Column

オフでも練習をしたがる選手達が自慢! 橿原(奈良)頑張る!マネージャー

2019.03.06

 2000年春のセンバツを経験している橿原昨秋は県大会で準優勝に輝き、19年ぶりに近畿大会出場を果たした。今まさに勢いに乗っている橿原野球部のマネージャー達の、日々の仕事ぶりに迫った。

球児の熱い思いに惹かれて


部員29名を支える橿原マネージャーたち

 橿原野球部の部員29名を支えているのは、7名のマネージャーである。

 マネージャー達の主な仕事は、グランド周りの環境整備、ノック時のボール渡し、守備の補助、飲み物づくりである。他にもマネージャー自らグローブを身に着け、ノック時にボールキーパーをするなど様々な仕事をこなしている。活動中、「ありがとう」と選手から言われたときや、選手が楽しそうに練習する姿を見ると、マネージャー達もやりがいを感じるという。

 「いつも笑顔でいること」に関しては他校のマネージャーには負けないと話す彼女たち。「マネージャーが笑顔でいることで、選手が辛い時に少しでも励みにして欲しい」というマネージャー達の思いやりが伝わってきた。また、選手たちが気持ち良く自分の練習に取り組めるよう、マネージャーが出来る事なら何でも全力で取り組むよう心掛けていると話してくれた。

 選手もマネージャーについて、「欠かせない存在です。自分達のことを第一に考えてくれていて、不自由なく野球に取り組める環境を作ってくれています。最後の夏に向けてマネージャーと一緒に甲子園を目指して頑張りたいと思います」と語り、信頼の厚さが伺えた。

 マネージャーの1人、上村仁愛さんは中学時代、バスケットボール部に所属。中学生の時にたまたまテレビで見た甲子園で、球児の熱い思いや高校野球の面白さに惹かれて、高校野球を近くで支えたいと思いマネージャーになることを決意した。

 時には仕事でミスをして周りに迷惑をかけ、挫けそうになることもあるというが、マネージャーの活動を通して更に高校野球を好きになり、それによって自分自身も笑顔が増えていったという。

[page_break:全国レベルの相手と対戦が出来たことが思い出

全国レベルの相手と対戦が出来たことが思い出


タイムを計る橿原マネージャー

 上村さんが昨夏の大会で印象に残っている試合は、7月22日、[stadium]佐藤薬品スタジアム[/stadium]で行われた奈良大会3回戦の五條戦だ。最終回、チームが負けている中でベンチの3年生が試合に出た時、彼らが諦めることなく、次へ次へとヒットで繋ぐ姿が印象に残っているという。引退していった選手たち、先輩マネージャーについても、「いつどんな時でも周りに気を配れて、選手からも頼られる尊敬できるマネージャーでした。選手の皆さんも最上級生として引っ張ってくださる優しい先輩たちでした。」と振り返った。

 こうして信頼のおける先輩たちが引退し、新チームがスタートした。秋季奈良県大会では、決勝天理に敗れたものの、見事近畿大会に出場。近畿大会1回戦は、10月27日にほっともっとフィールド神戸で行われた大阪桐蔭戦だった。この試合は上村さんにとっても思い出に残る試合だという。

「結果は6回コールドで終わってしまったけど、普段は対戦することのない全国レベルの相手と同じ場所に立って試合を出来たことが思い出です。」

 新チームの選手たちについては、「誰にも負けないくらい野球が好きです。オフの日でも練習をしたがる選手たちのマネージャーを出来ることが、私の自慢です」と語る上村さん。そんな上村さんにとってマネージャーとは「選手たちのために全力を注ぎ、陰で支える存在」だという。もしもマネージャーになっていなければ、「大切な仲間に出会えていませんでした。自分も気配りの出来ない人間になっていました」と、マネージャーになってからの自身の成長も感じている。

 最後には選手達に、「冬練習も終盤になり、もうすぐ練習試合が始まるけれど、最終目標である夏大会で悔いが残らないよう、1日1日を大切に日々の練習を頑張って下さい。チーム一丸となって残り半年頑張りましょう!」と力強いコメントをくれた。

 上村さんをはじめ、橿原野球部のマネージャー達は今日も選手や監督、保護者の方々の「ありがとう」を励みに野球部を支えていっていることだろう。マネージャーを含め、これからの橿原野球部の活躍に期待したい。

(文=編集部

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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