Column

「食」では負けない!どんな仕事も笑顔でこなす 長野県下伊那農業高等学校

2016.11.18

 長野県飯田市に所在する下伊那農業高等学校は、1920年に設立された農業学校です。野球部は現在、計22人で活動しています。秋の大会では予選を勝ち進み、準々決勝で下諏訪向陽に2安打完封。16季ぶりの県大会進出を果たした。県大会1回戦では長野俊英に逆転勝利し県大会初勝利。県ベスト16入りを果たしました。

 今回はそんな下伊那農野球部を支えるマネージャーさんたちの取り組みを紹介します!

自慢の「食」で選手をサポート!

記録をつけるマネージャー(下伊那農)

 部員22人を支えるマネージャーは、2年生の下枝 彩美さん、1年生の塩沢 涼夏さん、塩澤 夕渚さん、宮下 友季さん、小林 美怜さん、英 未来さんの計6人で活動しています。

 練習中は、キーパー作りやボール縫い、バッティングマシンのボール入れ、ノック時のボール渡し。その他にも、試合の準備や運営、片付け等、仕事が盛りだくさん!人数が多い分、できる仕事が多いというのは、下伊那農の自慢の一つです。

 そして一番の自慢はというと、「食」に関しては他の高校に負けていないと言います。間食のおにぎりの用意はもちろん、練習試合や大会の日には、昼食に肉丼や八宝菜丼、親子丼などを22人の選手たちに作ります。

 そんな下伊那農マネージャーがオススメするマネージャーグッズは、やっぱり「おにぎりの型」。人数が多いからこそできる自慢の「食」のサポートには、選手だけではなく、お母さんたちにとっても大きな支えになっていることでしょう。

 そんな日々のサポートに対して、選手たちから「ありがとう」と言われる瞬間が、一番やりがいを感じる時。そして、選手の活躍している姿を見ることができるのが、一番楽しい時間であると語ってくれました。特に、良い結果が出たときの選手の笑顔には、思わず胸がキュンとしてしまうのだとか。

ノック時のボール渡し(下伊那農)

 選手たちを一番近くで見ているというのもあり、いつの間にか選手の口癖が自分の口癖になっていたり、選手のモノマネができるようになったという、マネージャーあるあるも教えてくれました。

 最後に、日々練習に励む下伊那農の選手へ向けてのメッセージを伺うと、

「長いようで短い高校野球。悔いを残さないように全力で楽しんでください。マネージャーはいつでもみんなを支えます。一緒に頑張ろう!」

 と、温かいメッセージをいただきました。

 選手が野球をのびのびとできる環境にすることを心掛けているという下伊那農マネージャーたち。どんな仕事でも笑顔を絶やさず、今日も元気に活動しています!

 次ページでは、唯一の2年生部員・下枝 彩美さんにお話を伺いました!

[page_break:プレーをする側から、今度は支える側に]

プレーをする側から、今度は支える側に

選手たちのサポートをするマネージャー(下伊那農)

 6人で活動するマネージャーの中で、唯一の2年生である下枝 彩美さん。下枝さんと野球の出会いは、小学1年生の頃。「父と兄の影響で野球チームに入団しました。そこで野球の楽しさを知り、野球が大好きになりました」と言います。中学ではソフトボール部で、スコアの書き方なども勉強したという下枝さん。その経験を生かし、今度は支える立場で野球に関わりたいと思い、マネージャーになったのだそうです。

 プレーをする側から、今度は支える側に。マネージャーという活動を通じ、自分自身が変わったことは何か伺うと、「周りを見て行動したり、気配りがよくできるようになりました。また、どんなことがあっても逃げずに向き合うことができるようになったと思います」と、自分の成長を実感しているようでした。

「笑顔でみんなを支えられる、選手が頼りやすいと思える存在になりたい」と話す下枝さん。選手の努力が結果につながったときは自分のように喜び、「ありがとう」と言われたときは特に嬉しい瞬間です。選手にホームランボールをもらったことは、活動の中で一番印象に残っていると嬉しそうに語ってくれました。

長野県下伊那農業高等学校 集合写真

 しかし、楽しい思い出ばかりではなく、挫折しかけたことも。「マネージャー同士や選手と喧嘩したときはすごく悩んだし、辛かったです」と語る下枝さん。活動する上で難しい部分もあったようです。そんな辛いときに救われた言葉は、選手や監督から「代わりはいない」と言われたこと。「自分にしかできないことがあるんだと思いました」と気づくことができた瞬間でした。そのときの言葉が一番下枝さんの心に残っているそうです。

 マネージャーをしていなかったらどんな自分になっていたか伺うと、「こんなに夢中になったり、本気になることがなかったと思います。こんなに濃い高校生活を送れているのは、マネージャーをしているからだと思います」と、今の活動に誇りを持っている様子でした。

 そんな日々の活動を見ている選手たちは、「選手たちにとってマネージャーは、縁の下の力持ち。いなくては困る存在です」と、マネージャーという存在の重要さを語ってくれました。選手たちにも、この頑張りはしっかりと届いているようです。

 下伊那農野球部の皆さん、ありがとうございました!
笑顔いっぱい、楽しく頑張ってください!

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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