Column

「目には映らない選手の雰囲気と一瞬の笑顔をやりがいに」 北海道札幌清田高等学校

2016.08.30


 1975年に開校した札幌清田は、普通コースと2005年に新設されたグローバルコースの2つの科を持つ学校です。野球部は、昨年の秋季大会は、支部予選を勝ちあがり、24年ぶりの全道大会に出場しました。そして、全道大会出場に留まるだけでなく、最後まで諦めることのない逆転勝ちの連続によりベスト4まで駆け上がりました。高い目標を掲げるのではなく、現実的な目標を掲げることで、目の前の目標を1つずつ達成したことが、4強進出を果たしたカギだったようです。そして21世紀枠の各地区候補にも選ばれ、一気に札幌清田の名が知れ渡ることになりました。

 1戦必勝で駆け上がってきた前チームを引き継いだ札幌清田は、新チームとなったこれからどのように成長していくのでしょうか。そんな新チーム43名の選手を支え、背中を押す存在となっている3名のマネージャーの方にやりがいや思い出に残っている試合のシーンなどを伺いました。

選手の笑顔が私たちにも笑顔を生み出します!笑顔の連鎖!

渡瀬 志歩さん、大森 桃さん、千葉 なつみさん(北海道札幌清田高等学校)

 43人の選手を支えるのは、選手が一生懸命練習している姿を見ている時にマネージャーとしてのやりがいを感じるという、2年生の渡瀬 志歩さん、1年生の大森 桃さんと千葉 なつみさん。

 ジャグ出し、球つぎ、おにぎり作り、道具の整理やベース洗いなどを主に行い、選手を支えています。そして、札幌清田ならではのマネージャーの活動は、ピッチャーのストライク率を出すことや、先生が刈ってくれた芝の草取りをすることだそうです。

 幅広く様々な活動をする中で、選手同士がじゃれ合って楽しそうに遊んでいるところを見た時に、マネージャー自身も楽しい気持ちになれるようです。また、つなぎの練習の中での最後の1本バックのとき、みんな普段のノックの時よりも楽しそうに声を出していて、その雰囲気がすごく楽しいですと教えてくれました。選手が見せる笑顔がマネージャーにも笑顔を生み出し、笑顔の連鎖が生まれているようです。

記録をつける札幌清田のマネージャー

 そして、札幌清田のマネージャーは、様々な活動をする中で、4つのことを心掛けているようです。
1つ、笑顔を忘れないこと
2つ、気遣いを忘れないこと
3つ、感謝をきちんと伝えること
4つ、部員がやるべきことはきちんと任せて、マネージャーがやるべき仕事は、最後までやり抜くこと

 また、「サインの確認でヘルメットを触る瞬間」や「スライディングから立ち上がる瞬間」に、思わず胸キュンしてしまうという札幌清田マネージャー。そんな彼女たちの、マネージャーあるあるは?
「同じ坊主でも、頭の形と雰囲気で誰か一瞬でわかること」と「大会前の千羽作りで、こっそり授業中に折ること」。まさに選手のそばで活動しているマネージャーだからこそのあるあるのようです!

[page_break:清田野球部のマネージャーができて本当によかったと思えた夏の大会]

清田野球部のマネージャーができて本当によかったと思えた夏の大会

 札幌清田野球部を支える3人のマネージャーが特に思い出に残っている試合について伺ってみました。

■昨秋の9月17日に[stadium]円山球場[/stadium]で行われたとわの森三愛との秋季大会の支部決勝

「センターフライで3アウト。試合が終わり勝利が決まった瞬間、ベンチから飛び出してきて喜ぶ選手達の笑顔がほんとにキラキラしていて、今でも忘れません」

■7月1日に[stadium]札幌麻生球場[/stadium]で行われた札幌琴似工とのの初戦

ジャグを作るマネージャー(北海道札幌清田高等学校)

 3年生の先輩方がヒットとタイムリーを放ち、2点追加してベンチに戻ってきた時の盛り上がりと嬉しそうな表情を見ることができた夏の大会。「まだまだこれからだって乗ってきて、みんなの笑顔と気合いで溢れたベンチの雰囲気がすごく楽しくて、札幌清田野球部のマネージャーができて本当によかったって心から思いました」

 そして、「引退した3年生方は、とっても優しくて、尊敬できて、いつも楽しそうに部活をしていました。そんな先輩達がいてくれるだけで、みんなの笑顔が増えて、頼りになる存在でした」と、先輩達への思いも語ってくれました。

 最後に、そんな札幌清田マネージャーの方から、日々練習に励む選手に一言いただきました!
「自分に出来ることを全力で頑張ってほしいです。そして笑顔を忘れずに楽しく野球をしてほしいです!」

[page_break:自分より相手のことを1番に考えて]

自分より相手のことを1番に考えて

ジャグを作るマネージャー(北海道札幌清田高等学校)

 そして、ここからは2年生の渡瀬 志歩さんに更にお話を伺いました!

「兄と従兄が野球をずっとやっていて、気づいたら私も野球を好きになっていました。そして中学2年くらいから野球にもっと関わってみたいと思い始めました。札幌清田に入学が決まって、勉強のこともあってやるか迷っていたんですが、幼稚園からの幼馴染で今のキャプテンが『やればいいじゃん』と言ってくれたことがきっかけで、マネージャーになることを決意しました」という渡瀬さん。そして、「影ながらでも選手の支えになって、選手に笑顔を与えられるようなマネージャーになりたいです」とマネージャーの理想像を語ります。

 最初は、何をしたらいいのかわからなくて、選手の助けになっていないかもしれないと思っていた時があり、悩むこともあったと言います。しかし、お守りを作った時にすごく喜んでくれたことや、おにぎりを「美味しい」と言ったくれたこと、選手達から「ありがとう」と感謝の言葉を言われたこと。たくさんの何気ない一言がマネージャーをしていて嬉しかったことであり、励みになったようです。また、3年生が引退した時に、「感謝している」と言ってくれたことが、すごく嬉しくて、これからも頑張ろうと思える一言だったようです。

札幌清田マネージャー

 そして、「それまで自分のことばかり考えていましたが、相手のことを1番に考えて行動できるようになりました」と、マネージャーという活動を通じ、まわりをよく見るようにもなり、自分自身が変わったと言います。

 そんな彼女が考える「マネージャー」という存在とは?
常に笑顔でいて、時にはみんなの頼りになる存在です

 最後に、43人が所属する札幌清田野球部の選手達に、チームにとって3名のマネージャーの方はどんな存在かを伺いました!
「お母さんのような存在です!」

 選手の一生懸命な姿を見ることをやりがいにしているという3名の札幌清田のマネージャーは、試合や練習の中で、目には映らないけれども楽しそうな雰囲気を感じ取り、そして、一瞬の笑顔を見逃さず、自分自身のやりがいに繋げていることが伺えました。これからも、選手、一人一人をそばで支え、多くの試合で勝ち、その分多くの笑顔をたくさん見ることができるよう、新チームの飛躍に繋げてください!新チームの初戦は9月3日。いよいよですね!皆様のご活躍を心からお祈りしております!

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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