【選抜出場校徹底分析】県立南陽工業高等学校（山口）

重冨 将希（南陽工）

チーム記録
打率28位

防御率29位

　公式戦10試合でコールドゲームが1つもなく、半分の5試合が2点差以内の接戦。しかも延長が2試合あった。
攻守に渡りバッテリーが中心のチーム。エースの重冨 将希は、10試合中9試合に登板し2完投。チーム総投球回数の55.8%を占めた。県大会1回戦での12以外は三振が少なく、被安打率は7.71と多い。打たれながらも粘るタイプの投手というのがデータから読みとれる。打つ方では5番で、チームトップの14安打。中国大会決勝では惨敗に終わったものの、一矢報いる一発を放った。

　藤本 大輔は正捕手であるが、主にリリーフとしてマウンドに上がる。また中国大会1回戦では先発し、13安打を浴びながらも5失点完投。1点差の接戦を制した。こちらも被安打率が10.86、防御率も3.62と良くないが、山崎 康浩監督の起用法からは信頼がうかがえる。4番打者としては10安打で、打率2割6分3厘だった。
バッテリーへのつなぎ役となる3番・山口 勇太は打率3割3分3厘。下位では7番・家入 龍生が打率3割2分4厘をマークした。

守備は10試合で14失策。特に中国大会4試合で9個の失策を犯してしまったのが大きな課題。失点に占める自責点の割合80.0％も改善したい数字だ。藤本がマウンドに上がる時は、下級生の福山 貴秀がマスクを被り、エース・重冨はレフトに回る。

　練習試合を含む非公式戦では32試合中14試合で1人の投手が完投。夏休みは重冨と山口が多く登板していて、藤本は8月21日の東筑戦で完投したのが唯一の登板だった。ただ県大会3回戦で藤本が公式戦初登板したのをきっかけに出番が増え、中国大会直前では2試合で完投。選抜出場を懸けた大一番へ向け、背番号2の投手としての調子が上がっていたのがうかがえる。

　秋季大会の登録選手は21人。旧チームは全てが昨年の3年生で占められており、夏の山口大会でベンチ入りした選手が1人も新チームにいないのが大きな特徴だ。
スイッチヒッターの竹林 輝を含め、レギュラーに左打ちは5人いる。
出身地は全選手が山口で、中でも12人が学校のある周南市の中学校を卒業している。