目次

[1]「背中に当たる」腕振りと「アウトコースの」コントロール
[2]居残り練習で鍛えられた「スタミナ」

 一昨年、昨年と日本シリーズ連覇を果たした福岡ソフトバンクホークス。その快挙が決まるマウンドに立っていたのはいずれもこの豪腕・森 唯斗だった。

 2013年にドラフト2位で三菱自動車倉敷オーシャンズから入団すると、140キロ後半をアベレージとする回転数の多いストレートに落差の大きい縦変化球で6年連続50試合以上登板。一昨年からは守護神も務めるタフネス右腕。ただ、社会人4年間の前、徳島県立海部高等学校で過ごした3年間で過ごした日々はほとんど知られていない。

 そこで今回は森 唯斗海部2・3年時に監督を務め、現在は徳島科学技術で指揮を執る福井 健太監督に高校時代のお話をうかがうことに。そこで出てきたのは「鉄腕」の裏にある「意外な」側面だった……。

「背中に当たる」腕振りと「アウトコースの」コントロール


 海部は僕が27歳の時、最初に監督をした学校です。立教大(追記:二塁手でレギュラー。2002年春には早大2回戦で史上7度目の1回表先頭打者初球本塁打をマーク)を卒業した後に僕は城南でコーチをしていたんですが、「教員採用試験への勉強もあるけど2年間修業と思って行ってこい」と言われて2年間。それが森の2年・3年生時でした。

 赴任した時にまず思ったのは「ここには能力が高い選手が多いなあ」ということ。当時の3年生には後にJR四国に進む冨田(陽介)という左腕がいて、森と同じ2年生にも戎谷という右腕。戎谷は素材的には彼の方が森より上だったですし、その他にも能力が高い選手がいた。その中で森の存在にもびっくりしたことを覚えています。

 森について最初に驚いたのは腕の振りですね。投げるたびに「バチーン」と背中に当たる。「手痛あないの?」と聞いたら「大丈夫っす」と答える。そんな感じです。そしてもう1つよかったのはアウトコースへのコントロール。高校時代の彼はそれが生命線でした。

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