「根っこ」を育てるには 我喜屋 優監督(興南)vol.2
根っこを育てるには~人間力~
「人間力」を備えるために「根っこを鍛える」
自分自身の基準を持つ「人間力」 我喜屋 優監督(興南)vol.1
先程の章で「自分自身の基準を持つ」ことに触れた。ここでは、我喜屋 優(がきや・まさる)監督(興南)の考える「人間力」を、更にもう一歩深く掘り下げていきたい。
「人間力」を備えるために、我喜屋監督は「根っこを鍛える」という話をしてくれた。
「花を支える枝とか幹とか、でも本当に支えているのは目に見えない基本的な根っこなんだよね。この根っこというのは1本でなくいっぱい広がっているよね。だから知識も根っこだし、あるいは教養も根っこだし、チームワークも根っこだし、やっぱし実際の人間、試合に出れない縁の下の力持ちも根っこだし、この目に見えない部分を沢山鍛えることで、しっかりとした簡単には倒れない大きな木に育つしね。だから、野球も足腰が大事というけども、本当に根っこを育てるというのは、人間力も備わってきますから」
人間力のもう一つの大事な要素、「目に見えない根っこを育てる」である。
「野球もおんなじで、目に見える技術よりも、目に見えない心の中の勝負で大体決まってきますから。メンタルトレーニングとか目に見えないでしょ、次に何やるかなどの考えは他人に見えないでしょ。その部分が勝敗を分けるんですよ」
この人間力の2つ目の大事な要素「根っこ」はどのように育てるのだろうか?
[page_break:生活習慣から無駄にしない~人間力~]生活習慣から無駄にしない~人間力~
この「根っこ」はどうやって育てるのだろうか?
「基本的な生活習慣から無駄にしない、何かを得る。これも小さな気づきです。」
「考える力、伝える力とかは、散歩から出来るし、本を読むことからだって出来るし、それができればコミュニケーション力・語彙力が高まるし、そうすると、大きな大きな、目に見える技術以外のものが入ってくるんですよ」
つまり、人間力を高めるために、「根っこ」を育てる必要があるということになる。「根っこ」を育てるためには、野球を通じての気付きだけでなく、日常にも転がっている多くの機会も活用できるのである。
興南の野球部は、「1分間スピーチ」を行っている。朝散歩しながら、感覚を研ぎ澄ませスピーチのネタを探すのである。散歩が終わると、そのネタをみんなの前で1分間スピーチとして話すのである。これもまた、「根っこ」を育てるための我喜屋流のやり方である。
※この1分間スピーチについては、別途コラムにて紹介したい。
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