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- 「気持ちの強さ、フォーム、腕の振り、全てで他の選手より優れていた」恩師が語る山本拓実(中日ドラゴンズ)【前編】
第72回 「気持ちの強さ、フォーム、腕の振り、全てで他の選手より優れていた」恩師が語る山本拓実(中日ドラゴンズ)【前編】2020年01月16日

【目次】
[1]燃えるものを随所に見せる男だった
[2]細かな部分に目を向ける指導方針
2020年シーズンが幕を開け、キャンプインまで各地で選手たちが自主トレを行い、汗を流している。2019年シーズンのセ・リーグでは、巨人が広島の4連覇を食い止めて見事優勝を果たした。そのセ・リーグでシーズン5位に終わったのが中日だ。
かつて落合博満氏を監督にすえて投手王国として一時代を築き上げ、再建が待たれる。その中で最も期待されているであろう投手がプロ3年目に入る山本 拓実だ。
高校時代は、大阪桐蔭の西谷浩一監督が、「どうしても対戦したい」ということで練習試合を敢行。プロ2年目となる2019年は9試合に登板して初勝利を含む、3勝3敗という成績を残し、ブレークの兆しを見せる。そんな期待の新成人・山本は高校時代、どんな3年間を過ごしてきたのか。母校・市立西宮で監督をする吉田俊介監督に当時の話を伺った。
燃えるものを随所に見せる男だった

高校時代の山本拓実投手
「プレーをする姿、目つきからも燃えるものと言いますか。気持ちの強さを感じさせる選手でした」
恩師・吉田監督が笑顔を見せながら語った山本投手の第一印象だ。2015年に市立西宮の門を叩いた山本投手を指導し始めた吉田監督だが、実際にプレーを見たのは入学をしてから。最初の出会いこそ、練習の見学でグラウンドに足を運んできた時だが、プレーを見ることはなかった。
他の選手たちとともにプレーをしている山本投手を見て吉田監督は2つのことに気づいた。
「気持ちの強さはもちろんなのですが、腕の振りの強かったですし、フォームが綺麗だったのは、他の選手より優れていたと思います」
フォームの完成度に吉田監督は心を惹かれたが、懸念したのは体力。現在は167センチ71キロとプロの中でも少し物足りない。しかし、入学時はもっと小さく細い体つきをしていた山本投手。高い技術力に体力が追い付いていなかったからこそ、吉田監督は「殻を破ったら楽しみやな」という期待を抱きながら指導にあたった。
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