第42回 たった一言の「声がけ」が大きな力になる!古賀 豪紀監督(九州文化学園)vol.42019年03月28日

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 前回は「個人的な会話をしない、「「見る」コミュニケーション」について書かせてもらった。今回は、古賀 豪紀(こが・ひでとし)監督(九州文化学園)が考える「声がけ」について考えていきたい。古賀監督は、「個人的な会話」の代わりに簡単な「声がけ」をどのように使用しているのか、その意図とタイミングについて読み解いていきたい。

今までの連載記事
vol.1:背番号は総選挙で決めるその真意 古賀 豪紀監督(九州文化学園)
vol.2:どこよりも重みのある背番号 古賀 豪紀監督(九州文化学園)
vol.3:個人的な会話をしない「見る」コミュニケーション 古賀 豪紀監督(九州文化学園)

指導者の声がけは重要



古賀 豪紀監督(九州文化学園)

 古賀監督が高校時代、長崎県では佐世保実が強かった。古賀監督は当時の練習試合の思い出しながら、あるエピソードを話してくれた。

 「佐世保実と練習試合をした時に、当時の佐世保実の監督さんに『お前、良い選手になるぞ』と言われたんですよ。子供ってそれだけで嬉しいですよね。だって甲子園に行った監督さんから『おまえ良い選手になるぞ』と言われて。『俺いい選手になるんだ』と思って頑張れる。だから僕も練習試合したら相手の選手」にもとにかく積極的に声かけて『ナイスバッティングだった』と言ってやろうと思ってます」

 これが「言葉の力」である。会話までしなくとも、適切なタイミングで伝えられる一言(声がけ)が選手にとってとても大きな力になることは想像に難くない。古賀監督はそのタイミングを心得ているのである。

 副キャプテンの後藤 祐大朗は、
「あまり褒めるとかそういうことはないんですけども、どっかでかわからないんですけどもは自分たちを信頼してくれているんだとか感じる部分があって、そこが逆に自分たちにとっては心にくるんで、愛を感じます」
と話してくれた。これこそが答えだろう。

 古賀監督は言う。「僕らの声掛けというのは相当影響力があるんで。それをしない高校野球の監督っていっぱいいるんですよ。自分たちのチームさえよければ良いと言う。それが僕は嫌なんですよね。例えば、同じ県のチームが甲子園に行ったら、一回戦で負ければいいのにと思う指導者もいるかもしれない。でも僕は同じ県のチームが行ったら『頑張れ』と応援したいんですよ。『優勝してこいよ!』と。そういう人間になりたいんです。負ければいいと考えるようなチームにもなって欲しくないでし、そんなチームもなりたくないなですね。」

 古賀監督は、やはり選手ファーストなのである。九州文化学園の選手たちはもちろんのこと、縁があり対戦したチームの選手にもタイミングがあれば「言葉の力」を届けたいと考えている。古賀監督が考える「言葉の力」と「見る」コミュニケーションは、高校野球に新しい考え方を届けようとしている。

編集後記
古賀監督の言葉の中に、「選手の使用者でなく、指導者になれ」という言葉がある。もちろん、古賀監督は後者である。古賀監督は、将来どこででも活躍出来るような選手を育てるために、日本一の指導者を目指している。日本一とは、選手のことを日本一に伸ばして上げられる指導者という意味だ。古賀監督の魅力にやられてしまった。

文=田中 実

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