Column

県立真岡高等学校(栃木)

2016.01.19

 真岡高等学校は、1900年(明治33年)に創立された歴史のある伝統校です。100年以上の歴史を誇る同校は、政治家、スポーツ選手、声優など著名人を多く輩出。そのOBたちは後輩たちへ講演会を行っています。またイベントも盛んで芸術鑑賞会、校内駅伝大会、校内マラソン大会などが開催されています。

 野球部は過去3度、21世紀枠栃木県推薦校に選ばれており、栃木県内でも注目の県立校である真岡で、昨秋の大会でも140キロを超える速球を投げ込む板垣 理音投手擁する青藍泰斗を相手に接戦を演じるなど、春の躍進が期待されます。私学の強豪を破り甲子園出場を果たすために、現在、課題にして取り組んでいることと、夏へかける意気込みを伺いました。

チーム基本情報を紹介!

真岡高校の根本 宏保君(学年:2年/役職:主将)にお話を伺いました!

Q. 部員は何人いますか?

 1年生16人、2年生18人の計34人です。

Q. 練習のグラウンド環境を教えてください。

 校庭にあるグラウンドを使用しています。ライトは78メートルでやや浅く、レフトは定位置の後ろがサッカー部と共用になっています。室内練習場はなく、照明も簡易的なものなので、すぐ暗くなるこの時期は練習が制限されてしまいます。

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[page_break:今年のチームについて]

今年のチームについて

主将の根本 宏保選手(県立真岡高等学校)

Q. 今年のチームのウリ(セールスポイント)を3つ教えてください。

 例年以上に打力があり、長打を打てる選手が多いです。それから、走塁の意識が高く次の塁を狙う姿勢が見られます。また、監督と選手の距離感が良いのでコミュニケーションがとりやすいです。

Q. このオフシーズンでのチームの目標は何ですか?

 食事とトレーニングで強く大きな体を作ることと、攻撃力を上げるために毎日バットを振り込むことを目標にしています。また、厳しい練習をみんなで乗り切ることでチームの結束を高めたいです。

Q. オフシーズンの練習で、『自分たちのチームならでは』の名物練習や、これは本当にキツイというメニューがあれば教えてください。

 練習の最後の1時間をトレーニングにあてています。2つのグループに分かれてウエイトトレーニング&体幹と、ジャンプ&ランのメニューを1日ごとに交換して行っています。きついメニューですが、定期的にウエイトのMAXやジャンプの測定をして数値化するので、その数値を伸ばそうとモチベーション高く取り組んでいます。

Q. モチベーションが高いとより練習の効果がより上がりますよね!では、今年の春と夏の目標を教えてください。

 春は夏のシードを決める重要な大会なので、ベスト8以内に入ってシードを獲得することが最低限の目標です。夏は厳しい試合が続くと思いますが、チーム一丸となって甲子園出場を目指します!

秋の大会を振り返って

Q. 秋の大会はチームにとって、どんな大会でしたか?

 センバツ出場を目標にして、シード校として臨んだものの、3回戦で敗退という悔しさの残る大会となってしまいました。しかし、自分たちの野球への取り組みを見直す良い機会になったようにも感じています。

Q. 3回戦では、強豪の青藍泰斗に僅差で敗れてしまいましたが、その試合で感じたことや発見、収穫となったことを教えてください。

 青藍泰斗板垣 理音投手の140キロの速球に対して、しっかりアジャストしてスイングしていくことができていないと感じましたが、つまっていてもバットを振り切って出塁につなげられたのは良かった点でした。また、この試合では選手全員から「勝ちたい」という気持ちを感じました。常にこのようなモチベーションで試合に臨めるような雰囲気作りをしていきたいと考えています。

Q. 大きな収穫があったようですね!では、そんな秋の大会を踏まえて、この冬に強化したい点、取り組みたい練習メニューがあれば教えてください。

 打撃では強く振る中でしっかりアジャストできるようにスイングスピードとミート力を向上させていきたいです。また、守備では内外野とも堅実さが欠けていました。ノックやゴロ捕球など基本的な練習を反復して堅実なプレーを身につけていきたいです。

Q. ありがとうございます!では、このチームのキーマンを教えてください。

 伊沢 勇人木村 恭佑です!伊沢は二番手投手として2回戦、3回戦ともに好リリーフを見せてくれました。2回戦では7回から延長10回まで無失点、3回戦でも4回から登板して無失点に抑えてくれたので、打撃のリズムが良くなりました。木村は1回戦ではサイクル安打、3回戦では満塁のチャンスでセンターオーバーのエンタイトルツーベースを放つなど、勝負強いバッティングでチームに貢献してくれました。

