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第73回 「いろいろな人の夢を背負って」頑張ってほしい 恩師が語る・森 唯斗(福岡ソフトバンクホークス)【後編】2020年02月11日

【目次】
[1]打撃の課題が生んだ「抑え・森唯斗」の発想
[2]「いろいろな人の夢を背負って」頑張ってほしい
一昨年、昨年と日本シリーズ連覇を果たした福岡ソフトバンクホークス。その快挙が決まるマウンドに立っていたのはいずれもこの豪腕・森 唯斗だった。
2013年にドラフト2位で三菱自動車倉敷オーシャンズから入団すると、140キロ後半をアベレージとする回転数の多いストレートに落差の大きい縦変化球で6年連続50試合以上登板。一昨年からは守護神も務めるタフネス右腕。ただ、社会人4年間の前、徳島県立海部高等学校で過ごした3年間で過ごした日々はほとんど知られていない。
そこで今回は森 唯斗が海部2・3年時に監督を務め、現在は徳島科学技術で指揮を執る福井 健太監督に高校時代のお話をうかがうことに。そこで出てきたのは「鉄腕」の裏にある「意外な」側面だった……。
前編はこちらから!
「鉄腕」の秘められた高校3年間 恩師が語る・森 唯斗(福岡ソフトバンクホークス)【前編】
打撃の課題が生んだ「抑え・森唯斗」の発想

2年時の森 唯斗(福岡ソフトバンクホークス)を含む海部の円陣<撮影:大久保 隆太>
森が3年の代は他の学校にもいい投手がそろっていました。徳島商には杉本(裕太郎・青学大からは野手~JR西日本~オリックス・バファローズ)、夏に甲子園に行った徳島北には左腕の阪本(寛典・拓殖大)、そして鳴門第一(現:鳴門渦潮)には大阪ガスに行って2018年都市対抗胴上げ投手になった緒方(悠)。四国を見ても愛媛県には秋山 拓巳(西条~阪神タイガース)、平井 諒(帝京第五~東京ヤクルトスワローズ)、高知県にも明徳義塾には石橋 良太(拓殖大~Honda~東北楽天ゴールデンイーグルス)、高知にも公文 克彦(大阪ガス~読売ジャイアンツ~北海道日本ハムファイターズ)がいた。森の高校時代も最速は143キロまでいったんですが、レベルは高かったですね。
その中で海部は打てないチームでした。たとえば同学年で一番いい投手と言われていた鳴門第一と練習試合で対戦しても緒方が向こうは投げて、ウチも森と戎谷がいるから「1対1」とか「1対2」とかで1時間少しで終わる。そして春の県大会でも鳴門第一と対戦して初回に失策が絡んで4点を失って、その裏に2点を返してそのまま終わる。そんな感じだったんです。
ですので最後の夏は「戎谷で行けるところまで行って森をリリーフに回す」ということになりました。ただ、小松島西に敗れた3回戦も戎谷がピンチを背負って森がリリーフし、レフト線に落とされた打球が決勝点になって1対3で敗れた。そんな感じで打撃の課題は結局、最後まで解消できませんでしたね。試合が終わった後は森も泣いていました。
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- 寺下 友徳
- 生年月日:1971年12月17日
- 出身地:福井県生まれの東京都東村山市育ち
- ■ 経歴
國學院大學久我山高→亜細亜大。
幼稚園、小学校では身長順で並ぶと常に一番後ろ。ただし、自他共に認める運動音痴から小学校入学時、早々に競技生活を断念。その後は大好きなスポーツに側面から関わることを志し、大学では応援指導部で4年間研鑽を積む。亜細亜大卒業後はファーストフード販売業に始まり、ビルメンテナンス営業からフリーターへと波乱万丈の人生を送っていたが、04年10月にサッカーを通じて知り合った編集者からのアドバイスをきっかけに晴れてフリーライター業に転進。07年2月からは埼玉県所沢市から愛媛県松山市へと居を移し、現在は四国地域を中心としたスポーツを追いかける日々を過ごす。 - ■ 小学校2年時に福岡からやってきた西武ライオンズが野球と出会うきっかけ。小・中学校時代では暇さえあれば足を運んでいた西武球場で、高校では夏の西東京予選の応援で、そして大学では部活のフィールドだった神宮球場で様々な野球を体感。その経験が取材や原稿作成の際に「原体験」となって活きていることを今になってつくづく感じている。
- ■ 執筆実績
web上では『ベースボールドットコム』(高校野球ドットコム、社会人野球ドットコム、独立リーグドットコム)、書籍では『ホームラン』、『野球太郎』(いずれも廣済堂出版)、『週刊ベースボール』(ベースボール・マガジン社)など。『甲子園だけが高校野球ではない2』(監修・岩崎夏海、廣済堂出版)でも6話分の取材・文を担当した。
さらに野球以外でもサッカーでは、デイリースポーツ四国3県(香川・高知・愛媛)版・毎週木曜不定期連載中の『スポーツライター寺下友徳・愛媛一丸奮闘記』をはじめ、「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画社)、『サッカー批評』、web『スポーツナビ』など多数媒体での執筆実績あり。また、愛媛県を熱くするスポーツ雑誌『EPS(ehime photo sports)』でも取材協力を行っている。 - ■ ブログ:『寺下友徳の「四国の国からこんにちは」』■twitterアカウント@t_terashita
■facebook: http://www.facebook.com/tomonori.terashita
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