Column

健大高崎(群馬)編「甲子園常連校へと急成長を遂げた健大高崎のつながり!」

2015.09.12


左から高校時代の 脇本 直人選手、三木 敬太選手

 今や機動破壊というフレーズを全国に定着させた健大高崎。この数年、急激な速度で躍進を遂げ、全国を代表する強豪校へ昇華した健大高崎のつながりを見ていく。

校歌、機動力でインパクトを残す!

 2002年に創部と、まだ歴史は浅い高崎健康福祉大学高崎高等学校(以降は健大高崎)野球部。
健大高崎が機動力にこだわったきっかけは2010年の群馬大会準決勝で前橋工に0対1で敗れたことだ。速球派右腕・磯貝 優斗拓殖大卒)、また打線も長打力ある選手を揃えながらも敗れた経験から、機動力にこだわるようになる。

 率いる青柳 博文監督は「日本一の意識」を持つためにスタッフで協力しあいながら走力を強化していく。その取り組みが1年後に実を結び、2011年夏の群馬大会は6試合で28盗塁と県内記録を作り、初の甲子園出場を決める。

 そして初戦の今治西に勝利し、甲子園初出場初勝利を決めた健大高崎だったが、試合後の校歌斉唱が話題となった。
「Be Together!」と英語歌詞のアカペラで始まる独特の校歌が話題になったのだ。最初に健大高崎が全国の野球ファンに注目されたのは「足」ではなく、「校歌」であった。

そして2回戦の横浜戦では、延長10回に及ぶ熱戦を演じたが、惜しくもサヨナラ負け。しかし、初めての甲子園出場でチーム作りに大きな手応えを掴んだという。

 機動破壊のフレーズが定着してきたのは2012年春初戦の相手は近畿の強豪・天理。自慢の機動力をいかし9対3で天理を破り、勢いに乗った健大高崎はベスト4まで駆け上る。さらにその年の春季関東大会でも優勝を果たし、チームとして勢いに乗った年でもあった。2013年は春夏とも甲子園出場はなかったが、2014年には再び機動力で脚光を浴びる。まず群馬大会では6試合35盗塁、さらに甲子園では4試合で26盗塁と、次々と盗塁を決めていく健大高崎ナインに甲子園に集まったファンは熱狂。

 そして2015年選抜ベスト8、さらに選手権ベスト16と、一気に甲子園常連校となった健大高崎。走塁、打撃、守備、投手力すべてを鍛え上げ、悲願の全国制覇を目指す。


注目記事
・2015年秋季大会特設ページ

このペ-ジのトップへ

[page_break:甲子園初出場後、強豪大学で続ける選手も出てきた]

甲子園初出場後、強豪大学で続ける選手も出てきた

 強豪大学で野球を続け、頭角を現してきたのは2012年卒の選手から。甲子園に出場してからは、大学でも目立った活躍をする選手が出てきた。現在は初めて甲子園に出場した時の代と比べると更に個人の能力は高まってきており、今後も大学で活躍できる選手が出てくることが想像できる。

 また健大高崎といえば足の速い選手が目立つが、甲子園まで勝ち上がるときは投手力が高く、さらに好捕手がいるという特徴がある。2012年には左腕・三木 敬太がおり、正捕手ではプロから注目された長坂 拳弥がいた。2014年は同校で初めてNPBからドラフト指名を受けた脇本 直人選手を中心に脚力ある選手が注目されたが、夏の甲子園ベスト8まで勝ち上がった背景としては好左腕・高橋 和輝や速球派右サイド・松野 光次郎、当時の2年生左腕・川井 智也を揃えた投手力の高さと、この時から正捕手で、この夏、主将としてチームを引っ張ったプロ注目の柘植 世那の存在も大きい。機動力にこだわりながらもバッテリーを強化しているのが健大高崎なのだ。

 健大高崎の強さを見極めるときは、投手陣の力量や正捕手の力量を見るのも一つのポイントといえるだろう。

■2012年卒
片貝 亜斗夢拓殖大
湯本 天夢大東文化大

■2013年卒
三木 敬太(国士舘大)
竹内 司(東海大)
長坂 拳弥東北福祉大
内田 遼汰青山学院大

■2014年卒
宮下 周平(関西国際大)

■2015年卒
脇本 直人(千葉ロッテマリーンズ)
平山 敦規(東海大)
松野 光次郎上武大
山上 貴之(大阪体育大)
星野 雄亮東北福祉大

関連記事をチェック!
2013年 野球部訪問(2013年04月12日公開)
2014年 野球部訪問【前編】(2014年09月27日公開)
2014年 野球部訪問【後編】(2014年12月14日公開)
2015年 野球部訪問【前編】(2015年7月09日公開)
2015年 野球部訪問【後編】(2015年7月10日公開)
【インタビュー】脇本 直人選手(2014年09月05日公開)


注目記事
・2015年秋季大会特設ページ

このペ-ジのトップへ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.18

【神奈川】保土ヶ谷球場では慶應義塾、横浜が登場!東海大相模は桐蔭学園と対戦!<春季県大会4回戦組み合わせ>

2024.04.18

首都二部・明星大に帝京のリードオフマン、東海大菅生技巧派左腕などが入部!注目は184センチ102キロの大型スラッガー!

2024.04.18

強豪校を次々抑えて一躍プロ注目の存在に! 永見光太郎(東京)の将来性を分析する<高校野球ドットコム注目選手ファイル・ コム注>

2024.04.18

【山形】鶴岡東は村山産業と山形工の勝者と対戦<春季シード決定ブロック大会組み合わせ>

2024.04.18

【春季埼玉県大会】ニュースタイルに挑戦中の好投手・中村謙吾擁する熊谷商がコールド発進!

2024.04.14

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.15

四国IL・愛媛の羽野紀希が157キロを記録! 昨年は指名漏れを味わった右腕が急成長!

2024.04.17

仙台育英に”強気の”完投勝利したサウスポーに強力ライバル現る! 「心の緩みがあった」秋の悔しさでチーム内競争激化!【野球部訪問・東陵編②】

2024.04.15

【春季和歌山大会】日高が桐蔭に7回コールド勝ち!敗れた桐蔭にも期待の2年生右腕が現る

2024.04.16

【春季埼玉県大会】2回に一挙8得点!川口が浦和麗明をコールドで退けて県大会へ!

2024.04.09

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.14

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード