第35回 平野 佳寿投手(鳥羽-オリックス・バファローズ)「高校時代は2番手。だけどエースとして活躍することを期待していた」2017年03月16日

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   
恩師が語るヒーローの高校時代 平野 佳寿

【目次】
[1]モノはすごいけど、まだ実力を発揮できる投手ではなかった
[2]ベストピッチングは最後の夏の平安戦
[3]京都産業大で大きく変わった

ベストピッチングは最後の夏の平安戦

 そのため平野は最後までエースの座をつかめなかった。高校時代、公式戦は1試合を除いて全てリリーフとしてマウンドに上がった。唯一、先発を任されたのが3年春の京都府大会二次戦初戦の京都学園戦。選抜から帰ってきて最初の公式戦でチームを勝利に導く見事なピッチングを披露した。ただ実はこの試合について教えてくれたのは卯瀧監督ではなく、たまたま部屋にいた立命館宇治の里井 祥吾監督だった(里井監督は卯滝監督の教え子で鳥羽高校時代は平野と同級生。2015年より卯瀧監督の後を引き継いだ)。卯滝監督はこの試合についてあまり印象に残っていない。

平野 佳寿(オリックス・バファローズ)

「どちらか言うたら夏のエースは平野だと思ってたんですよ。平野は2年生の夏に腰が張って。秋の大会はほとんど古田が1人で投げとるんですよ。平野がベンチ入ったのは準決勝ぐらいちゃうかな。それまで2ヶ月近くピッチンングもしてなかったですよ。決勝で古田が打たれて平野を投げさせたらいいピッチングをして、7回に同点に追いついたんですが雨でノーゲームになったんですよ。再試合が翌日、ノーゲームとなった試合で良い投球を見せていたので先発は平野で行こうかなと思ったんです。けど結果、古田でいって古田で優勝したんで平野は記録に残ってないと思います。でもあの日は故障明けで、練習試合も投げずに古田が打たれたんで代えたらいいピッチングしました。

 ただ、未だに言われても春の京都学園戦の投球については印象に残ってないです。能力は素晴らしいですし、軸にしたい思いはずっとありました。夏の大会を前にして6月の下旬からは良い投球を見せるときはあったのですが、常ではなかったですね。その年の夏の甲子園で準優勝する近江高校とお互い大会前最後の練習試合をやったんですが、あの時も1点だけ取られてそれが平野だけ取られた1点やったかな。それで、やっぱりまだ使うのは厳しいと。好投する古田の株が上がるんですよ。向こうもあの年3枚のピッチャーを擁して、うちも最終戦ですから3人のピッチャーを3イニングずつ投げさせたんですが、やっぱり近江の3人と比べると上に勝ち進むにつれてしんどいというような印象を受けましたね。

 出来れば古田と平野と交互にしたかったんですけど、最終戦もそんな感じやったですね。平野の投球で凄いと思ったのは、最後の夏の大会準決勝の平安戦です。この試合、中盤まで勝っていたのですが、古田が打たれてしまい平野に代えたんですが、あの日は素晴らしいピッチングをしました。この試合が平野の高校時代のベストピッチングではないでしょうか。平野ってこんだけボール投げるんかと。それやったらもっと早くやってよというぐらいにね(笑)。ノビノビとしたマウンド捌きであの日はいいピッチングをしたと思います。ストレートが走ってますから相手はストレートに的を絞るんで、変化球も生きますからね。平安の子がみんなあいつのストレートに振り遅れてましたから。左バッターがサードにファールフライ上げるんです。いいボール放ってましたね」

【次のページ】 京都産業大で大きく変わった

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
第193回 ミレニアム世代はそれぞれの道へ!注目選手たちの進路一覧!【ドラフト特集コラム】
第443回 天理大学 梅谷 成悟選手 「15年ぶりの甲子園出場は体のキレが最も良い状態で夏を迎えられたから」 【2016年インタビュー】
第349回 龍谷大平安も危うい?!今夏ノーシードの強豪勢から目が離せない!【京都抽選会後 展望】【大会展望・総括コラム】
第7回 1本でも多くの安打を打つために...伊藤 光選手(オリックス・バファローズ)がバットでこだわっていることは?【プロ野球選手の用具のこだわり】
第2回 T-岡田選手(オリックス・バファローズ)の飛距離を生み出すバットの選び方とは?【プロ野球選手の用具のこだわり】
第11回 101年前(大正4年)夏、京都二中の全国優勝で歴史は始まった(京都府)【47都道府県 高校野球勢力図の変化】
第318回 オリックス・バファローズ T-岡田選手【後編】「T-岡田選手が球児に教える『野球の探求法』」 【2015年インタビュー】
第317回 オリックス・バファローズ T-岡田選手【前編】「野球を学び、新たな自分を創る」 【2015年インタビュー】
第315回 オリックス・バファローズ 金子千尋投手「『ハイクオリティピッチング』の変遷とベース」 【2015年インタビュー】
第268回 東京ヤクルトスワローズ 大引 啓次選手【vol.4】「現在の守備の土台となった高校時代のトレーニング」 【2015年インタビュー】
大阪桐蔭vs鳥羽【2014年春の大会 平成26年度春季近畿地区高等学校野球大会】
鳥羽vs智辯学園【2014年春の大会 平成26年度春季近畿地区高等学校野球大会】
鳥羽vs立命館【京都府 2014年春の大会 平成26年度春季京都府高等学校野球大会二次戦】
龍谷大平安vs鳥羽【京都府 2009年秋の大会 秋季京都府大会】
京都両洋vs鳥羽【京都府 2009年春の大会 春季京都府大会】
鳥羽 【高校別データ】

コメントを投稿する

プロフィール

小中 翔太
小中 翔太
  • 1988年大阪府生まれ、京都府宮津市育ち。大学野球連盟の学生委員や独立リーグのインターン、女子プロ野球の記録員を経験。主なWebの寄稿は高校野球ドットコム。また、野球専門誌「Baseball Times」にて阪神タイガースを担当し、スポーツナビやYahoo!ニュースにも寄稿する。大阪、京都を中心に関西の球場に出没中。
コラムトップに戻る サイトトップに戻る

コラム