Column

選手ファーストで日々活動!光泉(滋賀)頑張るマネージャー

2019.04.24

 滋賀県南草津にある光泉高校は春季滋賀大会で14日の初戦、膳所高校を相手に6対2で勝利。滋賀県内ナンバーワン右腕・吉田力聖を要する注目チームである。そんな光泉高校野球部65人を支えるマネージャーは3人。日々選手を支える彼女たちの活動への思いに迫る。

試合ごとにデータを出して選手をサポート!


ジャグの準備をする光泉マネージャー

 光泉高校野球部には現在65名が所属しており、その活動を支えるマネージャーさんは3年生の的場美歩さん、石原杏実さん、2年生の中野綾香さんの3名。

 普段の活動は、お茶やスポーツドリンクなどのジャグ作り・プロテイン作り・コップやシェーカーの洗い物・ノックのボール渡し・メニューの時間を計る・管理棟の掃除などだ。

 変わった活動として朝、選手と一緒に3つの班に分かれて週1回校舎内やグラウンド周辺の掃除をしている。

 他の高校のマネージャーに負けてないと語る点が公式戦、練習試合に分けて24項目のデータを出していることだという。その中でもキャッチャーの盗塁阻止率など個人的に出して欲しいと頼まれたデータも出していて、数字にすることで選手が明確な目標を持つことができるようにサポートしている。
光泉野球部はミズノ社の計測アプリ「MA-Q」を練習に取り入れたり、SNSの野球部公式アカウントで発信するなど、少し変わった活動をすることでも知られているのだ。

 彼女たちがやりがいを感じる瞬間は、マネージャーをやったことによって野球のルールをより深く知れたことだという。

 活動の中で1番楽しい時間は、「試合の時にベンチの中でスコアを書いている時間が好きなので一番楽しい」と話してくれた。「毎日練習を頑張っている姿を近くで見ているので、その成果を試合で発揮した時に、スコアを書きながら自分のことのように嬉しくなるから」と語る。

 おすすめグッズとしては、選手と別に用意されているマネージャー用のヘルメットだ。女子用に可愛いデザインになっているそう。ヘルメットが可愛いとノックの手伝いをする際にもテンションも上がるのだろう。

 マネージャーあるあるは何かありますか、と尋ねると「ベンチに置いてあるVジャンなどをたたむ癖がついているので、家でも置いてある服をたたんでしまう」のだという。マネージャー業が私生活にもいい影響を及ぼしているのだと感じた。

 普段から選手ファーストを第一に考えて日々サポートをしていると話す彼女たち。

 思わず選手に胸キュンする瞬間は、普段ふざけている選手が本気で野球に取り組んでいる姿だそう。やはりギャップにグッとくる女子が多いことが分かる。

 そんな彼女たちにとって特に思い出に残っている試合は、2018年9月24日の秋季大会3回戦 対滋賀学園戦だ。

 0対1で負けてしまったが、「何度もピンチを乗り越えて1点で抑えることができとても印象に残っていて、ベンチに入った中でも一番手に汗握る試合でした」と話してくれた。

 昨年の夏の大会で最も記憶に残っている試合は1回戦の綾羽戦だ。

 「0対3で負けてしまいましたが、福島さんがセカンドを守っている時のファインプレーと、ピッチング姿が印象に残っています」と語る。

 新チームになってから、引退してしまった3年生がチームを引っ張っていた存在の大きさを実感したと話してくれた。

 チームの選手に一言お願いしますというと「全員が悔いなく引退を迎えられるように全力でサポートするので、一緒に頑張っていきましょう!」と答えてくれた。

 ここからは3年生の的場さんにマネージャーの活動への思いを伺った。

[page_break: 色々な挫折や日々の活動を通して周りをよく見て気配りできるようになった]

色々な挫折や日々の活動を通して周りをよく見て気配りできるようになった


野球道具を持つ光泉マネージャー

 中学時代は放送部だった的場さんが野球部のマネージャーをしようと思ったきっかけは、「両親が野球好きで兄も野球をやっていて、自分も小さい頃からプロ野球をよく観に行っていたこと」が理由だと話す。「大好きな野球に携わることができるのは高校生のこの3年間しかないと思ったので、マネージャーになりたいと思って入部しました」と話してくれた。

 監督、顧問の先生、同学年、後輩の選手に気軽に声をかけられる、頼れるマネージャーになりたいと話す的場さん。

 マネージャーを始めてから、サポートする立場として一歩引いたところからの視点により、周りをよく見ることができ気配りをできるようになったと話す。もしマネージャーをしていなかったら「プロ野球観戦によく行っていたと思う」と、野球愛が伝わる回答をしてくれた。

 他のマネージャーに野球のルールを教える際に、上手く伝えることができずに挫折しかけたと話す的場さん。このほかにもくじけそうになったことがあったが、その時に仲間に言われた「お前に辞められたら困る」という言葉に救われ、一番心に残っていると話す。

 「今こうして続けていられるのも多くの言葉をかけてもらったからです。」

 自慢のエピソードについてたずねると、誕生日を同学年の選手に祝ってもらったことだと話す。「バースデーソングを歌ってもらったり、誕生日プレゼントをもらったりしたことはすごく嬉しかったので1番印象に残っています」と語ってくれた。

 一言でいうとマネージャーはチームの母親的存在だと話すフェントン・ライアン主将。

 「僕たち選手はマネージャーがいなければ今のチームはないと思うし、これからも母みたいな存在でいてほしいと思います!」と話してくれた。

 選手ファーストで行動し、日々サポートに勤しむ彼女たちに注目しながら、これからの光泉の活躍に期待していきたい。

文=編集部

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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