第15回 徳島インディゴソックス・鈴木 康友コーチに10の質問 スペシャリストが語り尽くす「指導戦略論」【Vol.4】2017年10月07日

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【目次】
[1]2013年・日本シリーズでの「アイコンタクト」
[2]「何もしない」勇気も必要!とりあえず笑っとけ!

 今季、日本独立リーグ・四国アイランドリーグplusで年間王者に輝いた徳島インディゴソックス。新監督兼投手コーチとして見事な手腕を発揮した養父 鐵(ようふてつ)監督を陰日なたなく支えたのが鈴木 康友ヘッドコーチである。

 高校時代は奈良の強豪・天理高校で大型ショートとして4度の甲子園出場。プロ入り後も職人的守備と勝負強い打撃で読売ジャイアンツ、西武ライオンズ、中日ドラゴンズで計15年間活躍。コーチとしてもNPBだけでも西武ライオンズ、読売ジャイアンツ、オリックス・ブルーウェーブ、東北楽天ゴールデンイーグルス、福岡ソフトバンクホークスを渡り歩き。多くの選手を指導してきたスペシャリストだ。

 では、そんな鈴木コーチは練習や試合でどのような指導や戦略を描いているのか?今回は「僕のお話することが全てではないと思いますが、18歳からプロに入って40数年で思ったことをお話しします」鈴木 康友コーチの多大なる協力の下、高校球児はもちろん、指導者にも向けた「指導戦略論」を「10の質問」形式で4回に分けてうかがった。

 最終回の「第4回」は試合に入る上での「戦略」について語った第1回から始まり、試合において不可欠の流れのつかみ方について語って頂いた「第2回」。さらに深く具体的戦術について語って頂いた「第3回」までの実践編。一軍内野守備・走塁コーチとしてかかわった2013年・東北楽天ゴールデンイーグルス日本一の裏話と高校球児・指導者へ向けてのメッセージを紹介します!

2013年・日本シリーズでの「アイコンタクト」

Q9.これまで自分がヘッドコーチ、監督として練ったゲームプラン・戦略の中で会心の勝利とは?

鈴木 康友コーチ

――これまでNPB・独立リーグでコーチ・監督として数多くの試合を戦ってきた鈴木 康友コーチですが、その中で「これは会心のゲーム」といったものがあれば教えてください。

鈴木 康友コーチ(以下、鈴木):自分が輪の中にいれてうれしかったのは、2013年、東北楽天ゴールデンイーグルスでの日本一です。あのときほど日本の風が東北に向かっているというか、野球を知らない人が野球に興味をもつ風を感じたことはないです。

 第6戦で田中 将大(現MLBニューヨーク・ヤンキース)が最後に160球投げて負けるのかよ!と思ったけど、翌日の第7戦でベンチに入って最後を締めたのも「ああ凄いなあ」と思いましたね。

 でも、僕が一番印象に残ってるのは、最初に仙台で1勝1敗し、「東京ドームで3連敗しなければホームに帰れる」という状況で2勝1敗にできた第5戦ですね。この日、試合前に星野 仙一監督(現:株式会社楽天野球団取締役副会長)とでは「(打席に入る)投手を(無理に)走らせることはないな」と話していたんですが……

 2-0で勝っていて9回裏に先発の則本(昂大)追いつかれ、延長10回にその則本四球で一塁に出て、次の藤田(和也)が死球で一・二塁。ここで僕が三塁コーチャーボックスから星野監督の方向見たら「走らせろ」というジェスチャーをしてるんです(笑)

 もちろん、そんなはサインは決めてない。けど「なんとか伝えなあかん」と思って。まずは試合前に冗談で、足の速い投手の福山(博之)に「サブ(福山の愛称)、お前塁に出たらこれが盗塁や!」と話していたサインをやってみました。それでも完全に信用したらいけないから、則本に向かってこう(ウィンク)して、「行け!」と念を送ったんです。

 そうしたら、次の打者の打球で同時に盗塁のスタートを切ってた則本がホームに還って勝ち越し。そのとき、東京ドームのファンがものすごい拍手を送ってくれて、すごい風を感じた。だから僕は。あの第5戦の「ええ!どうやってサイン伝えたらいいんや」と思ったのが一番印象に残っていますね。

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プロフィール

寺下友徳
寺下 友徳
  • 生年月日:1971年12月17日
  • 出身地:福井県生まれの東京都東村山市育ち
  • ■ 経歴
    國學院大學久我山高→亜細亜大。
    幼稚園、小学校では身長順で並ぶと常に一番後ろ。ただし、自他共に認める運動音痴から小学校入学時、早々に競技生活を断念。その後は大好きなスポーツに側面から関わることを志し、大学では応援指導部で4年間研鑽を積む。亜細亜大卒業後はファーストフード販売業に始まり、ビルメンテナンス営業からフリーターへと波乱万丈の人生を送っていたが、04年10月にサッカーを通じて知り合った編集者からのアドバイスをきっかけに晴れてフリーライター業に転進。07年2月からは埼玉県所沢市から愛媛県松山市へと居を移し、現在は四国地域を中心としたスポーツを追いかける日々を過ごす。
  • ■ 小学校2年時に福岡からやってきた西武ライオンズが野球と出会うきっかけ。小・中学校時代では暇さえあれば足を運んでいた西武球場で、高校では夏の西東京予選の応援で、そして大学では部活のフィールドだった神宮球場で様々な野球を体感。その経験が取材や原稿作成の際に「原体験」となって活きていることを今になってつくづく感じている。
  • ■ 執筆実績
    web上では『ベースボールドットコム』(高校野球ドットコム、社会人野球ドットコム、独立リーグドットコム)、書籍では『ホームラン』、『野球太郎』(いずれも廣済堂出版)、『週刊ベースボール』(ベースボール・マガジン社)など。『甲子園だけが高校野球ではない2』(監修・岩崎夏海、廣済堂出版)でも6話分の取材・文を担当した。

    さらに野球以外でもサッカーでは、デイリースポーツ四国3県(香川・高知・愛媛)版・毎週木曜不定期連載中の『スポーツライター寺下友徳・愛媛一丸奮闘記』をはじめ、「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画社)、『サッカー批評』、web『スポーツナビ』など多数媒体での執筆実績あり。また、愛媛県を熱くするスポーツ雑誌『EPS(ehime photo sports)』でも取材協力を行っている。
  • ■ ブログ:『寺下友徳の「四国の国からこんにちは」』■twitterアカウント@t_terashita
    ■facebook: http://www.facebook.com/tomonori.terashita
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