「先を読んでサポートだけでなく、チームの戦力に!」 北海道苫小牧東高等学校
1937年に開校された苫小牧東は、1期生にノーベル化学賞を受賞した北海道大学名誉教授の鈴木 章さんを輩出した学校でもあります。
1957年の選抜にて初の甲子園出場を果たした苫小牧東。4度の選抜出場、1度の選手権大会出場により過去に5度の甲子園出場を収めています。一方、近年の苫小牧東は、夏の大会で敗れた北海道栄と秋の大会でも対戦。再び黒星の結果となり、悔しい思いが残る大会だったのではないでしょうか。2000年代には甲子園出場を果たせていないことや同高に2度敗戦を喫すなど、勝つことの難しさを感じることが多い苫小牧東。しかし、チーム内のマネージャーと選手との間には、サポートだけを行う存在ではないマネージャーと選手との関係がありました。その関係とはどのようなものでしょうか。そして、そんなマネージャーが思い出に残っている試合とは?
選手に言われてからではなく、自分で先を見通して
トレーニングのサポートをするマネージャー(苫小牧東)
2年生の織田 雪乃さん、1年生の小林 遥さん、中垣 琴美さんの3人が24人の苫小牧東野球部を支えるマネージャー活動を行っています。部室の掃除や道具の片付け、洗濯、球渡し、アイシングなどさまざまな作業を日々行い、約5000羽の折り鶴で大会祈願の文字鶴作りなども行っています。
そんなマネージャーの3人は、選手に言われてからではなく、自分で先を見通して仕事をすることを日々心掛けているそうです。選手主体ではなく、マネージャーもチームの大切な一員だという自覚を持ち活動していることが伺えます。
選手が行っている練習を真似することもあるというお茶目な苫小牧東マネージャーは、選手のことをより知ることができる、選手との会話の時間がマネージャー活動の中で最も楽しい時間のようです。そして、そんな選手たちから「ありがとう」と言われたり、試合で活躍している姿を見ることができた時にやりがいを感じるのだと教えてくれました。
苫小牧東野球部のマネージャー
普段はふざけているのに、野球になると真剣な表情に変わる瞬間が、選手のカッコイイ一面ですと語るマネージャーの皆さんが思い出に残っている試合とは一体どんな試合なのでしょうか?
▪︎2016年7月2日 静内戦([stadium]とましんスタジアム[/stadium])▪︎
4対4で迎えた延長10回。先攻の静内の4番の選手が本塁打を放って1点を追加し、その裏の攻撃で1点以上取らなければ負けるという緊迫した試合での、4番・山田選手が放った本塁打が印象的だったという試合。ピンチの場面でも選手全員が声を出し、試合をひっくり返し、勝利を掴むことができた試合は、今でも忘れることができない感動した試合だったようです。
最後に、そんな苫小牧東マネージャーの方から、日々練習に励む選手にメッセージをいただきました!
「みんながいるから私たちは“マネージャー”ができています。いつも選手に支えられています!いつも笑顔にさせてくれてありがとう。精一杯、みんなのためになることをしていきます。これからも、“一戦必勝”で一緒に頑張りましょう!いつもありがとう。これからもよろしく!」
マネージャーとは、第二の監督
24名の選手を支える苫小牧東マネージャーのみなさん
そして、ここからはマネージャー歴1年半の2年生・織田 雪乃さんに更にお話を伺いました!
体験入部に行き、マネージャーの仕事にやりがいを感じ、入部を決意したという織田さん。今では選手に自分の意見をきちんと言うことができ、それに対して耳を傾けもらえることができるマネージャーを目指し、日々活動に励んでいます。
マネージャーという活動を通じ、先生や先輩への敬意の示し方を学べたという織田さんがマネージャー活動をしていて嬉しかったことは、「他校のマネージャーの方と話ができたことや、選手にお守りを渡した時に喜んでくれたことです」。野球やマネージャー活動を通じて様々な人との関わりが増えたことが伺えます。
苫小牧東野球部のマネージャー
また、マネージャー活動の中で1番印象に残っている出来事は、背番号をもらった選手が大会直前の怪我により、他の選手と交代した時の悔しそうな顔を見た時だと振り返ります。選手の頑張りを知っているからこそ、その選手の悔しさが自分のことのように感じ、印象に残っているようです。そして、そのことから「もっと頑張って選手を支えないと」と思ったという織田さん。選手のそばにいるからこそ、選手の喜怒哀楽を1番感じる存在であることが伺えます。
サポートするだけでなく、チームに欠かせない一員として活躍しているマネージャー。24人の選手にとってそんなマネージャーの存在とは?
「気づいたことを指摘してくれる第二の監督。マネージャーもチームの大きな戦力です!」
自分たちで先を読み活動に取り組むことでチームの活躍に貢献すると共に、常に向上心を持つ苫小牧東マネージャー。そして、そんなマネージャーは選手たちにとっても欠かせない存在であり、サポートを行うマネージャーでありながら、チームの飛躍に繋がる存在であることが伺えた今回のお話。ここしばらく甲子園出場から遠ざかっているものの、マネージャーと選手の27名が今年の苫小牧東に何かしらの波をもたらす予感!冬の寒い練習を乗り越え、今まで以上に一致団結した苫小牧東の活躍を楽しみにしています!ありがとうございました。