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第66回 「もっとイキイキと」投げてほしい 恩師が語る堀瑞輝(広島新庄-北海道日本ハムファイターズ)への想い2019年10月24日

【目次】
[1]「キレ・伸び・裏表なし」を土台に
[2]「生きた見本」から学び、自ら手本に/もっと「明るく楽しく」投げてほしい
2016年、広島新庄(広島)から北海道日本ハムファイターズ高卒ドラフト1位で入団。1年目から侍ジャパントップチームメンバーに選出されたことを契機に着実に成長を遂げ、3年目を迎えた今季は53試合に登板し4勝4敗1セーブ5ホールドとキャリアハイを更新し貴重な左腕中継ぎの一角を占めている堀 瑞輝。
高校時代は2年夏に広島新庄を初の夏甲子園出場へ導き1勝をあげると、最後の夏も再び甲子園に戻り2勝。大会後には侍ジャパンU-18代表として「第11回BFA U-18アジア選手権」優勝に大きく貢献したのも記憶に新しいところだ。
では、そんな堀投手は高校3年間をどのように過ごしてきたのか?今回は恩師・迫田 守昭監督に大いに語って頂きました。
「キレ・伸び・裏表なし」を土台に

笑顔が光る高校時代の堀瑞輝
堀(瑞輝)は呉市立昭和中の軟式野球部出身。彼が3年生の時、呉地区の僕の教え子が中学の監督をしていた関係で「いい投手がいる」と聞いてはじめて見に行ったんですよ。練習を見ただけなんですが、そこでキレのあるボールを投げていたんです。そこで指導者の方に広島新庄への進学をお願いして、入学することになったんです。
入学後も堀はすぐに硬式ボールに慣れて、キレのいいボールを投げていたんです。球速も1年夏から130キロを投げていて、大会でも短いイニングで使っていました。ただ、当時の彼には心配なことが1つあって……。センスはあってもフィールディングに大きな難があったんです。だから一年の時には毎日投手ノックを打ちました。そうしたら3年ではとてつもなくフィールディングがうまくなったんです。「こんなにうまくなるんだ。やはり練習しなければいけないんだな」と僕が気付かされた選手です。
そしてストレートも最後は147~148キロ(最速150キロ)。2年になったら140キロ、3年には140キロ後半と毎年着実にレベルを上げてくれました。性格は寡黙なんですが、やるべきことをしっかりやる選手でした。「僕が見ているから、見ていないから」ではなく、表裏なく走るときは走る。だから、堀については「ほっといても大丈夫。悩んだ時にどうしてやるか」を考えていました。
実は、その部分で一時悩んだ時期もありました。彼は左スリークォーターですから、右打者に対して球筋が見えやすかったですし、ストレートの球速自体はありましたから、一度オーバースローにしてみたことがあったんです。でも、よくない。「ならばお前の持ち味である投げ方に戻そう」ということで今に至っているんです。事実、インコースに投げ切れる力もあった高校時代は意外と左打者に打たれていた田口(麗斗・読売ジャイアンツ)と違って、左打者に打たれることはほとんどありませんでした。
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- 寺下 友徳
- 生年月日:1971年12月17日
- 出身地:福井県生まれの東京都東村山市育ち
- ■ 経歴
國學院大學久我山高→亜細亜大。
幼稚園、小学校では身長順で並ぶと常に一番後ろ。ただし、自他共に認める運動音痴から小学校入学時、早々に競技生活を断念。その後は大好きなスポーツに側面から関わることを志し、大学では応援指導部で4年間研鑽を積む。亜細亜大卒業後はファーストフード販売業に始まり、ビルメンテナンス営業からフリーターへと波乱万丈の人生を送っていたが、04年10月にサッカーを通じて知り合った編集者からのアドバイスをきっかけに晴れてフリーライター業に転進。07年2月からは埼玉県所沢市から愛媛県松山市へと居を移し、現在は四国地域を中心としたスポーツを追いかける日々を過ごす。 - ■ 小学校2年時に福岡からやってきた西武ライオンズが野球と出会うきっかけ。小・中学校時代では暇さえあれば足を運んでいた西武球場で、高校では夏の西東京予選の応援で、そして大学では部活のフィールドだった神宮球場で様々な野球を体感。その経験が取材や原稿作成の際に「原体験」となって活きていることを今になってつくづく感じている。
- ■ 執筆実績
web上では『ベースボールドットコム』(高校野球ドットコム、社会人野球ドットコム、独立リーグドットコム)、書籍では『ホームラン』、『野球太郎』(いずれも廣済堂出版)、『週刊ベースボール』(ベースボール・マガジン社)など。『甲子園だけが高校野球ではない2』(監修・岩崎夏海、廣済堂出版)でも6話分の取材・文を担当した。
さらに野球以外でもサッカーでは、デイリースポーツ四国3県(香川・高知・愛媛)版・毎週木曜不定期連載中の『スポーツライター寺下友徳・愛媛一丸奮闘記』をはじめ、「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画社)、『サッカー批評』、web『スポーツナビ』など多数媒体での執筆実績あり。また、愛媛県を熱くするスポーツ雑誌『EPS(ehime photo sports)』でも取材協力を行っている。 - ■ ブログ:『寺下友徳の「四国の国からこんにちは」』■twitterアカウント@t_terashita
■facebook: http://www.facebook.com/tomonori.terashita
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