Column

札幌光星高等学校(北海道)

2016.01.28

 創立80年以上の歴史を持つ札幌光星高等学校。3ヵ年コースとともに、中高一貫教育も行っており、6ヵ年の中で基礎・応用・実践と段階を経て力をつけ、社会に貢献できる豊かな人間育成を目指しています。学業にも力を入れており、ほとんどの生徒が国立を含め難関大学、有名私立大学へ進学しています。

 一方で、部活動も盛んに行われており、運動部・文化部ともに種類が多く、たくさんの生徒が所属しています。中でもゴルフ部は男女ともに優秀で、日本代表選手に選ばれるほどの実力者もいます。

 野球部も強豪ひしめく札幌地区において常にその存在を強くアピールしており、昨夏は見事ブロック予選を突破。惜しくも南北海道大会駒大苫小牧に敗れましたが、秋にも北海道大会へ進出するなどその強さを見せています。目標である甲子園への切符を掴むためにこの冬はどんな取り組みをしているのでしょうか?その意気込みとともに伺いました。

チーム基本情報を紹介!

札幌光星高等学校の加藤 佳大君(学年:2年/役職:主将)にお話を伺いました!

Q. 部員は何人いますか?

 1年生15人、2年生33人の合計48人です。

Q. 普段はどんな環境で練習していますか?

 グラウンドは、サッカー部と共用のため平日は半々で使っています。日曜祝日はサッカー部が外に出るときは全面使えますが、それ以外は、時間で区切ったりして協力して使っています。

今年のチームについて

加藤 佳大選手(札幌光星高等学校)

Q. 今年のチームのウリ(セールスポイント)を3つ教えてください。

 1つ目は、積極性。2つ目は、全力プレー。3つ目が、自分達や相手の事を考える力があることです!

Q. 3つ目は人間的な成長を窺えてとても素敵ですね。では、このオフシーズンでのチームの目標は何ですか?

 全員が「本気」になり、全てのことをすることです!

Q. 「本気」がキーワードになりそうですね。
オフシーズンの『自分たちならでは!』の名物練習はありますか?

 体育館にトラックを作り、そこで行われるラントレ、通称トラックランと呼ばれる練習です。

Q. 体育館でのトラックラン…きつそうです。では、今年の春、夏の目標を教えてください!

 春は強豪と言われているチームに勝利することです。夏は甲子園出場することです!

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[page_break:今年のチームについて]

秋の大会を振り返って

Q. 秋の大会はチームにとって、どんな大会でしたか?

 全道大会に出たことで、レベルの高いチームをたくさん見ることができ、これからどのような取り組みをしていかないと甲子園に行けないかがわかりました。その一方で、自分たちの取り組みの甘さや、勝利への気持ちの少なさなどを実感させられて、とても悔しい大会となりました。

Q. 甲子園への道が開けたというのは大きな収穫ですね。札幌地区は強豪校が非常に多いですが、そんな中勝ち残るには何が必要だと思いますか?

 野球の技術はもちろんですが、どんな状況でもブレない強い人間になることが必要だと思います。

Q. ありがとうございます。では、この秋活躍した仲間を教えてください。

 まずは山内 颯です。4番として大事な場面で打ってくれました。
また河合 大輝はエースとして粘り強く投げてくれましたし、キャッチャーの千葉 一真は落ち着いたリードをしてくれました!

Q. たくさんの選手が活躍してくれているというのは心強いですね。続いてチームの中で、春にキーマンになってくれると思う選手を教えてください。

 ケガを乗り越えて、ピッチャーとしてチームを引っ張ってくれるであろう今野 拓見と、長打力を生かしてチャンスで打ってくれることに期待の羽田 竜一朗です!

Q. 2人の選手に是非注目していきたいです!それでは、春に向けてどんなオフシーズンにしたいか、意気込みをどうぞ!

 今の2年生にとっては、今年の夏が最後のチャンスなので、部員全員が甲子園に必ず行くと本気で言えるようなチームを作りたいです。そのためにも選手全員が、野球、学校生活、私生活のすべてを全力で取り組みます!

 悔いのない夏にするためにこの冬頑張ってください!ありがとうございました!

 ここからは、今井 淳貴君(2年・内野手)、山田 怜央君(2年・内野手)、松本 虎君(1年・投手)にお話を伺います!

