昨年、プロ野球ドラフト会議で広島東洋カープにドラフト1位で指名された小園 海斗。ルーキーイヤーの今シーズンは、58試合に出場して打率.213、4本塁打、16打点と高卒ルーキーとしては抜群の成績を残した。

 今回はそんな小園の高校時代の成長を、恩師である報徳学園野球部の大角健二監督に振り返っていただいた。部長を務めた後に2017年の春から監督に就任した大角監督が、部長して1年、監督として1年5ヶ月の間、見てきた小園の成長に迫っていく。

体の弱さを克服して好守でトップレベルの選手に



広島東洋カープの小園海斗(広島東洋カープ)

 大角監督が「小園はプロに行ける素材だ」だと感じたのは、小園が報徳学園に入学した直後であった。2016年5月、石川遠征で鮮烈な一発を放った時である。

 「最近まで中学3年生だった子が、2ストライク追い込まれてから140キロを越すインハイのボールをライトスタンドに運んだんです。
 他の選手は当てにいってファールで粘ったりするのですが、小園は色んなボールに対応しなければいけないカウントでもフルスイングしていきました。これを見て『これはプロの素材だな』と思いました」

 その一方で、守備には課題を抱えていた。
 入学当初は体が弱くて肘が下がっており、三遊間の打球も体が流れるような形でスローイング動作に入っていた。当然、肩の強さもなく、小手先でプレーする印象があったと大角監督は振り返る。



報徳学園の大角健二監督

 「良くなったのは、体が出来上がってきてからです。足やお尻が大きくなって、体が持っていかれる感じがなくなってきました。球筋も体が出来てくるとともに変わってきて、送球が良くなると捕る方もどんどん良くなっていきました。
 今でこそ肩が強いと評価されてますが、入った時はそんな印象はなかったですね」

 1年目の今シーズンは、主力の不調の影響から出場の機会も多く、高卒ルーキーとしては申し分ない成績を残したが、そんな小園の姿に大角監督も目を細める。来シーズンの更なる活躍の期待を込め、奮闘する教え子にエールを送った。

 「主力選手が調子を崩して、そういったところでチャンスがもらえるのは『持ってる』のかなと思います。それでも(レギュラーと)遜色のないプレーをしてくれましたし、野手で1年目にしたら上出来ではないかと思います」

 契約更改では200万円増の1000万円(金額は推定)で更改するなど、球団からの高い期待も感じさせる小園。恩師の期待も背に受け、2年目の更なる飛躍を目指す。

(記事=栗崎 祐太朗)

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