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- 「現状に満足せず、色々なことを考えながら野球をして欲しい」恩師が語る山本拓実(中日ドラゴンズ)【後編】
第73回 「現状に満足せず、色々なことを考えながら野球をして欲しい」恩師が語る山本拓実(中日ドラゴンズ)【後編】2020年01月17日

【目次】
[1]1つの敗戦が山本拓実を進化させた
[2]今の選手たちに指導する上でお手本にしている
2020年シーズンが幕を開け、キャンプインまで各地で選手たちが自主トレを行い、汗を流している。2019年シーズンのセ・リーグでは、巨人が広島の4連覇を食い止めて見事優勝を果たした。そのセ・リーグでシーズン5位に終わったのが中日だ。
かつて落合博満氏を監督にすえて投手王国として一時代を築き上げ、再建が待たれる。 その中で最も期待されているであろう投手がいる、それがプロ3年目に入る山本 拓実だ。
高校時代は、大阪桐蔭の西谷浩一監督が、「どうしても対戦したい」ということで練習試合を敢行。プロ2年目となる2019年は9試合に登板して初勝利を含む、3勝3敗という成績を残し、ブレークの兆しを見せる。
そんな期待の新成人・山本は高校時代、どんな3年間を過ごしてきたのか。後編では山本の3年時の取り組みなどについて、市立西宮の吉田監督に伺った。
■前編はこちら
「気持ちの強さ、フォーム、腕の振り、全てで他の選手より優れいた」恩師が語る山本拓実(中日ドラゴンズ)【前編】
1つの敗戦が山本拓実を進化させた

市立西宮時代の山本拓実
そこで山本投手はチームのメニューに加えて、独自で下半身の強化のメニューを考えて追加。「ストレートの速度はもちろん、コントロール。さらには切れや伸びを向上させるには、下半身が必要だ」と考えた末に取り入れた。
すると3年生の春、球速は140キロ後半をたたき出し、コントロールや切れの部分もレベルアップする。そして県大会では報徳学園と準々決勝で対戦し、敗れたものの1対2の接戦を演じる。
「2年生の秋の段階では130キロはポンと出るのですが、コントロールが悪く全く手が出せない投手ではなかったんです。『ちょっと速いかな』くらいの投手だったんですが、それから安心してマウンドに送り出すことが出来ました」
吉田監督も納得する成長を見せ、山本投手はいよいよ最後の夏へ。チームは順調に勝ち上がり、ベスト8進出。ここで再び報徳学園と対戦することとなる。
「春の敗戦は打撃が課題でしたので、それをきっちり改善して自信を持っていました。守備の方は山本がいるので『大丈夫だろう』と思っていましたので、『全体勝つで』と選手たちには伝えていました」
エース・山本投手はその試合でも気合十分の投球を見せたが、チームは1対2で敗戦。甲子園に辿り着くことなく、高校野球が終わった。
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