Q. 木村君はサイクル安打ですか!すばらしいですね!!続いてチームの中で、この春キーマンになってくれるであろう選手を教えてください。

 伊東 風汰吉川 佑輝伊沢 勇人です。伊東と吉川の2人は俊足で打撃にもパンチ力があります。チャンスメイクもランナーを返すこともできる2人が打線のキーマンとして暴れてくれると思います!また吉川はショートを守っているので、守備の要としてチームをリードしてくれることにも期待しています。伊沢は試合から離れている中、モチベーションを下げることなくトレーニングに励んでいるので、春以降は投手陣の柱として活躍してくれると思います。

Q. 3選手に注目したいと思います!では最後に、2年生にとっては最後となるオフシーズン。1年生にとっては、初めてのオフシーズンですが、春に向けて、どんな冬にしたいかなど、思っていることを教えてください。

 栃木県から甲子園に出場するには作新学院をはじめとした強豪私立校を倒さなくてはなりません。春夏に自信を持って戦うためにも、自分に厳しくトレーニングに励んでいきたいです。この冬の取り組みが夏の結果になると思うので、切磋琢磨してチーム全体の底上げを図り、個人としてもチームとしても最高の冬にしたいです!

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[page_break:指導者が語る!このチームの強み]

有坂 剛選手(県立真岡高等学校)

 ここからは、有坂 剛君、伊沢 勇人君にお話を伺います!

Q. 高校野球が好きな理由は何ですか?

有坂 剛(以下「有坂」):2年半という短い期間で技術面、精神面において大きく成長できる部分です。
伊沢 勇人(以下「伊沢」):仲間と過ごす時間が楽しいので高校野球が好きです。

Q. この冬はどんな冬にしていきたいですか?

有坂:野手としても投手としてもレベルアップして、夏に力を発揮するための基盤を作っていきたいと思います!
伊沢:体重を増やし、体を大きくして球速アップを図るとともに変化球の質を上げ、投手としてレベルアップできるような冬にしたいです。

伊沢 勇人選手(県立真岡高等学校)

Q. 野球をする上でモットーにしている、好きな言葉は何ですか?

有坂:「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」です!
伊沢:「笑顔」という言葉です!好きな野球をしているときは「笑顔」で楽しむことを心がけています!

Q. それでは最後に『自分はここまで成長するぞ!』という熱い宣言と夏までの目標をお願いします!

有坂:どんな球でもヒットにして、甘い球は確実に長打にする技術とピンチでもチャンスでも動揺しない精神力を身につけて、全ての面においてチームを牽引していける選手になります!

伊沢:自分に限界はありません。どこまでも成長し、チームの勝利に貢献できる投手になって、春、夏の大会で最高の結果を残します!

 有坂選手、伊沢選手、ありがとうございました!

指導者が語る!このチームの強み

■ 小林 克明監督に質問!

Q. 今年のチームは、新チームが始まってからどんなテーマをもってチームを作り上げてきましたか?また、秋の大会の振り返りとこの冬のテーマを教えてください!

 新チームは長打力のある選手や足の速い選手がおり、ある程度得点力はありました。また、投手も皆打たせてとるタイプでしたが複数おり、ある程度計算が立ちました。しかし、守備で堅実さに欠けるところがあったので、「守備の確実性」を高めて無駄な失点を減らしていくことが秋の大会に向けての課題でした。とにかくピッチャーが打ち取った打球を確実にアウトにするという当たり前のことを徹底してできるようにしようと。守備では腰高だったり、捕球時に目切りが早かったり、送球が安定していなかったりと基本ができていない部分があり、そこを何とかしなければ接戦になったときに一つのミスで負けてしまうのではないかという危惧がありました。

 秋の大会では、3回戦まで勝ち上がりましたが、夏に向けては、特に投手力と攻撃力を向上させなければ勝てないと思っています。

 この冬は、守備ではボール回しやゴロ捕球などの基本動作の反復、投手は体幹のトレーニングとウエイト、走り込みで下半身の強化を図り、春以降の投げ込みに耐えられる体作りが重要だと思っています。攻撃についてはとにかく振る量を増やしてスイングスピードを上げることに重点をおいて指導しています。「体が変わればプレーが変わる」を合い言葉に食事や体作りに取り組み、技術面では基礎の徹底を図ることが目標です。基礎を身につけることで、春夏へのパフォーマンスの向上につなげる冬にしたいです。

Q. では最後に厳しい冬のトレーニングを送る選手たちへ何か一言をお願いします。

 厳しい冬のトレーニングで体を作っていけば、技術も伸びて、野球がどんどん面白くなる。夏に戦うための土台をこの冬完成させ、本気で甲子園初出場を狙おう!

 栃木の強豪を倒すべく冬の練習に取り組む真岡高校のこの春の活躍に期待しています!ありがとうございました!

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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