【選抜出場校徹底分析】県立高松商業高等学校（香川）

安西 翼（高松商）

チーム記録
打率22位
本塁打数2位
1試合平均犠打飛8位
1試合平均盗塁6位

防御率21位
1試合平均与四死球4位
1試合平均許盗塁3位

　投打のバランスがかみ合い、秋の日本一に輝いた。
エース・浦大輝はチーム総投球回数の79.76%にあたる85回1/3を投げて防御率2.00。明治神宮大会準決勝では体調を崩して投げられなかったが、決勝の終盤で復帰した。それまでは絶対的は柱として、8試合連続で完投している。特筆すべきはコントロールで、完投8試合のうち2試合が無四球。1試合平均与四死球2.21は32校の主力投手（投球回数25以上）で9番目に良い数字だ。中でも県決勝の小豆島戦では延長12回の末に1対2で敗れたものの、5安打15奪三振無四球で完投。三振と四死球の両方で驚異的な数字を残したと言える。

　控えの多田宗太郎は7回コールドゲームだった県3回戦で2安打完封。浦が体調を崩した神宮の残り2試合でも先発を任された。神宮準決勝でリリーフし、140キロ台の直球を披露したのがセカンドを守る美濃晃成。公式戦はこれが唯一の登板だったが、練習試合では何度かマウンドに上がっており、先発の経験もある。
キャッチャーの植田 響介は1試合平均許盗塁が32校で3位となる0.17。県大会から明治神宮大会初戦まで10試合連続で盗塁を許さず、最後の2試合で1個ずつ許しただけという数字が光る。
守備陣は12試合で10失策。神宮準決勝で3失策を犯したが、それ以外の試合では守りは安定していた印象だ。失点に占める自責点の割合は87.10%で32校中15位となっている。

　打線はチーム打率こそ32校で22位だが、四国大会決勝以降は4試合連続で二桁安打を放った。さらに本塁打数10は東邦（12）に次いで2番目に多い。個人では4番・植田響が4本塁打を放っている。この数字も32校の打者で2番目に多い。
1番・安西翼は三塁打5が32校の打者で最も多く、5番・美濃は盗塁11が32校の選手で2位の多さとなっている。チーム全体では12試合中11試合で盗塁を成功させた。唯一敗れた小豆島との県決勝だけ、盗塁を記録できていない。
犠打飛は全試合で記録。打順に限らずレギュラー全員が1つ以上の犠打飛がある。

　四国大会出場を決めていたとはいえ、小豆島戦だけが1得点。逆に残りの11試合は全て5点以上を挙げた。勝ち試合と負け試合の違いがはっきりしているデータだ。ちなみに非公式戦の成績を見ても、12敗のうち5点以上とって負けたのは3試合だけだった。
8月19日には敦賀気比と練習試合を行い2敗。エース・浦が先発し、多田がリリーフした第1試合では1対2で惜敗。それから3カ月後の明治神宮大会決勝で再び対戦し、リベンジを果たした。

　秋季大会の登録選手は20人。レギュラーの左打ちは3人となっている。レフトは高松商竹内啓人と吉田啓瑚で併用されることが多かった。
県立校ということで、全選手が香川出身。そのうち12人が高松市の中学校を卒業している。なお、エースの浦は木田郡三木町の出身で、中学校から高松市の県立校に通っている。