選抜初出場!モットーは「目配り・気配り・心配り」! 大分
初出場を果たしたセンバツの1回戦で、松山聖陵戦を4対1で見事勝利し、次戦に向け勢いに乗る大分。そんな大分野球部53名の部員を支えている2人の女子マネージャーに、普段の活動や、その中で感じる想いについてお話を伺った。
他校の監督からも褒められる働きぶり!
釘宮梨櫻さん(左)、後藤聖華さん(右)
マネージャーは後藤聖華さん(2年生)、釘宮梨櫻さん(1年生)の2名である。
主な活動内容は、ノックの補助、アイシング作り、ジャグ作り、ゴミ出し、掃除洗濯、お茶出し、道具の修理など様々だ。
日々の活動では、部員が野球をしやすい環境作り、部員の体調面を気遣うなど、部員を第一に考えて行うことを心掛けている。
活動を行っている中で、部員から頼りにされたり、「ありがとう」という言葉をかけてもらったりした時に、特にやりがいを感じると話す。
「どこの高校のマネージャーよりも動ける自信があります!」と意気込む彼女たち。練習試合や球場当番に行った際には、他校の指導者の方に、「よく動くな~」「ずっと走り回っていてすごいな~」と言われているのだ。
1番楽しい時間と話してくれたのがノックの補助。「監督と部員を1番近くでサポートでき、一人一人の頑張っている姿を見ていると、私達自身も元気をもらい笑顔になれます。部員と共にノックに参加できてとても楽しいです!」と話してくれた。
しっかり者の彼女達だが、マネージャーあるあるを伺うと、「ジャグを運んでいるとジャージが濡れてしまいます」「試合中に部員や監督に球数を聞かれて答えた後に、こっそり数え直したり・・・」「練習後に部員から食べ物をねだられます(笑)」と、高校生らしいお茶目な一面も。
そんな彼女達が特に思い出に残っている試合は、2018年10月24日に[stadium]リブワーク藤崎台球場[/stadium]で行われた秋季九州地区高校大会準決勝、筑陽学園(福岡)戦である。この試合は8回まで両チーム無得点の接戦だった。
しかし、8回表に筑陽学園が遂に1点を先制。これには、試合を観ていたマネージャーの彼女達も「ハラハラしました」と話した。ところが大分は9回裏、二死三塁から2番 田中 颯悟が安打を放ち見事同点に追いついた。この瞬間はすごく盛り上がり、印象に残っていると話してくれた。
昨夏に引退した3年生については、「偉大な存在」だったという。「目配り・気配り・心配りが完璧な先輩達でした。特にマネージャーの先輩は、私達にとって尊敬でき、憧れの存在でした」と語った。
最後に、「毎日必死に頑張っている姿がすごくたくましくて、かっこいいです!そんな姿を見ていつも勇気をもらっています。苦しい時や辛い時もあるかもしれませんが、プラスに考えて“一意尊心”して全員で頑張っていこう!」と日々練習に励む選手達にコメントを頂いた。力強いコメントをくれた彼女達は、選手にとっても頼りになる存在に違いない。
“日本一”のマネージャーを目指して
書類をまとめるマネージャー
ここからは後藤聖華さん(2年生)にマネージャーになったきっかけなどのお話を伺った。
中学時代は陸上部に所属していた後藤さん。そんな彼女がマネージャーになったきっかけが、2016年夏の大分大会決勝、佐伯鶴城戦だった。実際に球場で高校野球を観戦したのはこの試合が初めてだったという。
大分はこの試合を制し、2回目の夏の甲子園出場を果たした。「私もマネージャーになって“甲子園”に行きたい!」という気持ちが芽生えたのだという。
マネージャーの活動を通し、後藤さん自身、基本の礼儀や上下関係がしっかりとできるようになり、性格も凄く前向きになった。「きっとマネージャーになっていなかったら、バイトをして遊んでばかりいたと思います」と話す。
しかしそんな後藤さんも、部員と大きな喧嘩をしてしまった時には挫折しそうになった。それでも、選手が試合で結果を残したときには、嬉しい気持ちになるのだという。
また、部員から「甲子園に連れて行くけん」というメッセージをもらったことはすごく嬉しく、今でも心に残っているという。
後藤さんにマネージャーの活動の中で印象に残っているエピソードを伺うと、とても素敵なエピソードを話してくれた。練習が終わり疲れていた時、1人の部員に「自分のカバンにゴミがあるけん、待って。」と声をかけられた。
しかしカバンから出てきたのはゴミではなく、カロリーメイトだった。それを「お疲れ!」と言って渡してくれたのだという。後藤さんも、「これは嬉しかったです、私のちょっとした自慢話です!」と振り返った。きっと、日頃の信頼関係がなしえるものなのだろう。
選手もマネージャーについて「気が利いてとても助かる存在です。」と話し、頼りにしているようだ。
後藤さんは「部員に頼りにされ、目配り・気配り・心配りがしっかりと出来る“日本一”のマネージャーになりたいです!」とさらなる目標を語ってくれた。
大分は、選抜2回戦で昨夏に続いて2季連続甲子園出場、地元兵庫の明石商との対戦が決まっている。大分野球部の選手と共に、マネージャー達の活躍にも注目だ。
文=編集部