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第64回 有原 航平(広陵ー北海道日本ハムファイターズ) 「スケールの大きい『実直・真面目』な姿に自然と期待が膨らんでいく」2019年05月30日

打力向上が著しい現代日本プロ野球。その中にあって今季、防御率2点を切る勢いで勝ち星を積み重ねているのが北海道日本ハムファイターズで5年目を迎える有原 航平だ。
広陵(広島)で3年春に甲子園ベスト4。夏も甲子園出場。その後、早稲田大では19勝をあげ、2014年には4球団競合の末、ドラフト1位入団を果たした大型右腕。
では、その高校時代はどんな投手だったのか?今回は恩師・中井 哲之監督に有原投手について、そして3学年上の野村 祐輔投手(広島東洋カープ)と共に続けている「実直・真面目」な習慣についても語って頂きました。
高校時代から抜きんでてた「スケールの大きさ」

有原航平の高校時代を語る中井 哲之監督
有原は広島市立三和中時代から「身体が大きくて馬力がある」と聞いていました。当時の広島県中学軟式野球界の双璧は右が有原で左が石田(健大・広島市立仁保中~広島工~法政大~横浜DeNAベイスターズ)。でも、僕は石田のことは見ていないんですよね……。
彼も野村(祐輔・広島東洋カープ)と同じでいい男です。スケールが大きくて、実直で真面目で。だから有原が最上級生で投げる試合は安心していました。ただ、最後の夏は右ひじに違和感が出て苦しんでいました。2番手の子がものすごく頑張ってくれたので甲子園に行くことができましたが、甲子園では初戦で負けてしまった(聖光学院<福島>に0対1)。
だから、高い評価は頂きましたし、多くの大学からもお話は頂きましたが佑ちゃん(斎藤 佑樹・北海道日本ハムファイターズ)の影響もあって早稲田大に進学したというところです。
ぜひ実現してほしい「MLBの夢」

広陵時代の有原航平投手
広陵のプロ野球OBは毎年12月に子どもたちへの野球教室をしているんですが、有原は子どもたちにも優しいし1番気が利く。そして野村と同じで「節目節目が解る」。今は大学に進学しても状況や就職時、結婚など定期的に報告してくれる奴はほとんどいない。僕も入学当初に選手たちにはそういった話をするんですが、なかなか続くわけではない。
でも、有原は違う。高校時代もウチの奥さんに手紙を書いていたみたいだし、今も年賀状はもちろん、お中元やお歳暮時期もちゃんと知っていて周りからの評価が高まるような習慣を自然に持っているんです。だから、周りからの期待も大きくなってくれるんですよね。
奥さんがいる奴は奥さんがそういったことを気遣ってくれる場合もありますが、独身時代からずっとこれができているのは野村と有原くらいです。親もそこはしっかりしているんでしょうね。
有原からは「MLBに行きたい」という話も聞いていますし、そういった努力もしているからそんなことも言えるんだと思うので、ぜひ夢を実現してほしい。だからこそ今季は結果を出してほしいと思います。
(取材・文=寺下 友徳)

- 寺下 友徳
- 生年月日:1971年12月17日
- 出身地:福井県生まれの東京都東村山市育ち
- ■ 経歴
國學院大學久我山高→亜細亜大。
幼稚園、小学校では身長順で並ぶと常に一番後ろ。ただし、自他共に認める運動音痴から小学校入学時、早々に競技生活を断念。その後は大好きなスポーツに側面から関わることを志し、大学では応援指導部で4年間研鑽を積む。亜細亜大卒業後はファーストフード販売業に始まり、ビルメンテナンス営業からフリーターへと波乱万丈の人生を送っていたが、04年10月にサッカーを通じて知り合った編集者からのアドバイスをきっかけに晴れてフリーライター業に転進。07年2月からは埼玉県所沢市から愛媛県松山市へと居を移し、現在は四国地域を中心としたスポーツを追いかける日々を過ごす。 - ■ 小学校2年時に福岡からやってきた西武ライオンズが野球と出会うきっかけ。小・中学校時代では暇さえあれば足を運んでいた西武球場で、高校では夏の西東京予選の応援で、そして大学では部活のフィールドだった神宮球場で様々な野球を体感。その経験が取材や原稿作成の際に「原体験」となって活きていることを今になってつくづく感じている。
- ■ 執筆実績
web上では『ベースボールドットコム』(高校野球ドットコム、社会人野球ドットコム、独立リーグドットコム)、書籍では『ホームラン』、『野球太郎』(いずれも廣済堂出版)、『週刊ベースボール』(ベースボール・マガジン社)など。『甲子園だけが高校野球ではない2』(監修・岩崎夏海、廣済堂出版)でも6話分の取材・文を担当した。
さらに野球以外でもサッカーでは、デイリースポーツ四国3県(香川・高知・愛媛)版・毎週木曜不定期連載中の『スポーツライター寺下友徳・愛媛一丸奮闘記』をはじめ、「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画社)、『サッカー批評』、web『スポーツナビ』など多数媒体での執筆実績あり。また、愛媛県を熱くするスポーツ雑誌『EPS(ehime photo sports)』でも取材協力を行っている。 - ■ ブログ:『寺下友徳の「四国の国からこんにちは」』■twitterアカウント@t_terashita
■facebook: http://www.facebook.com/tomonori.terashita
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