Column

県立大社高等学校(島根)

2016.02.10

 島根県は出雲市、出雲大社から3キロほどの距離にある島根県立大社高等学校。110年以上の伝統を持つ、島根県内有数の伝統校です。
歌手の竹内 まりやさん、女優の江角 マキコさんなど、出身者には多数の著名人が存在します。
県内で唯一体育科を設置していることもあり、部活動は盛ん。陸上やサッカー、女子バレーボール、剣道と全国の舞台で活躍する部活が島根のスポーツ界を支える存在の一つでもあります。サンフレッチェくにびきFCの吉川 公二監督も大社高校のOBです。

 野球部も全国大会に計10回の出場歴を誇ります。
昨夏は県大会準決勝に進出。秋は中国大会にも出場を果たしましたが、いずれも悔しい1点差負け。全国への思いが強い選手たちはもっと上を目指そうと必死で戦っています。そんな大社高校野球部はどんな冬を過ごしているのか、伺ってきました。

チーム基本情報を紹介!

大社高校の川上 颯斗君(学年:2年/役職:主将)にお話を伺いました!

Q. 部員は何人いますか?

 1年生が23人、2年生が25人います。

Q. 練習のグラウンド環境を教えてください。

 校庭とは別に野球部専用のグラウンドがあり、室内練習場もあります。

さすが全国大会二ケタ出場校!島根県で唯一の体育科設置校だから、施設も充実していますね。

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[page_break:今年のチームについて]

今年のチームについて

峠越えランニング(県立大社高等学校)

Q. 今年のチームのウリ(セールスポイント)を3つ教えてください。

 去年の夏から投げている2投手を筆頭とした投手力。足を絡めた攻撃。それと、チームとしての一体感です。

Q. このオフシーズンではチームとしての目標を教えてください。

 バッティング強化を目標としています。実は秋の中国大会では1点も取れずに負けてしまったので、ここを強化していきたいです。

Q. 確かに、0対1は悔しかったと思います。課題が明確になっているんですね。さて、オフシーズンの練習でこれはキツイ…というものはありますか?

 峠越えランニングです。

Q. 峠ということは坂ですね?

 はい…永遠に急斜面が続く坂道です。

Q. しかも急斜面…。登りも下りも辛いですよね。ではその練習を乗り越えて、春夏はどんな目標を抱いていますか?

 選手各個人が成長し、チーム全体も成長して、一戦一戦に全力で戦い優勝します。そのために、常に優勝、頂点、甲子園出場を意識します!

秋の大会を振り返って

Q. 秋の大会はチームにとって、どんな大会でしたか?

 試合を重ねるごとに強くなっていったと感じました。

Q. そうして勝ち進んでいった県大会中国大会。これら秋の大会を通じてモチベーションを保つためにやっていたことはありますか?

 現状維持では勝てない。だから、成長し続けること、強くなり続けることを自分たちで意識しました。

Q. 大成功ですね!さて話はガラッと変わって、大社高校と言えば選手の身体能力が高いと評判ですが、川上主将から見て「こいつはスゴイ!」という仲間は誰ですか?

 投手の林 雄大です。逆立ち、バック転を当たり前のようにこなし、野生のような力を見せるんです。見た目以上の身体の芯の強さがありますね。

Q. 野生の力はピッチングにも生かされているんでしょうね。ではチームの中で、秋に活躍した仲間を紹介してください。

 安定したピッチングでチームに安心感を与えてくれたのが上野 南斗です。坂本 拓城は四番として打点を稼いでくれました。西野 哲平は勝負強さ、力強さ、そしてうまさを見せてくれました。
あと勝負強さで言えば、森口 雄大もですね。バッティングセンスが高いんですよ。

Q. ヒーローが次々と出てきますね。続いて、チームの中で春以降キーマンとなってくれるであろう選手を教えてください。

 林 雄大上野 南斗坂本 拓城大畑 潤平山﨑 健太郎西野 哲平原 拓弥、そして川上 颯斗ですね。チームの中心となる選手たちなので、責任感と強い思いで活躍してくれると思います。チームを引っ張る活躍を期待します。

Q. 川上君自身も含め、楽しみですね。さて、2年生にとっては最後となるオフシーズン。1年生にとっては、初めてのオフシーズンだと思いますが、春に向けてどんな冬にしたいですか?

 思う存分やり切る!そして、見違えるような変化を遂げたいです。心身ともに、大きく逞しくなりますよ!

