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私立強豪校の壁を破れ!躍進をみせる西尾東(愛知)を支える頑張るマネージャー!

2019.05.22

 私立強豪校が大きな壁となって立ちはだかる愛知県で、ここ数年、地区大会では好成績を収めている西尾東。第100回記念大会を迎えた昨夏は、東愛知大会決勝まで進出するなど、「[stadium]甲子園[/stadium]出場」という目標が着実に近づいている西尾東野球部。今回は西尾東野球部のマネージャー達にスポットを当てお話を伺った。

夏の決勝戦での悔しい敗戦を乗り越えて


選手と共に写真に写る志賀妃茉里さん 中段右

 西尾東野球部80名の部員を支えるマネージャーは志賀妃茉里さん(3年生)、白井美海さん(2年生)、有馬百華さん(1年生)、岩井彩優里さん(1年生)、川原彩葉さん(1年生)、坂部未歩さん(1年生)、原彩華さん(1年生)の7名である。

 彼女達の主な仕事は練習や試合の準備、防具の手入れ、試合のアナウンス、掃除、道具の管理である。

 特に、試合のアナウンスは上手く出来るように力を入れているという。また、倉庫やバックネット裏は常に綺麗にしておき、部員達が気持ち良くプレー出来るよう最善を尽くす事を心掛けている。

 仕事をこなす中でやりがいを感じる瞬間は、部員達に「ありがとう。」と感謝される時。
楽しいと思う瞬間は、大会の時だという。「部員達が今までの練習の成果を発揮し、結果を残せた時の嬉しそうな笑顔を見ると、こっちまでとても嬉しく思います!」と話してくれた。

 重たい荷物を持っている時に、部員達が「俺が持つよ。」とさりげなく言ってくれると思わず胸キュンしてしまう。「マネージャーが部員を助けなきゃいけないのに、何度も自分が部員達に助けられています。」と話し、部員達との絆の深さが伺えた。

 マネージャーの彼女達が特に印象に残っている試合が、2018年9月15日に刈谷球場で行われた秋季愛知県大会2回戦、愛産大三河戦である。その夏、第100回記念大会で見事、東愛知県大会決勝まで勝ち進んだ西尾東。その時の対戦相手も愛産大三河だった。結果は3対1で[stadium]甲子園[/stadium]まであと一歩のところで敗戦した。要するに、西尾東にとって愛産大三河は因縁の相手なのである。
 「夏の決勝で負けてとても悔しい思いをしたので、今度こそは勝とう!と気合い十分でした。」と、秋はマネージャーを含めチーム全体が士気を高めていたようだった。その結果、5対3と見事に愛産大三河に勝利した。「リベンジを果たせて嬉しかったです。」と振り返った。

 この春卒業した先輩達の印象に残っている試合は、2018年7月15日に行われた第100回記念大会東愛知県大会Bブロックの3回戦である豊橋東戦だ。負けたら引退という中で、7対5と相手に2点リードを許したまま迎えた9回裏、西尾東は2アウトまで追い込まれてしまう。必死の応援で誰もが勝利を願う中、タイムリー二塁打を放ちチームはサヨナラ勝ちを収めた。

 この接戦を制した先輩達について、「とても優しく、いつも助けて下さり、私達マネージャーにとって大きな存在でした。」と話した。

 ここからは志賀妃茉里さん(3年生)にお話を伺いました!

[page_break: 「一緒に甲子園行くぞ!」選手の言葉に助けられた]

「一緒に甲子園行くぞ!」選手の言葉に助けられた


西尾東マネージャー志賀妃茉里さん

 志賀さんは、中学時代ソフトボール部に所属していた。マネージャーになったきっかけは、「好きな高校野球を1番近くで観ることが出来るのと同時に、選手のサポートや応援をしたいと思ったからです。」と話してくれた。

 もしもマネージャーになっていなかったら、「ソフトボール部で選手としてプレーしていたかもしれません。」と話す志賀さん。憧れであったマネージャーになり、自分自身に忍耐力がついたという。

 マネージャーとして仕事をこなす中で、やはり部員達や保護者の方から「ありがとう」と感謝されると嬉しい気持ちになるようだ。
 また、ホワイトデーには部員達からサプライズでプレゼントを貰ったという。その中に、名前入りの帽子と"一緒に[stadium]甲子園[/stadium]行くぞ"と書かれた手紙があり、とても嬉しい気持ちになった。 

 選手から信頼を寄せられている志賀さんでも、「1年生の時は何もかも思い通りにならず、挫折しかけました。」と、辛い思いをした事もあった。

 しかし、選手も「マネージャーは裏方の多い仕事ですが、黙々と仕事をこなし、後輩マネージャーにも指導をしてくれたりと、チームにとって欠かせない存在です。感謝しています。」と語り、志賀さんが西尾東野球部にとって大きな存在である事がよく分かった。

 志賀さんにとって、マネージャーとは「助けてもらいながらも、部活にはなくてはならない存在。」と同時に、「頼りにされるマネージャーになりたいです!」と話してくれた。

 最後に部員達に向けて、「毎日一生懸命練習するみんなはとってもかっこいいです。これからも全力で応援します。頑張れ!」とコメントをくれた。

 志賀さん達3年生にとっては高校野球最後の夏となる今年、西尾東野球部はどんな躍進を見せてくれるのか。悲願の[stadium]甲子園[/stadium]出場を果たせるのか、注目していきたい。

文=編集部

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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