第72回 「鉄腕」の秘められた高校3年間 恩師が語る・森 唯斗(福岡ソフトバンクホークス)【前編】2020年02月10日

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【目次】
[1]「背中に当たる」腕振りと「アウトコースの」コントロール
[2]居残り練習で鍛えられた「スタミナ」

 一昨年、昨年と日本シリーズ連覇を果たした福岡ソフトバンクホークス。その快挙が決まるマウンドに立っていたのはいずれもこの豪腕・森 唯斗だった。

 2013年にドラフト2位で三菱自動車倉敷オーシャンズから入団すると、140キロ後半をアベレージとする回転数の多いストレートに落差の大きい縦変化球で6年連続50試合以上登板。一昨年からは守護神も務めるタフネス右腕。ただ、社会人4年間の前、徳島県立海部高等学校で過ごした3年間で過ごした日々はほとんど知られていない。

 そこで今回は森 唯斗海部2・3年時に監督を務め、現在は徳島科学技術で指揮を執る福井 健太監督に高校時代のお話をうかがうことに。そこで出てきたのは「鉄腕」の裏にある「意外な」側面だった……。

「背中に当たる」腕振りと「アウトコースの」コントロール



海部2年時の森唯斗(福岡ソフトバンクホークス)<撮影:大久保隆太>

 海部は僕が27歳の時、最初に監督をした学校です。立教大(追記:二塁手でレギュラー。2002年春には早大2回戦で史上7度目の1回表先頭打者初球本塁打をマーク)を卒業した後に僕は城南でコーチをしていたんですが、「教員採用試験への勉強もあるけど2年間修業と思って行ってこい」と言われて2年間。それが森の2年・3年生時でした。

 赴任した時にまず思ったのは「ここには能力が高い選手が多いなあ」ということ。当時の3年生には後にJR四国に進む冨田(陽介)という左腕がいて、森と同じ2年生にも戎谷という右腕。戎谷は素材的には彼の方が森より上だったですし、その他にも能力が高い選手がいた。その中で森の存在にもびっくりしたことを覚えています。

 森について最初に驚いたのは腕の振りですね。投げるたびに「バチーン」と背中に当たる。「手痛あないの?」と聞いたら「大丈夫っす」と答える。そんな感じです。そしてもう1つよかったのはアウトコースへのコントロール。高校時代の彼はそれが生命線でした。

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海部 【高校別データ】
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プロフィール

寺下友徳
寺下 友徳
  • 生年月日:1971年12月17日
  • 出身地:福井県生まれの東京都東村山市育ち
  • ■ 経歴
    國學院大學久我山高→亜細亜大。
    幼稚園、小学校では身長順で並ぶと常に一番後ろ。ただし、自他共に認める運動音痴から小学校入学時、早々に競技生活を断念。その後は大好きなスポーツに側面から関わることを志し、大学では応援指導部で4年間研鑽を積む。亜細亜大卒業後はファーストフード販売業に始まり、ビルメンテナンス営業からフリーターへと波乱万丈の人生を送っていたが、04年10月にサッカーを通じて知り合った編集者からのアドバイスをきっかけに晴れてフリーライター業に転進。07年2月からは埼玉県所沢市から愛媛県松山市へと居を移し、現在は四国地域を中心としたスポーツを追いかける日々を過ごす。
  • ■ 小学校2年時に福岡からやってきた西武ライオンズが野球と出会うきっかけ。小・中学校時代では暇さえあれば足を運んでいた西武球場で、高校では夏の西東京予選の応援で、そして大学では部活のフィールドだった神宮球場で様々な野球を体感。その経験が取材や原稿作成の際に「原体験」となって活きていることを今になってつくづく感じている。
  • ■ 執筆実績
    web上では『ベースボールドットコム』(高校野球ドットコム、社会人野球ドットコム、独立リーグドットコム)、書籍では『ホームラン』、『野球太郎』(いずれも廣済堂出版)、『週刊ベースボール』(ベースボール・マガジン社)など。『甲子園だけが高校野球ではない2』(監修・岩崎夏海、廣済堂出版)でも6話分の取材・文を担当した。

    さらに野球以外でもサッカーでは、デイリースポーツ四国3県(香川・高知・愛媛)版・毎週木曜不定期連載中の『スポーツライター寺下友徳・愛媛一丸奮闘記』をはじめ、「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画社)、『サッカー批評』、web『スポーツナビ』など多数媒体での執筆実績あり。また、愛媛県を熱くするスポーツ雑誌『EPS(ehime photo sports)』でも取材協力を行っている。
  • ■ ブログ:『寺下友徳の「四国の国からこんにちは」』■twitterアカウント@t_terashita
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