Column

「誰にでもできることこそしっかりと!」府立八尾頑張る!マネージャー

2019.02.13

 大阪府八尾市にある、府立大阪八尾高校は2018年、夏は南大阪大会ベスト8、はベスト16と激戦区大阪で公立進学校ながら優秀な結果を残している。そんな大阪八尾高校の野球部員30名を日々支え、サポートしている4名のマネージャーたちの思いや日常の活動に迫っていく。

部員への愛が溢れるマネージャー


笑顔でガッツポーズをとってくれた府立八尾のマネージャーの皆さん

 大阪八尾高校の野球部30名を支えるマネージャーは樋口花菜さん(2年)、麻 優奈さん(1年)、東 美空さん(1年)、谷地こはるさん(1年)の4名だ。
 普段の活動はジャグを作ったり、ノックのボール渡し、トレーニングやティーのタイム測定をしたり、おにぎり作り、お守り作りを主に行っている。中でもおにぎりを作る活動は少し変わった活動なのではないかと話してくれた。

 冬の練習期間ともなればジャグを作ったり、いろいろな水仕事をしたりするのも手が凍ってしまいそうになるのではないかと思っていたが、冬の水仕事をする時にゴム手袋を使用しているという。これはおすすめのマネージャーグッズだと話してくれた。確かにゴム手袋があれば冬場の辛い水仕事も乗り越えられそうだ。

 「部員への愛」だけは他の高校のマネージャーに負けていないと語る彼女たち。マネージャー活動の中で1番楽しい時間はいつですかと聞くと、「みんなが楽しそうにはしゃいでる所を見るとき幸せな気持ちになるから楽しい」と話してくれた。

 また、やりがいを感じる瞬間も、部員の変化や成長が見えたときや、ノックなどでいつも以上に声が出ていたりチームが盛り上がっているときだと話してくれた。選手たちのことをよく見て、親身に思っている彼女たちの愛がとても伝わってくる回答だった。

 更に、普段どんなことを心がけて選手をサポートしていますかと尋ねると、「選手が野球に集中できるように心がけている」と答えてくれた。日頃の練習から部員への愛をもって活動しているマネージャーたちなのだということが伝わってくる。

 そんな部員への愛に溢れた彼女たちが思わず選手にキュンとする瞬間が、「重い荷物を持ってくれたとき」と、「目を見て『ありがとう』と言ってくれたとき」と話してくれた。学校で部員とすれちがうと嬉しかったり、部員のちょっとした一言で一喜一憂してしまうのがマネージャーあるあるだと語る。部員想いの彼女たちだからこその回答ではないだろうか。

 特に思い出に残っている試合は、8月8日に行われた府立市岡高校との練習試合の2試合目だという。
 8回表で普段スタメンで試合に出ていない選手がアウトをとって、それを選手全員で喜んでいた姿がとても印象的で嬉しかったと言う。

 昨夏の大会で一番記憶に残っているのは、7月25日の[stadium]舞洲球場[/stadium]での上宮太子戦。「3回裏の守備でノーアウト満塁から無失点に抑えた場面がとにかく嬉しくて記憶に残っている」と話してくれた。
 そんな記憶に残る試合をしてくれた3年生たちは、小さな事でも話を聞いて欲しいと思える、大好きで心の支えになっている存在だと話す。

 チームの選手へひとことお願いしますというと、「いつもありがとう」と感謝の言葉を伝えてくれた。

[page_break:マネージャーを通じて責任感と積極性が生まれた]

マネージャーを通じて責任感と積極性が生まれた


4人揃って笑顔でピースをしてくれた府立八尾のマネージャー

 ここからは2年生の樋口花菜さんに日々のマネージャー活動への思いを聞いていく。

 2年生の樋口さんは中学時代、バトミントン部に所属していた。マネージャーをはじめようと思ったきっかけは、「もともと興味があったから」。

 マネージャー活動を通じて、ゴミを拾ったり、スリッパを並べたり、友達が困っていたら助けるなど、誰でも出来ることだからこそ自分は必ずしないといけないという責任感と積極性が生まれたと話してくれた。「もし、マネージャーをしていなかったら人の意見に流される消極的な人間になっていたと思う」。そんな樋口さんはマネージャーを辞めたいと思ったことは一度もないそう。

 マネージャー活動をしている上で嬉しかったことは「地域の方やOBの方、保護者さんに褒めてもらえたときが嬉しかった。部員との関わりの中では数え切れない」と答えてくれた。やはり樋口さんも部員との思い出の中に嬉しかったことがたくさん溢れているのだなと感じた。
 その中でも誕生日にサプライズをしてくれたことはちょっとした自慢のエピソードだそう。

 樋口さんが最も印象に残っているのが「野球部は家族みたいな存在」と選手が言っていたことだ。野球部全体でお互いのことを大切に思っているという関係性が、この一言から感じられた。

 樋口さんは、「マネージャーは常に部員に支えられている存在」だと言い、「自分がマネージャーで良かった」と思ってもらえるようなマネージャーになることを目指している。しかし、キャプテンの西浦謙太は「マネージャーはチームにとってこのチームに必ずいないといけない『大切な部員』だ」と話す。この言葉からも、既に樋口さんは自分が目標とする存在に近づいていることがうかがえる。お互いを大切に思い合っている存在であり、なくてはならない存在なのだなと感じた。

 仲間への愛で溢れた彼女たちに注目し、府立大阪八尾高校の今後の更なる躍進を期待していきたい。

(文=編集部

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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