Column

言われなくても「自主性」を大事に動く!久留米商(福岡)頑張る!マネージャー

2019.03.20

 久留米商は市立校で第1回全国大会にも出場しており、62年夏の全国大会では伊藤久敏投手で準優勝。83年夏にもベスト4に進出している歴史のある伝統校だ。そんな久留米商を支えているのは、女子マネージャー5名である。彼女達はどのような思いで活動に取り組み支えているのか、お話を伺った。

「自主性」を大事に事前準備行う


保田紗希良、川島茉緒マネージャー(久留米商)

 久留米商野球部を支えるのは、2年生・川島茉緒さん、下川美結さん、保田紗希良さん、1年生・今村朱里さん、古川心響さんの5名の女子マネージャーである。

 彼女達の主な仕事は、試合時のスコア記入、アナウンス、お茶出し、会場準備、練習時のノックのボール出し、トレーニング準備、プロテイン作り、お守り作り、遠征・合宿時の洗濯、食事の配膳など盛り沢山であることがよく分かる。これに加えて、冬の練習時にはティーボール作り、体重表の管理など少し変わった仕事も行っているようだ。

 久留米商野球部が甲子園出場を果たせるよう、部員達が練習をしやすい環境を作ることを心掛けているという彼女達。
 他校のマネージャーに負けない点は「自主性」だと話す。「先生から言われなくても、試合前の準備を当日の出発1時間半前に集合し、確認作業を行う」「次のメニューを事前に確認し、準備を済ませておく」など徹底している様子が伺えた。

 忙しい中でも、部員から「ありがとう」と言われた時にはやりがいを感じるという。また、楽しいと感じられる時間は、練習試合や公式戦でスコアを書いている時。グラウンドだけでなくベンチやスタンドも盛り上がっていて、一緒に戦っていると感じることができるそうだ。

 マネージャーあるあるを伺うと、「帽子をかぶった後に髪の毛に型がついてしまうことです」と女の子ならではの悩みを教えてくれた。
 また、選手に思わずキュンとしてしまう瞬間は、「腕の筋肉」と「きつい練習の時に頑張っている姿を見た時」だ。

 そんな彼女達が特に思い出に残っている試合は、2018年9月23日に[stadium]久留米市野球場[/stadium]で行われた、九産大九産との南Aブロックパート決勝戦である。「結果は2対1で負けてしまったものの、最後まで諦めずに攻撃をしていて、今までに見たことのない選手達の姿を見ることができました」と振り返った。

 昨夏引退した3年生は全員が団結していて、1・2年生が目標とする存在だったという。昨夏の南福岡大会では準々決勝まで勝ち上がり香椎と対戦。初回に7失点と苦しい展開になるも、粘り強さを見せ、最後には3点差まで追いついた。彼女達にとっても記憶に残る試合になった一戦だった。

[page_break:「ありがとう」をパワーに変換して]

「ありがとう」をパワーに変換して


左から今村朱里さん、下川美結さん、保田紗希良さん、川島茉緒さん、古川心響さん

 2年生の川島茉緒さんは中学時代バスケットボール部だったが、父と兄が野球をやっていた影響で興味を持ち、マネージャーを志した。

 もしもマネージャーになっていなければ、「自分のことで精一杯」になっていたという。しかし活動を通じ、中学時代はバスケットボール部でプレイヤーだったため気付かなかった点にも、マネージャーになってからは気付くようになった、つまり周りが見られるようになったのだ。

 そんな川島さんでも、練習メニューが多く忙しい時には、挫折しそうになるそう。そんな時、部員、さらには保護者の方に「いつもありがとう」と言って頂けた嬉しさをパワーに乗り越える。

 また、掃除をしていて部員から「上手い」「綺麗」と褒められた時、顧問の先生から「日本一のマネージャーだ」と言われた事は印象に残っていて、自慢のエピソードでもあると話した。

 主将の鳥巣 淳経選手も、「誰よりも選手を気遣い、欠かせない存在です。」と教えてくれた。
 すでに素敵なマネージャーだと思うが、川島さんは「マネージャーは部員の1人でもあり、チームを支える存在。部員から信頼され、チームを明るくできるマネージャーになりたい。」とさらなる目標を語ってくれた。

 最後には選手たちに向けて「夏の大会まで残り少ないけれど、最後まで諦めず、悔いの残らないよう頑張って下さい。全力でサポートします!」と頼もしい一言を頂けた。

 春夏の大会ではどんな活躍を見せてくれるのか。川島さんを含め、今後の久留米商野球部とマネージャー達に期待したい。

編集後記
 取材前に暖かい飲みのものをそっと用意してくれたり、選手の名前を教えてくれたりと、小さな気配りが出来るマネージャーの皆さんでした。きっと選手たちもそんなマネージャーに支えられているのだろうと感じました。

文=編集部

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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