今年の選抜甲子園で、初戦の瀬戸内相手に逆転勝ち。3回戦では優勝校大阪桐蔭と善戦を繰り広げた茨城の明秀日立。初出場ながら主将の増田 陸選手をはじめ、エース・細川 拓哉、4番・芳賀 大成らの活躍が目立った。
そんなチームを支えるマネージャーは、日々どんな仕事を取り組んでいるのか。何を考えて過ごしているのか。そしてどんなマネージャーを目指しているのか、お話を伺った。
1人3役で日々の練習を過ごす

明秀日立野球部を支える石川シェーン選手
明秀日立は2学年(新2,3年生のみ)で70名もいる大所帯のチームである。それだけいると、マネージャーの仕事は他のチームに比べて多いはずだが、このチームのマネージャーは新2年生の石川シェーンただ1人である。
石川は選手でありながら、練習中はマネージャーとしてチームに気を配りながら動いている。また、試合の時はスコアラーとしてベンチに入り、仲間と共に戦っている。
マネージャーを兼任するようになったきっかけは、新チーム発足がして一か月後の遠征先で監督に誘われたのがきっかけだった。その時に石川はいい勉強になるのではないかと感じ、マネージャーを始めた。 またマネージャーを引き受けたことでスコアラーとしての仕事も任されるようになり、結果として選手兼マネージャー兼スコアラーの1人3役を担うことになった。
マネージャーとして日々どんな仕事をしているのか聞いてみると、飲み物を作ることとデータ集計の2つを挙げてくれた。 飲み物はジャグを2つ作りなくなれば補充するという、他のチームのマネージャーもやっている仕事だった。
しかし大変なのはデータ集計だ。新聞に打率などを掲載するために、練習試合と公式戦毎に各選手の打率・エラー数をそれぞれ集計して、部長先生に報告するといった作業だ。
この仕事量の多さに、昨秋の県大会前は練習に参加する時間が減るだけではなく、睡眠時間も短くなったと答えてくれた。その頃は、選手として自分はもうダメなのかと考えるようになり、挫折しかけたと話す。
しかし大量の仕事をこなしていく中で、「自分で引き受けた仕事だからやってやろう」と考えるようになり、その想いは解決した。今は勝ちたいという気持ちとチームためには何でもやるという想いなら他のマネージャーには負けないと気持ちで日々過ごしている。
変わった活動は特にないと石川は話してくれたが、新聞社に提出もするというデータ集計は、他校ではなかなか聞かない仕事だ。