 川上主将、ありがとうございました!

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[page_break:指導者が語る!このチームの強み]

 ここからは、大社上野 南斗君、山﨑 健太郎君(副主将)にお話を伺います!

階段を駆け上がる大社高等学校野球部

Q. 高校野球が好きな理由は何ですか?

上野 南斗(以下「上野」):自分にとって高校野球とは特別なものです。高校野球は2年と少ししかない。すぐに終わってしまうもので、みんなが夢としている甲子園にいけるのも高校野球だけというのもあって、特別感があるところが好きです。

山﨑 健太郎(以下「山﨑」):負けたら終わりで、必死になって泥臭く全力でやるところです。それに、野球以外の人間力も磨かれるのも魅力ですね。

Q. 少し儚さも感じますよね。ではこの冬はどんな風に過ごしていきたいですか?

上野:1年の夏は島根県大会で開星に負け、2年の夏石見智翠館に負け、私学の壁を越えられませんでした。だからこの冬は私学に負けないくらい努力をしたいと思っています。
山﨑:壁は越えたいね。チームとしてはしっかり振る力をつけることが目標です。個人としては体をもうひとまわり大きくすることと、やはり振る力をつけることです!

階段トレーニング(県立大社高等学校)

Q. 壁を越えるため、鍛えるんですね。では、野球をする上でモットーにしている好きな言葉を教えてください。

上野:「一念岩をも通す」。この言葉は岩のように堅く大きな障害があっても、必死に取り組んでいけば、岩でも矢はささるという意味です。だからこのことわざが好きです。
山﨑:僕は「情熱こそ最高の才能だ」が好きですね。

Q. 上野君はとにかく壁を越えたいんですね。伝わってきます。最後に『自分はここまで成長するぞ!』と、いう熱い宣言と夏までの目標をお願いします。

上野:やっぱり「私学になんて負けない!」ですね。去年準決勝で負けた悔しさを胸に秘めて、夏までにもっとレベルアップしていき、甲子園の切符を手にしたいと思います。

山﨑:2年の夏はキャッチャーのことで精一杯で、全くバッティングで貢献できなかったんです。だから3年の春と夏は、強肩強打の四番を目標にします。チームとしてはもちろん県制覇、24年振りの甲子園出場です!

 壁は乗り越えるためにありますからね!上野君、山﨑君、ありがとうございました!

指導者が語る!このチームの強み

板垣 悟史監督に質問!

Q. 今年のチーム、これまでの戦いを振り返ってどう見ますか?

 今年のチームは足の速い選手が多いので、積極的な走塁を心がけさせました。秋の大会は、県大会こそ打線がつながり優勝しましたが、中国大会ではまったく歯がたちませんでした。

Q. 選手たちも、中国大会で点を取れなかったと悔やんでバッティング強化を口にしていましたね。

 ええ。夏の甲子園で暴れるために打力のアップが不可欠です。今はとにかくバットを振らせています。

Q. 最後に、厳しいトレーニングに取り組んでいる選手達へ一言お願いします!

 今年のチームのキャッチフレーズは「平成の八岐大蛇(ヤマタノオロチ)」です。「八岐大蛇」とは古事記などに登場する八つの頭と尾を持つ怪物です。最終的には酒に酔ったところを素戔嗚尊(スサノオノミコト)に退治されますが、平成の八岐大蛇はひと味違います。
例年にくらべ、ややおとなしい選手たちが、この大蛇のごとくグラウンドで暴れまわってほしいと願っています。そのためにも冬のトレーニングでは大事な土台作りをしています。自分自身に負けない強い心と体を作って欲しいです。

 出雲大社のお膝元、大社高校らしいキャッチフレーズですね。板垣先生、ありがとうございました!

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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