Column

1日でも長く活躍して欲しい。松田宣浩(中京出身)へ送った恩師のメッセージ

2020.11.27

 ホームランを打った後のパフォーマンスとして見せる「熱男―!」で、野球ファンだけではなく多くの人たちに認知される福岡ソフトバンクホークス・松田宣浩選手(中京出身)。

 2005年のドラフトで入団すると、2011年に初めてゴールデングラブ賞を受賞すると、2013年から7年連続受賞。2018年にはベストナインに輝くなど、名実ともに球界を代表する選手だ。そんな松田選手はどんな高校生だったのか。監督として3年間見守ってきた小嶋雅人さんにお話を聞かせてもらった。

1日でも長く活躍して欲しい。松田宣浩(中京出身)へ送った恩師のメッセージ | 高校野球ドットコム前回までの記事はこちらから!
見た瞬間にプロになることを確信した。恩師が語る松田宣浩(岐阜・中京出身)の高校時代

高校生・松田宣浩(岐阜・中京出身)は熱男ではなかった?!恩師が語った意外な一面

高校通算60本は本物だった

1日でも長く活躍して欲しい。松田宣浩(中京出身)へ送った恩師のメッセージ | 高校野球ドットコム
福岡ソフトバンクホークス・松田宣浩選手

 遅くまで練習に打ち込んでいた高校生・松田選手だが、5年連続全試合出場を果たすなど身体が強い選手としても知られる。その強さは高校時代からだった。

 「3年生の時に一度強風で、ネットが倒れて松田の腰に当たってしまったことがあったんですが、それでも本人は『大丈夫です』と普通に打ち続けるんです。なので、天性の強さだと思いますね」

 その代わりなのか、年に1、2回ほど高熱を出してしまうこともあったそうだが、大きな怪我は3年間ではない。ケガをしても死球といった外的な要因しかなかったそうだが、トレーニングをしていると、意外な一面もあったようだ。

 「手押し車や馬飛びなど身体を使った自重トレーニングが中心で、それを通じて思い通りに身体を使えるようにしてもらいたかったんです。松田は身体能力の高さを活かして上手くやっていましたが、不器用な一面を見せる時もありました」

 そして集大成の夏、松田は2年連続の夏の甲子園を目指したが、甲子園には手が届かずに高校野球が終わった。ただ個人としては高校通算60本塁打を記録するなど、世代を代表すスラッガーとして活躍し、亜細亜大へ進学する。

 「突出した選手でしたね。身体能力に加えて身体が強い。それでいて期待を裏切らないバッティングをしてくれる。入学当初は60本も打つイメージはありませんでしたが、ずっとコンスタントに打ち続けていて、その実力は本物だったと思います」

[page_break:長く活躍して、これからも証明してほしい]

長く活躍して、これからも証明してほしい

1日でも長く活躍して欲しい。松田宣浩(中京出身)へ送った恩師のメッセージ | 高校野球ドットコム
監督として岐阜・中京時代の3年間見守ってきた小嶋雅人さん

 亜細亜大へ進学した松田選手は1年生からリーグ戦で活躍。1年生の時は春秋のリーグ戦、さらには大学選手権に明治神宮大会の4冠を達成するなど、結果を残し続けた。この活躍を小嶋さんは嬉しそうに語る。

 「木製バットを使ってホームランなど長打を打ってくれるたびに、『冬場にやってきた木製バットを使った流し打ちは間違っていなかったんだ』と確信を持たせてくれました。大学進学を考える選手にとって大事なことだと証明してくれて嬉しかったですね」

 そして2005年に希望枠で福岡ソフトバンクホークスに1位で入団。常勝軍団の一員になると、今では球界を代表する選手にまで成長を果たした。現在も連絡を取り合って、激励のメッセージも送るという小嶋さん。

 またオフシーズンになると、現在指揮を執る宝塚医療大の野球部に足を運ぶという。さらに母校ではないが、同じ小嶋さんから教えてもらっている弟弟子に対してバットやボールなどを贈ってくれるとのこと。

 今もなお、監督と選手の間柄で繋がっている松田選手と小嶋さん。2020年で37歳を迎え、もうベテランの域に達した。そんな松田選手に向けてメッセージをもらった。

 「もうプロ野球選手として活躍するのは長くないと思うので、悔いのない選手生活を過ごしてほしいです」

 インタビュー中、数々のエピソードを語っていただいた小嶋さん。熱男・松田 宣浩選手は高校時代の恩師・小嶋雅人さんの熱き想いから始まったのだった。

(記事=田中 裕毅

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.22

【埼玉】花咲徳栄は伊奈学園と、昌平は正智深谷と初戦で対戦<春季県大会組み合わせ>

2024.04.22

【和歌山】智辯和歌山、田辺、和歌山東がベスト8入り<春季大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】日本福祉大附が4点差をはね返して中部大一に逆転勝ち、ベスト8に進出

2024.04.22

【仙台六大学】東北高で4番を打った1年生・佐藤玲磨が決めた!東北工業大が“サヨナラ返し”

2024.04.22

【九州】神村学園、明豊のセンバツ組が勝利、佐賀北は春日に競り勝つ<春季地区大会>

2024.04.17

仙台育英に”強気の”完投勝利したサウスポーに強力ライバル現る! 「心の緩みがあった」秋の悔しさでチーム内競争激化!【野球部訪問・東陵編②】

2024.04.21

【神奈川春季大会】慶応義塾が快勝でベスト8入り! 敗れた川崎総合科学も創部初シード権獲得で実りのある春に

2024.04.22

【埼玉】花咲徳栄は伊奈学園と、昌平は正智深谷と初戦で対戦<春季県大会組み合わせ>

2024.04.17

【兵庫】20日にセンバツ準優勝の報徳学園が春初戦!夏の第1シード、第2シードも出揃う予定!

2024.04.17

青森大にソフトバンク2選手の弟、青森山田の4番打者、横浜創学館大型外野手らが加入!

2024.04.09

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.14

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!