目次

[1]「熱さと冷静さ、気配り」の日本高校野球キャプテン
[2]「攻める」を貫き「ありがとう」を呼ぶ
[3]果たせなかった「世界一」は世代を超えて

 聖地に降り注いだ雨は試合終了と共に涙に変わった~9月6日(日)、阪神甲子園球場での「第27回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ決勝戦。侍ジャパンU-18はアメリカ相手に勇敢な戦いを見せるも、1対2とあと一歩届かず。悲願の大会初優勝は3連覇を目指した盟主の前にまたしても夢に終わった。

 しかし、これで高校野球は終わったわけではない。これからも「世界一」への道は続く。そこでコラム最終回は「JAPAN」を胸に付けた誇りをひとときも忘れず、チームをけん引してきたキャプテン・篠原 涼敦賀気比<福井>3年)を紹介。「世界一のキャプテンシー」と次世代へ託すべきものを記していく。

「熱さと冷静さ、気配り」の日本高校野球キャプテン

篠原 涼(敦賀気比)

 実は大会半年前に「侍ジャパンU-18」主将はほぼ固まっていた。場所は阪神甲子園球場でのセンバツ準決勝大阪桐蔭(大阪)の指揮官として敦賀気比戦に臨んだ西谷 浩一・侍ジャパンU-18代表監督は、劣勢に立たされながら相手校のキャプテンに関心を寄せていた。そう、篠原 涼のことである。

「この子の人間性は素晴らしいものがあると感じました。その後も試合や甲子園の中継を見ていても、彼の人間性の良さが伝わってきましたので、スタッフと話し合って彼に主将を任せようと決めました」

 その選択は大正解だった。2対9と完敗に終わった侍ジャパン大学代表との壮行試合後は早くも「沈んだ気持ちでは戦いに向かえません。常に声を出して盛り上げていけるように選手間ミーティングで話していきたいと思います」と敦賀気比の時と同じく厳しさと一体感を持ってチームを率いることを宣言。事実、大会を追うごとにチームベンチからは激励の声が飛び交い、質の高いアドバイスが出るように。アメリカ戦も16歳左腕・ブラットの前に手も足も出なかった3回までが嘘のように、中盤以降は対応し、かつプレッシャーを与え続けた。彼らは「戦う集団」に変貌したのである。

「僕は特別なことはいっていないんですよ。『とにかく声を出せ!声を出さなければ集中できないぞ!』と何度もいっていました」篠原自身はこう話すが、そこにも彼なりの綿密な計算があった。

「常に世界一を目指して戦うことを意識しながら、目の前の試合1つ1つ大事に戦って、最終的に決勝まで良い状態でもっていけるように、そういった心がけはずっと選手に声かけて率先していました」。もちろん、働きかけはグラウンド内だけではない。

「篠原は、自分からチームメイトに呼びかけてミーティングを開いたり、しっかりとチームをまとめるように積極的に話しかけてくれたりと「自分からチームを作ろう」という想いが一番強い選手でしたね。凄い選手でした」

 左腕・高橋 樹也花巻東<岩手>3年)がその内幕を明かす。
熱さを出しながら、周囲を見渡し冷静な判断を下せる力。さらにカメラマンの前を通り過ぎようとするときでも「すいません」と声をかけて、撮影ができるように配慮したというエピソードに代表されるように、気遣いがどこにでもできる人間性の高さ。これこそ日本高校野球のキャプテン、すなわち「侍ジャパンU-18」のキャプテンとしてあるべき姿である。

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2015年 第27回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ

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