第98回 世界一浦和実業野球部が大好き!浦和実(埼玉)の頑張る!マネージャー2019年04月10日

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【目次】
[1] 誰よりも早起きして選手を温める!
[2]ホームランボールをもらえるような存在になりたい!

 現在54人の部員が活動する浦和実野球部。昨秋は準々決勝埼玉栄を破って4強に進出し、実力の高さを示した。今回は浦和実を支える1名のマネージャーにお話を伺った。

誰よりも早起きして選手を温める!



ノックの補助をする石井 結衣菜マネージャー(浦和実業)

 お話を聞かせてくれたのは、新3年生の石井結衣菜さんだ。
 普段はジャグや補食作り、アイシング、ボール渡しなどを行っている。1人で部員を支える激務だが、イベントごとにお菓子を作ったり、夏大会前にはお手製のお守りも渡したりしているというから驚きだ。

 特に冬休みの練習期間には、毎朝一番早くグラウンドに到着し、部室のヒーターをつけて選手が少しでも温まれるように心がけていたという。寒い冬には早起きをすることさえ辛いが、誰よりも早く練習場へ向かう意識の高さに感服した。
 またマネージャー室には選手の選手への願いを書いた張り紙をして、選手を常に思いやっているという。

 「選手と一緒に戦う気持ちと選手への愛は絶対に負けません!!」と力強く言ってくれた石井さん。その言葉の通り、秋季大会では関東大会を目標に選手と一丸となって戦ってきた。少しでも選手のやる気が出るようにと、県大会の組み合わせが決まると、見やすい大きなトーナメント表を掲示した。

 「少しずつ目標に近づいていることが目に見えて分かり、とても嬉しかったです」と話してくれたが、石井さんの気遣い一つが部員のモチベーションを支えるきっかけとなっていることは間違いない。

 まさに完璧なマネージャー像の彼女がやりがいを感じるのは、笑顔で「ありがとう!」と言われた時。「一人でマネージャーをしているからこそ、どの時間もやりがいを感じています」と、常に前向きに頑張る姿勢はさすがだ。

 またマネージャー活動の中で一番楽しい時間は、練習試合や公式戦でスコアを書いている時だ。選手の活躍を一番近くで見ることができ、一緒に戦っていると実感できるスコアラーはマネージャーの醍醐味。「毎日の練習試合が楽しみ」と話してくれた。

 欠かせないマネージャーグッズは救急バック。万が一に備えて、絆創膏やテーピング、爪切りを入れて毎日持ち歩いている。緊急時の対応もマネージャーの重要な役割だ。

 心がけているのは、「選手に迷惑をかけない」こと。「1人でのマネージャー業務はどうしても選手に手伝ってもらう場面があり、練習を妨げてしまうのが申し訳ない」と話す彼女。
 「一人で仕事が出来るように、効率を頭の中で考えて行動するよう心がけている」としっかり答えてくれた。

 マネージャーあるあると言えば、選手の名前が漢字でフルネームで書けるようになることと、選手の後ろ姿で誰か分かるようになること。「坊主姿のエナメルバッグを持つ高校生を見ると、すぐどこの高校か知りたくなります」と高校球児愛が止まらない。

 また思わず選手に胸キュンしてしまう仕草は、夏の暑い練習時に汗を拭く姿や、話している時に優しく微笑まれたとき。中でも、「秋季大会で負けて泣いていた時に、1人の選手が慰めてくれたのは一番胸キュンしました。慰め方がかっこよくて男らしかったです!!」と話してくれた。
 その一人の選手がいったい誰なのか、気になって仕方ない。

 これまでの試合の中でも、10月6日に埼玉県営大宮公園球場で行われた春日部共栄戦は忘れられない。
 関東大会出場を決める最後の試合だったが、両校得点につながる一打が出ず12回の延長戦にもつれ込んだ。最終的には春日部共栄の丸田選手に打たれ、惜しくも1対0で負けてしまった。悔しさで泣く部員もおり、中でもエースの三田選手は打たれた瞬間にマウンドにひざをつき泣いていた。
 「その時の光景は今でも頭の中によみがえってきます」と振り返ってくれた。しかし、「悔し涙を流したからこそ、春と夏にはもっと強くなれていると思う。辛い冬の練習を頑張る原動力になっているから、部員にとって良い試合だったと思います」と力強く答えてくれた。

 また、7月11日に埼玉県営大宮公園球場で行われた夏の大会初戦、山村学園戦は鮮明に記憶に残っている。
 この対決が決まった時から、多くの人に注目され報道もされた。「エースの英さんがいるから絶対に負けることはない」と信じ応援していた最中、英 真太郎選手の体調が悪化する緊急事態が起きた。しかし、手足がつっている状態でも処置を受けながら試合は続行。ベンチに戻る際に主将が肩を貸したり、会場全体が英選手を応援している状況を見て感動し、涙した。最後まで投げぬいた英選手を支えるチームメイト・応援する会場の温かさに感動した、とても印象的な試合だった。

 この春卒業した先輩たちは「元気をくれる存在であり、後輩思いの優しい人たちでした」と語る。
 「マネージャーの私にも下の名前で呼んでくれたり、いつも笑顔で話しかけたりしてくれる大好きな先輩。マネージャーも一人しかいなく、とても仲良くさせてもらいました」と尊敬してやまない。先輩というより友達としてたくさん話し、仕事をした、とても頼りがいのある先輩だったそうだ。

 支えあってきた先輩が卒業し一人になっても、懸命に部活を支える彼女の努力は並大抵ではない。

 日々練習に励むチームの選手に一言お願いすると、「毎日遅くまで練習お疲れ様です。マネージャーという立場で皆を支えなければいけないのに、私が一番支えてもらっています。皆の練習する姿や笑ってはしゃいでいる姿は私の元気の源です。毎日たくさんの笑顔をありがとう。引退までのあと少しの期間、皆の近くで、全力で応援させてください。皆なら必ず甲子園へ連れて行ってくれると信じています」と激励してくれた。

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