目次

[1]5位:第97回南北海道大会準決勝 北照vs東海大四 / 4位:秋季北海道大会準決勝 札幌第一vs駒大苫小牧
[2]3位:第97回北北海道大会2回戦 旭川実vs北見北斗 / 2位:第97回南北海道大会1回戦 北照vs札幌日大
[3]1位:第97回南北海道大会2回戦 北海vs駒大苫小牧

1位:第97回南北海道大会2回戦 北海vs駒大苫小牧

伊藤 大海(駒大苫小牧)

駒大苫小牧・伊藤投手13回178球の熱投実らず

 試合前から好ゲームになる予感はあった。
春季全道大会決勝で顔を合わせた両者が、甲子園切符をかけてガチンコ勝負を挑むからだ。

 序盤は駒大苫小牧が流れをつかんだ。
1回に先制し、3回にも追加点。いずれも先頭打者が安打を放ち、次打者が送りバントを決め、タイムリーという理想的な点の取り方だった。守っては、エースで5番を打ち、主将を務める大黒柱の伊藤 大海(3年)が驚異的な精神力を見せる。2日前の札幌光星戦で右肩に死球を受けた影響を見せず、ピンチを切り抜けていく。
6回に3安打で同点に追いつかれた後には、勝ち越すまでは絶対にマウンドを下りない、何球でも投げてやるという気迫が伝わってきた。

 その思いは、5回から登板した北海の2番手・山本 樹(3年)も同じだっただろう。何度も得点圏に走者を背負いながら、要所で踏ん張る2人の投げ合いは、3年生最後の夏の意地の張り合いそのものだった。
延長13回表に力尽きたのは伊藤。二死から三塁打を許し、続く山本に初球を左前に運ばれた。178球の熱投は実らなかったが、見る者の心を打った。
両者を称える温かい拍手と声援はいつまでも鳴り止まなかった。

選考を終えて・・・

 ベストゲームを選ぶためにスコアブックをめくっていると、打球音、スタンドの歓声、ガッツボーズ、涙と様々な情景が脳裏によみがえってきた。

 特に、ベストゲームに挙げた駒大苫小牧の伊藤投手の投球は忘れられない。
2日前の試合で右肩に死球を受け、万全ではない状態で178球。将来の野球人生に響くのではないかとハラハラしながら見ていた。力投が報われず残酷な幕切れだと思う反面、試合が終わってホッとした。試合後の伊藤投手の表情には充実感があふれていた。だが、報道陣が去った後、チームメイトに声をかけられた瞬間、涙がボロボロこぼれた。
そんな光景を見ると、もらい泣きしそうになる。球児たちが流した涙は、この先の人生で絶対に生きるはず。そう信じている

 北海道は雪も降り始め、野球シーズンは終了。来季はどんなドラマが待っているのか楽しみだ。

(文・石川 加奈子)

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