第59回 圧倒的私立校優勢の構図ながら、頑張る都立勢が刺激になり盛り上がる【東京都・2018年度版】2018年04月07日

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【目次】
[1] 圧倒的私立校優勢の構図ながら、頑張る都立勢が刺激になり盛り上がる
[2]夢の甲子園を目指す都立高

圧倒的私立校優勢の構図ながら、頑張る都立勢が刺激になり盛り上がる



昨年の秋季東京都大会で優勝の日大三

 学生スポーツの先駆者として早稲田と慶應が引っ張ってきたという歴史。これは、高校野球でも同じである。東京はそのお膝元といっていい。慶應義塾はやがて神奈川へ移転するが、早稲田は東京の雄として存在し続けている。高校野球でいえばその役は早稲田実業が引き受けている。21世紀になって新宿区早稲田(グラウンドは武蔵関)から国分寺(グラウンドは南大沢)へ移転し、地区割りも東東京から西東京への移動になったのは、東京都の高校野球地図としては多少の影響があったのは確かだ。

 早稲田実業といえば世界の本塁打王・王 貞治(読売、現ソフトバンク会長)の母校であり、王投手で57年春に全国制覇して、甲子園でも「WASEDA」の力を見せつける。さらに、早稲田実業が注目を浴びたのは、荒木大輔(ヤクルト→横浜)が1年生投手で活躍して準優勝を果たした78年夏である。

  以降、「早実フィーバー」で甲子園に女性ファンを増加させたとも言われた。これで、甲子園のファンには確実に早実の早稲田スタイルのアルプススタンドの応援雰囲気ともども定着させた。そして06年夏は斎藤 佑樹(早大→日本ハム)が登場して全国制覇。一躍ヒーローとなり、話題の中心となっていった。さらに清宮 幸太郎(日本ハム)が、1年生から本塁打を量産して注目を浴びた。

 

  同じ西東京では東京を代表する名門として日大三が選手の質はもちろん環境、近年の実績すべてで完全にリーダーとなっている。

 

 62年春には倍賞明などで準優勝を果たしている。これが日大三の最初の存在感を示す活躍となるが、71年、72年と春に連続して決勝進出して優勝、準優勝と実績を積み上げていく。そして01年に近藤一樹投手(近鉄→オリックス)らで全国優勝して、通算最高打率を残して「打棒の日大三」も印象づけた。

さらに、2010年春に準優勝して、翌年夏には2度目の全国制覇を果たす。この時も、髙山 俊(阪神)らの圧倒的な打撃力が看板となっていた。そして17年、18年と2年連続して春の甲子園に出場。相変わらずの安定感を示している。

 

  早稲田実業が荒木大輔で準優勝した80年春には、帝京が準優勝を果たしている。その2年前に初めて甲子園に登場した帝京だが、やがて全国でも屈指の強豪となっていくプロローグだった。帝京早稲田実業を下して夏の甲子園に姿を現すことになるのは83年だ。一度壁を打破して以来すると、帝京は毎年チーム力を蓄え、やがて東京都では一番の素質軍団となる。甲子園でも、夏2回、春1回の全国優勝を果たす。

 帝京の活躍に刺激を受けてか、84年春には岩倉PL学園を倒し、初出場初優勝の快挙を果たす。相前後して二松学舎大附関東一といった甲子園でのキャリアが浅い学校も春のセンバツで準優勝をするようになる。

  このあたりから、東京代表は比較的春に強いということが定着してきた。それは、一つには少年野球の好素材の選手が入ってきて、素材のよさがそのまま生きる秋季大会から春のセンバツにかけてチームがピークになるということもあるのではないかとも考えられた。

  90年以降になって、永田昌弘監督の熱心な指導が効を奏して国士舘が台頭して甲子園出場を果たす。ことに、春はベスト4が2度あるのは見事だ。05年夏に悲願の夏の甲子園出場も果たした。永田監督はその後、一旦は大学監督を務めたが、15年秋から高校監督に復帰している。

  組織的な背景もあり、全国的な規模での選手集めが可能な創価なども、素質に恵まれた選手の宝庫となっていった。春3回、夏5回の出場実績があり、95年夏には準々決勝で帝京と東京勢対決も経験している。

  夏の公園には、なかなか縁遠かった二松学舎大附も14年夏に1年生バッテリーで悲願達成する。そして、17年夏にも2度目の出場を果たした。

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