【選抜出場校徹底分析】開星高等学校（島根）

瀬戸口 恵大（開星）

チーム記録
打率31位

防御率27位
1試合平均被犠打飛の少なさ7位

　公式戦63回1/3。チーム総投球回数のうち95.95％を占めたようにエース・吉川 貴大にかかる比重は大きい。投球回数の割合は小豆島、釜石に次いで3番目に多かった。8試合全てに先発し、完投は5でそのうち完封2。防御率1.71と安定した成績を残した。県大会決勝では0対12で大敗しているが、7回まで投げた吉川は10安打を浴びながらも3失点。8回からリリーフした3投手で9点を奪われため、吉川自身の数字には傷がつかなかった。ただ、出雲とは県大会では7安打完封だったものの、中国準々決勝で再戦した際には8安打4失点と苦しいピッチング。他にも、数字が良い試合と悪くなる試合がはっきりしているように見てとれる。
守りは8試合で7失策。中国準々決勝と準決勝のラスト2試合で4失策だったのが課題。
キャッチャーの元谷 力は8試合全てに出場。こちらもラスト2試合で5つの盗塁を許し、課題を残した。他には1試合平均犠打飛が1.09と32校で7番目に少ないのが特徴的な数字だ。

　チーム打率は32校中31と高くない。5回コールドだった県大会初戦以外は一桁安打だった。さらに敗れた2試合は相手投手に完封を許しており、点を取れれば勝てるが取れなければ負けるという典型的なデータが出ている。
チーム打率は低いが、総安打数に占める長打の割合が32.8%と32校で7番目に高い。チームトップの打率3割4分8厘をマークした3番・瀬戸口 恵大が3本塁打を放った。4番・福間 塁も2本塁打で、この3番と4番の打撃が機能するかがカギになると言えるだろう。打点は各選手万遍なく散っている印象。他には1試合平均盗塁0.27、平均四死球2,73と32校で一番少ないのが目立つ数字。中国準決勝で創志学園の髙田 萌生に完封された時は、相手と同じ8安打を放ちながら一度も四死球での走者を出せず、これが勝敗を分ける一因にもなったように読み取れる。

　夏休みの練習試合を含む非公式戦の成績を見ると、8月13日の龍谷大平安戦で吉川が3失点で完投して引き分けた。完投試合はこれだけだったが、いかに吉川が自信をつけた試合だったかということがわかる。

　秋季大会の登録選手は23人。レギュラーでは4人が左打ちだった。4番の福間が代走や守備固めで交代するケースが多い。
出身地を見ると地元・島根が多く20人。中でもエース・吉川など7人が中学から開星でプレーしている。残りの県外3人も広島や鳥取の出身で、中国地方の選手構成となっている。