第93回 樟南と鹿児島実の2強時代から神村学園が台頭して新たな三すくみ状態に2018年07月07日

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

【目次】
[1]70年代以降の鹿児島勢の躍進
[2]三すくみ状態の鹿児島県の勢力構図

70年代以降の鹿児島勢の躍進



「鹿実」の知名度は県内でも群を抜いている

 かつて鹿児島県の野球をリードしていったのは鹿児島商である。戦前からの市立商業学校なのだが、長い間、県内の野球をリードしていた。それに一中(現:鶴丸)、二中(現:甲南)が絡むというものだった。さらにはそれを追って、市立高校の鹿児島玉龍出水商といったところも頑張っていた。
 とはいえ、鹿児島県勢が甲子園で実績を示してきたのは70年代以降で、71年夏に鹿児島玉龍がベスト8に進出し、翌年は定岡正二投手を擁する鹿児島実が優勝候補の東海大相模を延長の末に下すなどしてベスト4に進出したころからだ。定岡人気もあって、一気に注目されるようになった。

 こうして、鹿児島県の力関係は市立勢の鹿児島商から徐々に鹿児島実に移って行った。さらにもう一つの勢力として枦山智博監督が就任した鹿児島商工が加わってきて、三つ巴の状態になってきた。とくに鹿商工は80年代に入ってから力をつけていった。この3校の県内の争いが結果として鹿児島県のレベルもあげていったということが言えるのではないだろうか。
 ちなみに当時、この3校の帽子のマークは鹿商が商業の「S」、鹿実が実業(business)の英語で「B」、鹿商工が「K」だったのも面白かった。要するに、県内での区別がわかりやすいということが最優先となっていたのだと考えられる。
 その後、鹿商が徐々にフェイドアウトしていって2強の時代へと突入していく。

 鹿児島商工樟南と校名変更したのは福岡真一郎―田村恵(現広島スカウト)のバッテリーが3年生となった94年である。優勝も狙えるチーム力との大会前からの評判も高かったが、下馬評通りに勝ち上がって決勝に進出した。決勝戦では九州対決で佐賀商の前に屈するものの新校名はしっかりと全国に印象づけた。
 鹿児島勢としても初めての決勝進出であった。

 全国での戦いぶりからすれば県内で一番リードしているはずの鹿児島実だったが、気がついたら樟南に先を越された感じになってしまった。
 ところが、その2年後に鹿児島実はしっかりと逆襲する。96年春に下窪陽介投手を擁して智辯和歌山を倒してついに全国の頂点に立ったのである。県勢初の全国制覇となり改めて鹿実野球健在を印象づけた。とくに、白地に黒の太文字で力強く「鹿実」のユニフォームは改めて、鹿児島県の高校野球のリーダーであるという印象を与えてくれた。

【次のページ】 三すくみ状態の鹿児島県の勢力構図

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
第268回 夏の代替大会が開催されることを願って…。全国のドラフト・注目野手リスト一覧【ドラフト特集コラム】
第114回 万里一空~すべての高校球児に贈るメッセージ【高校野球コラム】
第267回 夏の代替大会が開催されることを願って…。全国のドラフト・注目投手リスト一覧【ドラフト特集コラム】
第255回 徳丸、前川など西日本の新2年生野手はスラッガー、巧打者揃い!【後編】【ドラフト特集コラム】
第253回 2003年世代の野手は吉野創士(昌平)を筆頭に名門校だけではなく、新鋭校にも注目スラッガーが登場!【前編】【ドラフト特集コラム】
第1142回 目標は菊池雄星。東海大相模に進学の南琉人(湖東リトルシニア)が思い描く本格派への道【後編】 【2020年インタビュー】
第1142回 関西地区を代表する左腕・南琉人(湖東リトルシニア) シニア日本代表に選出までの成長ストーリー【前編】 【2020年インタビュー】
第1140回 1年から名門・智辯和歌山の4番に座る徳丸天晴。目指すは高校通算50本塁打 【2020年インタビュー】
東京大vs鹿児島大【2020年 大学野球練習試合(交流試合)・春】
慶応大vs第一工業大、鹿児島国際大【2020年 大学野球練習試合(交流試合)・春】
第1129回 高校通算40発の福岡屈指のスラッガー・久木田和志(小倉工) 後ろを振り返らず「日本一のスラッガー」へ 【2020年インタビュー】
第1114回 「甲子園に行く」という強い信念が成功をもたらした 八方悠介(鹿児島城西)【後編】 【2020年インタビュー】
滋賀選抜vs龍谷大【2019年 練習試合(交流試合)・秋】
高知vs東海大相模【2019年 練習試合(交流試合)・秋】
鹿児島実vs神村学園【鹿児島県 第25回MBC旗争奪高校野球選抜1年生大会】
有明 【高校別データ】
有明・末吉 【高校別データ】
池田 【高校別データ】
出水商 【高校別データ】
大島 【高校別データ】
大島 【高校別データ】
都立大島海洋国際(派遣:都立狛江) 【高校別データ】
都立大島(派遣:都立東大和) 【高校別データ】
鹿児島 【高校別データ】
鹿児島玉龍 【高校別データ】
鹿児島工 【高校別データ】
鹿児島商 【高校別データ】
鹿児島商工 【高校別データ】
鹿児島実 【高校別データ】
鹿児島城西 【高校別データ】
鹿児島情報 【高校別データ】
鹿児島第一 【高校別データ】
鹿児島南 【高校別データ】
加治木 【高校別データ】
加世田 【高校別データ】
鹿東 【高校別データ】
鹿東・開陽・高特支・加常潤・市来農・串木野 【高校別データ】
鹿屋中央 【高校別データ】
神村学園 【高校別データ】
錦江湾 【高校別データ】
甲南 【高校別データ】
甲南 【高校別データ】
甲南 【高校別データ】
国分 【高校別データ】
佐賀商 【高校別データ】
志學館 【高校別データ】
樟南 【高校別データ】
樟南二 【高校別データ】
松陽 【高校別データ】
川内 【高校別データ】
武岡台 【高校別データ】
垂水・財部連合チーム 【高校別データ】
智辯和歌山 【高校別データ】
鶴丸 【高校別データ】
東海大相模 【高校別データ】
吹上 【高校別データ】
福山 【高校別データ】
枕崎 【高校別データ】
れいめい 【高校別データ】

コメントを投稿する


コラムトップに戻る サイトトップに戻る

コラム