第74回 甲子園のお膝元のプライド、報徳学園、東洋大姫路が競い合う中、明石商も台頭【兵庫・2018年度版】2018年05月23日

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【目次】
[1]初期的時代は関西学院と神戸一中、以降は報徳学園がリード
[2]滝川二や神戸国際大付も実績を残しており、近年では明石商が台頭

兵庫の高校野球と言えば報徳学園と東洋大姫路が中心



報徳学園は2017年の選抜甲子園でもベスト4に進出した

 記念大会となった2018年のセンバツで、兵庫県からの選出校がなかった。これは、戦後の70年の歴史82年、2015年に続いて3度目のこととなった。記念大会でもあり、県関係者はことのほか残念がった。秋季大会では1位の明石商、2位の西脇工、3位の神港学園がいずれも初戦敗退したからだった。
 甲子園は兵庫県西宮市にある。つまり兵庫県は甲子園大会の一番の地元ということになる。それだけに記念大会には、お膝元としてもぜひ代表校が欲しかったということ言うのは本音であろう。
 夏の大会では、第1回大会以来1回たりとも欠かすことなく代表校を送り込んでいる唯一の県だ。さすがに地元ということもあるのだが、それだけ古くから野球が盛んだったということもいえるであろう。

 その初期的時代をリードしたのは関西学院と神戸一中(現神戸高)である。その両校は大正年間に相次いで優勝を果たしている。関西学院は1998(平成10)年春に63年振りに甲子園に戻ってきてファンやOBを喜ばせた。関学は地元では愛着を込めて「KG」と呼ばれ関西では「西の慶応」といわれるくらいに人気のある学校だ。夏も、09年に復活して70年ぶりに夏の甲子園に戻ってきてファンを喜ばせた。
 また歴史的にはその後、第一神港商が圧倒的な強さで春に連続優勝している。その第一神港はやがて市立神港(現神港橘)となり剛腕・山口高志(関大→松下電器→阪急・オリックス)で甲子園出場したこともある。しかし、76年夏に中村 誠投手で甲子園に登場して以来、全国の舞台からは遠ざかっている。現在では神港といえば、10年春にも出場している神港学園の方がイメージされるようになっている。

 もっとも、兵庫県の高校野球といえばやはり報徳学園だ。61年夏に初出場して、延長11回倉敷工に6点を奪われながら裏に追いつき、12回にサヨナラ勝ちを果たした試合の印象が強烈で「逆転の報徳」の名前を貰った。その後もボークのサヨナラ負けやサヨナラ本盗など話題を提供していく。その報徳が頂点に駆け上がるのは74年春、当時では高校野球としてはまだ珍しい投手分業制を確立して初優勝を果たした。ここから数年が兵庫県の黄金時代となる。金村義明投手(近鉄→中日→西武)で夏の頂点に立つのは、それから7年後の夏である。そのメンバーの一人永田裕治監督か率いて、02年春にはエース大谷智久(早稲田大→トヨタ自動車→ロッテ)で下馬評どおりの強さを発揮して堂々の優勝を果たした。
 その間に兵庫県勢としては東洋大姫路が一足先の77年夏に安井浩二が東邦との決勝戦でサヨナラ3ランを放ち初優勝を果たしている。東洋大姫路報徳学園と競いあってレベルアップしてきた。03年春にはベトナム国籍のグエン・アン投手(東芝)を擁し話題となり、延長15回引き分け再試合で花咲徳栄を下してベスト4に進出。08年春にも春夏通算6度目のベスト4に進出している。
 甲子園通算では報徳学園が58勝32敗、優勝3回ベスト4が7回。東洋大姫路は33勝18敗1引き分けで優勝1回ベスト4が5回という数字だ。この両校だけでも兵庫県勢の甲子園での勝負強さを印象づけている。緑の報徳学園と紫の東洋大姫路という帽子の庇のコントラストも印象的である。この両校が今も兵庫県をリードしている。

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