第18回 鍛治舎巧監督(県立岐阜商)具体的な数字の達成で成功体験を積み重ねる2018年06月12日

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【目次】
[1]目標を立てて成功体験を重ねる
[2]360度目配りできる選手になって欲しい

 昨年まで務めた熊本県の秀岳館での監督時代に、3大会連続して甲子園のベスト4にチームを導いた鍛治舎巧監督。その後、今春から母校でもある県立岐阜商の監督に就任したが、県岐商だけではなく、すべてのこの春から高校野球をはじめている新入生へのメッセージを聞いてみた

目標を立てて成功体験を重ねる


鍛治舎 巧監督

―― 鍛治舎監督が、高校野球を始める新入生に向けて、最初に伝えておきたいことはどのようなことでしょうか。

鍛冶舎巧(以下、鍛冶舎) 高校に入ってきたすぐというのは、自分に対しての期待もあるでしょうけれども、不安も大きいと思います。だけど、高校野球は始まってしまったら、実質2年と数カ月です。高校野球をやれる時間というのは、思っているよりはるかに短いものです。その間に、成功体験を積み重ねていくこと、それが自分にとっての成長にもなっていくのです。成功体験というのは、目標達成です。その目標も、自分が思い切り手を伸ばせば届くところにあるものでなくてはいけません。そして、その目標を一つ達成出来たら、また次の目標を設定して、そこへ向かって手を伸ばしていく。そうやって成功体験を重ねていくということです

―― そのために、少年野球の枚方ボーイズで指導されていた頃や、秀岳館で指導されていた時、どのようなことがあったのでしょうか。

鍛冶舎 目標設定をして、それを一つずつクリアして、また次の目標に向って行くという姿勢は、これは中学生の枚方ボーイズでも、高校野球でも、社会人野球のパナソニック時代でも変わっていません。成功体験というのは、自信になりますから。一つひとつの成功で自信を得ていくことです。具体的には数字設定をして、数字で見てわかるようにしておくということです。

 これは例えば投手ですと、球速がありますね。それも、ただ130キロを5キロ上げるというのもいいのでしょうが、それだけではないんです。投手としてはむしろ緩急の差を40キロ作れるようにするということの方が意味があります。最速は130キロのままだとしても、緩い球を90キロでしっかりとストライクを取れるようにすると、そうなると相手打者はタイミングを外されて打ちにくくなります。そういう目標設定でもいいんです。最速と最遅の球速差があるということは、投手としては大事なポイントにもなります。だから、その幅を広げていくということも一つの大きな目標です。そして、それはそのまま投手としての武器にもなります。

 打者であれば、スイングスピードを上げるということがありますね。今は、スイングスピードを計れる機械もありますけれども、そういうものを利用するのもいいでしょう。スイングスピードを上げるということは、強い打球が打てるようになり、ヒットの確率が上がるということになります。具体的には、遠くへ飛ばす力ということです。日々の練習ではロングティーで積み上げていくことでわかりやすくなります。

 これは、枚方ボーイズ時代にもやっていたことなのですけれども、ロングティーの飛距離をポイント制で決めていくんです。中学生ですから70mで1ポイント、80mで3ポイント、90mで5ポイントということにしておきます。そして、100球打って、100ポイントを目標とします。5ポイントだったら、10本打てば達成出来てしまいますが、これもわかりやすい数字目標となります。秀岳館では高校生ですから、10m距離を増やしました。80mで1ポイント、90mで3ポイント、100mで5ポイントとして設定しておきました。こうして、目標設定を具体化していきます

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プロフィール

手束仁
手束 仁
  • 生年月日:1956年
  • 出身地:愛知県
  • ■ 経歴
     愛知県知多市出身。半田高→國學院大81年卒。大映映像事業部など映像会社で、映画・ビデオなどの販売促進、営業等を経て、編集プロダクションに10年勤務後独立。
     99年に『熱中!甲子園』(双葉社)を仕掛け、を刊行。同年に『都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社・刊)で本格的にスポーツ作家としてデビュー。99年12月に、『アンチ巨人!快楽読本』(双葉社)を企画編集・執筆。その後、『ふたりの勇気~東京六大学野球女子投手誕生物語』、『高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)などを相次いで刊行。さらに話題作となった『甲子園出場を目指すならコノ高校)』(駿台曜曜社)、『野球県民性』(祥伝社新書)、『プロ野球にとって正義とは何か』、『プロ野球「黄金世代」読本』、『プロ野球「悪党」読本』(いずれもイースト・プレス)などを刊行。
     さらには『高校野球のマネー事情』、『スポーツ(芸能文化)名言』シリーズ(日刊スポーツ出版社)、『球国愛知のプライド~高校野球ストーリー』などがある。
     2015年には高校野球史を追いかけながら、大会歌の誕生の背景を負った『ああ栄冠は君に輝く~大会歌誕生秘話・加賀大介物語』(双葉社)を刊行し18年には映画化された。

     スポーツをフィルターとして、指導者の思いや学校のあり方など奥底にあるものを追求するという姿勢を原点としている。そんな思いに基づいて、「高校生スポーツ新聞」特派記者としても契約。講演なども國學院大學で「現代スポーツ論」、立正大で「スポーツ法」、専修大学で「スポーツジャーナリズム論」などの特別講師。モノカキとしてのスポーツ論などを展開。
     その他には、社会現象にも敏感に、『人生の達人になる!徒然草』(メディア・ポート)、『かつて、日本に旧制高等学校があった』(蜜書房)なども刊行。文学と社会風俗、学校と教育現場などへの問題提起や、時代と文化現象などを独自の視点で見つめていく。 そうした中で、2012年に電子メディア展開も含めた、メディアミックスの会社として株式会社ジャスト・プランニングを設立。新たなメディアコンテンツを生み出していくものとして新たな境地を目指している。
  • ■ 著書
    都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社) 
    甲子園への助走~少年野球の世界は、今』(オーシャンライフ社)
    高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)

    話題作となった
    甲子園出場を目指すならコノ高校(増補改訂)』(駿台曜曜社)
    スポーツ進学するならコノ高校
    東京六大学野球女子投手誕生物語~ふたりの勇気』(三修社)
    三度のメシより高校野球』(駿台曜曜社)
    スポーツライターを目指す人たちへ~江夏の21球の盲点』(メディア・ポート)
    高校野球に学ぶ「流れ力」』(サンマーク出版)
    野球県民性』(祥伝社新書)
    野球スコアつけ方と分析』(西東社)
    流れの正体~もっと野球が好きになる』(日刊スポーツ出版社)NEW!
  • ■ 野球に限らずスポーツのあり方に対する思いは熱い。年間の野球試合観戦数は300試合に及ぶ。高校ラグビーやバレーボール、サッカーなども試合会場には積極的に顔を出すなど、スポーツに関しては、徹底した現場主義をモットーとしている。
  • ■ 手束仁 Official HP:熱中!甲子園
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