目次

【目次】
[1]始まりはアメリカ。持ち帰ってきたスパイクが文化を作る
[2]次に来る「ブロックソールスパイク」とは?
[3]NPB屈指の名手も高評価! 「ブロックソールスパイク」は徐々に浸透中

 連日各地で熱戦を繰り広げた夏の高校野球の地方大会も、西東京大会を最後に出場校がすべて出そろった。夏の甲子園に出場する49校が8月6日から戦うことになる。

 甲子園といえば、毎年懸念されるのが暑さとの戦い。酷暑ともいえる厳しい暑さが選手たちの体力を奪っていく。2020年シーズンより白スパイクの使用が認められることになり、暑さ対策の一環として注目された。

 多くの学校がトレンドに乗っかったことで瞬く間に白スパイクへの統一が進み、選手たちの足元が白く輝くのが当たり前になりつつある。スパイクに対する注目度が近年、非常に高まってきているが、実は時代背景とともに大きく変化をしている道具でもあった。

始まりはアメリカ。持ち帰ってきたスパイクが文化を作る

 そもそも、日本球界にスパイクという道具を使う風習ができたのは1905年がきっかけだという。早稲田大がアメリカ遠征に行った際、向こうの選手が金具スパイクを使っているのを知り、日本へ持ち帰ってきたことで始まった。

 当時の状況について、現在はゼットクリエイト株式会社で野球用品の開発に携わる田中穂積氏に詳しく解説してもらった。
 「持ち帰ったスパイクといっても、靴底に対して、滑り止めの金具が付いている程度です。言うなれば、普段履いている革靴に金具がついているような感じだった様です。
 しかし当時の日本は普通の靴でプレーをしていたので、特別で画期的な靴だったんです」

 ここを起点に、日本野球にも金具スパイクを使う文化が根付いてきた。
 最初は革底に対して釘を打ち込み、曲げて金具を固定する釘カシメ式。その後、ボルト/ナット式と呼ばれる、金具が消耗してきたら自身で金具を付け替えできる方法が1970年代後半ごろから確立された。

 靴底についても、雨に弱いが、足なじみが良い革底のみならず、天候に関係なく使えることで現在の主流となっている樹脂底が生まれるなど、技術の発展とともに、スパイクの靴底もあらゆるものが生まれてきた。

 しかし2000年代、21世紀に突入すると、多様性のあったスパイクにトレンドが生まれる。
 「釘カシメ式やボルト/ナット式はスパイク本体が壊れなければ、金具を交換し続けられ長持ちするのが特徴でした。ただ金具のブリッジや取り付け部品などにより、スパイクそのものが重くなってしまうのがデメリットでした。
 そこで金具クリート単体を樹脂底に直接、埋め込んで軽量化を追求した埋め込み式スパイクが登場。パフォーマンス向上の為、軽量スパイクは好まれることから、埋め込みスパイクに人気が集中するようになりました」

 足なじみが良かった革底も、雨に弱く耐久性に難があることから埋め込みソールの台頭に伴い徐々にすたれ始めた結果、2010年代になるころには革底スパイクは市場からほとんど姿を消し、樹脂底に埋め込み式のスパイクを履くのが主流、トレンドとなり、球界を席捲した。