第6回 四国地区記者・寺下 友徳が選ぶ今年のベストゲームTOP5 2015年11月17日

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【目次】
[1]5位:秋季四国地区大会決勝 高松商vs明徳義塾 / 4位:秋季愛媛県大会決勝 今治西vs新田
[2]3位:秋季香川県大会2回戦 小豆島vs高松南 / 2位:第97回選手権1回戦 敦賀気比vs明徳義塾
[3]1位:第87回選抜大会1回戦 松山東vs二松学舎大附

3位:秋季香川県大会3回戦 小豆島vs高松南

この試合、同点二塁打を放った石川 生強選手(小豆島)

小豆島が「enjoy baseball」メソッドを破った瞬間

 2015年、四国のスポーツ界では「メソッド」という言葉が大きなキーワードになった。起源は元サッカー日本代表監督・岡田 武史氏がオーナーに就任した四国サッカーリーグ所属「FC今治」が掲げた「岡田メソッド」。育成・指導システムなどあらゆる分野でまず型を作り、そこを打ち破る力をもってクラブを飛躍的に成長させていく手法である。

 実はこの秋そんなメソッドをFC今治より一足先に破ったチームがある。2010年4月より杉吉 勇輝監督が就任以来一貫して「enjoy baseball」を掲げてきた小豆島高校野球部だ。ただ、この試合では1回裏に3点を先制された劣勢から指揮官の檄をきっかけに選手たちが気迫を前面に出して戦い、逆に6点を奪って逆転勝ちし、香川県大会初制覇への道筋を作った。

 あえて「enjoy baseball」を破りにいった指揮官と、そこに応えた選手たちの意識の見事な合致。樋本 尚也主将(2年)も「この試合で勝てたことが大きかった」と話す高松南戦なしに秋の小豆島快進撃は語れない。(試合レポート

2位:第97回選手権1回戦 敦賀気比vs明徳義塾

飛田 登志貴投手 (明徳義塾)

センバツ王者との実力差埋めた明徳義塾の真骨頂と限界

「名勝負数え歌」高知との5年連続1点差決勝戦を制し、6年連続甲子園へ歩を進めた明徳義塾。が、甲子園初戦の相手はセンバツ王者敦賀気比。昨年までのエース・岸 潤一郎2014年インタビューのような絶対的エースがいないこともあり、厳しい展開が容易に想像できる中で、馬淵 史郎監督は敦賀気比エース・平沼 翔太(2015年インタビュー)の立ち上がりと飛田 登志貴七俵 龍也佐田 涼介3年生3投手の継投策に活路を見出そうとした。

 試合は3回までに3得点、飛田も5回まで無失点という中盤までは狙い通りの流れに。しかし、中盤からは打線も沈黙し9回表の勝ち越し絶好機も併殺。佐田も終盤相手打線を封じきれず延長10回で力尽きた。

 対戦相手の強みを消す明徳義塾の徹底度の高さ。彼らの真骨頂が随所に出た反面、一定の個人能力と打撃力なくしてはやはり甲子園では勝てない。夏の甲子園初戦連続勝利記録「16」でストップという事実の裏に、そんな「限界」も見えた一戦だった。(試合レポート

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大江 竜聖(二松学舎大附) 【選手名鑑】
亀岡 優樹(松山東) 【選手名鑑】
佐田 涼介(明徳義塾) 【選手名鑑】
七俵 龍也(明徳義塾) 【選手名鑑】
中野 恭聖(明徳義塾) 【選手名鑑】
飛田 登志貴(明徳義塾) 【選手名鑑】
樋本 尚也(小豆島) 【選手名鑑】
平沼 翔太(敦賀気比) 【選手名鑑】
米田 圭佑(松山東) 【選手名鑑】
小豆島 【高校別データ】
高松商 【高校別データ】
高松南 【高校別データ】
敦賀気比 【高校別データ】
松山東 【高校別データ】
明徳義塾 【高校別データ】

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プロフィール

寺下友徳
寺下 友徳
  • 生年月日:1971年12月17日
  • 出身地:福井県生まれの東京都東村山市育ち
  • ■ 経歴
    國學院大學久我山高→亜細亜大。
    幼稚園、小学校では身長順で並ぶと常に一番後ろ。ただし、自他共に認める運動音痴から小学校入学時、早々に競技生活を断念。その後は大好きなスポーツに側面から関わることを志し、大学では応援指導部で4年間研鑽を積む。亜細亜大卒業後はファーストフード販売業に始まり、ビルメンテナンス営業からフリーターへと波乱万丈の人生を送っていたが、04年10月にサッカーを通じて知り合った編集者からのアドバイスをきっかけに晴れてフリーライター業に転進。07年2月からは埼玉県所沢市から愛媛県松山市へと居を移し、現在は四国地域を中心としたスポーツを追いかける日々を過ごす。
  • ■ 小学校2年時に福岡からやってきた西武ライオンズが野球と出会うきっかけ。小・中学校時代では暇さえあれば足を運んでいた西武球場で、高校では夏の西東京予選の応援で、そして大学では部活のフィールドだった神宮球場で様々な野球を体感。その経験が取材や原稿作成の際に「原体験」となって活きていることを今になってつくづく感じている。
  • ■ 執筆実績
    web上では『ベースボールドットコム』(高校野球ドットコム、社会人野球ドットコム、独立リーグドットコム)、書籍では『ホームラン』、『野球太郎』(いずれも廣済堂出版)、『週刊ベースボール』(ベースボール・マガジン社)など。『甲子園だけが高校野球ではない2』(監修・岩崎夏海、廣済堂出版)でも6話分の取材・文を担当した。

    さらに野球以外でもサッカーでは、デイリースポーツ四国3県(香川・高知・愛媛)版・毎週木曜不定期連載中の『スポーツライター寺下友徳・愛媛一丸奮闘記』をはじめ、「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画社)、『サッカー批評』、web『スポーツナビ』など多数媒体での執筆実績あり。また、愛媛県を熱くするスポーツ雑誌『EPS(ehime photo sports)』でも取材協力を行っている。
  • ■ ブログ:『寺下友徳の「四国の国からこんにちは」』■twitterアカウント@t_terashita
    ■facebook: http://www.facebook.com/tomonori.terashita
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