体育館で行うトラックラン(札幌光星高等学校)

Q. 高校野球が好きな理由は何ですか?

今井 淳貴(以下「今井」):野球の華であるのが高校野球であり、高校野球をやっている人にしか分からない面白さがあるところです。

山田 怜央(以下「山田」):チーム一丸となり、深い絆で結ばれた仲間達と甲子園を目指せるところです!

松本 虎(以下「松本」):幼い頃から高校野球を観ていて、高校に入ったら甲子園で活躍したいと思っていました。

Q. この冬はどんな冬にしていきたいですか?

今井:「心技体」すべてにおいて昨シーズンよりもレベルアップしたいです。
山田:体幹トレーニングで基礎体力を高めたいです。また、体を大きくして長打力をつけたいですね!
松本:下半身強化のために、走り込みやトレーニングなどに力を入れ、投手としての土台をしっかり作り上げたいです。

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[page_break:指導者が語る!このチームの強み]

Q. 野球をする上でモットーにしている、好きな言葉は何ですか?

今井:「失敗から学べ」です!

山田:「努力に限界なし」という言葉です。

松本:「夢は近づくと目標に変わる」です!

Q. 3人それぞれが心掛けていることがあるんですね!
それでは最後に『自分はここまで成長するぞ!』という熱い宣言と夏までの目標をお願いします。

今井:プレッシャーに負けない選手に成長します。そして、夏までにスタメンを取り、北海道で一番長い高校野球生活を送りたいです。

山田:チームになくてはならない存在になります!不動の1番打者として、自分が塁に出たら、必ず得点に繋がるという選手になり、甲子園初出場を達成したいです。

松本:札幌光星野球部を背負う投手になります!

 雪をも溶かす熱い宣言、ありがとうございました!

指導者が語る!このチームの強み

合坂 真吾監督に質問!

Q. 今年のチームは、新チームが始まってからどんなテーマをもってチームを作り上げてきましたか?また、秋の大会の振り返りとこの冬のテーマを教えてください。

 現在のチームは、夏のチームで3名しかベンチ入りしておらず、そのうちスタメンで出ていた者が1名という経験値の少ない状況でスタートしました。そんな状況を考慮し、夏休みはオープン戦を例年以上に多く組み、技術的なことよりも「試合のながれ」を感じさせることを意識させました。

「試合のながれ」が変わる・手放すを感じることを徹底的に教え、チーム全体が試合での「頑張り所」に気付くことができるようにしようと考え、チーム作りを進めました。夏休み終盤の頃には、私が何も言わなくても選手達が試合の「頑張り所」に気付くようになっていましたね。

 ただ秋季大会では思うような結果が出せませんでした。その反省も踏まえ、冬のテーマは毎年「個」を伸ばすことを意識しています。
野球には組織力だけではどうすることもできない状況が多々あります。打撃も守備も盗塁も基本的には個と個の戦いです。組織力に頼らずに、相手を倒せるような個人能力の向上を全員に求めます。

 年末恒例の「追い込み」は、約2週間ランニングメニューは通常の3倍。トレーニングも毎日3時間。技術練習も、基本練習のみを長時間にわたり行い、スイングもメニューの大半が早振り。最終日のランニングが終わった時には、泣く生徒もいるくらい心も体も追い込みます。自分自身に嘘はつけませんから、正月休み中に「俺はやりきった」と思えるのか、もしくは「まだできたな」と思ってしまうのか。

 トレーニングも基本練習も食事も「意識」で差が出ます。全てはその差だと思うのです。生徒の中に今でも秋季大会の悔しさが心に残っているならば、例年以上に「個」は伸びるはずです。

Q. 「ながれ」は味方にも敵にもなりうる…深いですね。では、冬のトレーニングに取り組む選手にメッセージをお願いします!

 中学生時に、上手くて敵わなかった強豪校に行った同級生を逆転するチャンスは、オフシーズンだと私は思っています。「体が変われば、可能性が変わる」。人が生まれつき持っている才能だけで高校野球の勝敗は決まらない。
しかし、現実は才能がものをいう世界。才能がなければ自分の可能性をひろげることが求められます。身長以外は努力で何とでもなります。私がよく口にする、「弱い自分に負けない、もう一人の自分に負けない」という言葉の真意を理解し、弱い自分との戦いで日々連勝してほしいと思います。

 そうすることにより、ある程度決まっていた自身の能力の限界点を超え、可能性を秘めた自分と新たに出会えると思います。

 野球に対する大きな熱意を持つ札幌光星高校野球部さん!監督のもとさらなる成長を遂げる今後に注目です!ありがとうございました!

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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