる選手、走れる選手に注目して、ポジションをどうするか。それを考えてファースト、外野にコンバートするのは致命傷になると思うんです。ショートやセカンドやたしかに大事だとよく言いますが、ファーストほど大事なポジションはないです」