目次
[1]プレーで納得させる
[2]新庄は計算高いエンターテイナー
新庄は計算高いエンターテイナー

新庄 剛志 ※写真:共同通信
新庄と言えば思い出されるのが、「ジーパンが似合わなくなる」ので下半身トレーニングを拒んだというエピーソードである。
同級生でもあり、新庄の目標に対するストイックさや、練習中のずば抜けた集中力などを知っているからこそ、西村氏はこのコメントに対して新庄の裏の思いを十分理解できるという。
「あれは注目させるために彼なりに言ってる言葉ですから。裏では相当やってますからね」
そう、これこそが新庄なのである。
ファンを惹きつけるためのリップサービスであり、周りの空気から、どのような回答がウケるのか理解しての故意的な発言なのである。
では、はじめの言葉に戻ってみたい。新庄は「天才」なのか、「宇宙人」なのか?
西村氏の言葉から感じられる新庄は、「天才」であり「エンターテイナー」が答えだろう。新庄は確かに「天才」であるが、それに見合う努力をしている。そして、周りの人を引きつけるエンターテインメント性を計算して作り出せるのである。
私が思っている新庄剛志のイメージが180度変わったインタビューになった。
編集後記
「新庄から見たら、僕は力がなくて、よくチームメイトで一緒に甲子園目指してやってくれて、怒らずに接してくれたなぁなんて思うこともたくさんあります。同級生なんで、時にはぶつかることもありました。だけど今考えるとよくあいつキレずにやったなぁ、俺達みたいな下手くそ相手にと思うことが多くて」 西村氏の言葉である。 新庄に迫る話を伺いながらも、会話の中に西村氏の相手をリスペクトする人間性を感じられるインタビューでした。
(文・田中 実)