大阪桐蔭(大阪)編「初出場初優勝から10年経ち超高校級の選手を輩出するようになる大阪桐蔭のつながり」
左から中村 剛也選手(西武ライオンズ)、中田 翔選手(北海道日本ハムファイターズ)
全国でも強豪校としておなじみとなった大阪桐蔭。今回はそのつながりについて振り返っていく。
2001年から超高校級の選手を立て続けて輩出するようになった大阪桐蔭
今、日本の高校球界で最も強いチームといえば、大阪桐蔭だろう。平成に入って、優勝は夏4回(1991年、2008年、2012年、2014年)、春1回(2012年)と、優勝回数は1位。1988年に創部し、わずか創部4年目の1991年に選抜でベスト8入りすると、夏はスラッガー・萩原 誠(阪神タイガース-近鉄バファローズ・大阪近鉄バファローズ-日本IBM野洲)、背尾 伊洋(近鉄バファローズ-読売ジャイアンツ)などの活躍により初出場初優勝を果たす。しかしその後は激戦区・大阪ということもあり、なかなか甲子園に出場できず、2002年、11年ぶりに出場を果たす。
この時の主力選手は、その後ロッテで大活躍するヒットメーカー・西岡 剛や、2年生エースの三島 輝史。西岡の1学年上には、5度のホームラン王を獲得することになる中村 剛也、阪神で先発投手として活躍する岩田 稔がいた。ここから大阪桐蔭は徐々に全国区の強豪へと登りつめていく。
2003年秋、近畿大会優勝を果たすと、2004年に選抜出場。当時、2年生スラッガーだった平田 良介が二松学舎大附戦で本塁打を放つと、2005年には、平田と、最速156キロを計測した剛速球左腕・辻内 崇伸、1年生ながら最速147キロの速球と豪快な長打力を併せ持った怪童・中田 翔が登場。中田は、初戦の春日部共栄戦で本塁打&好リリーフを見せる華々しいデビューを飾り、平田は2回戦の藤代戦で本塁打を放つと、準々決勝の東北戦で1試合3本塁打を放ち、歴史に名を刻む活躍を残した。そして辻内も、2回戦の藤代戦で、大会タイ記録となる19奪三振の快投を見せるなど、高校生離れしたパフォーマンスを甲子園のファンに披露した。
ここから大阪桐蔭に憧れを持つ野球少年が多くなったことだろう。また怪童・中田の登場もあり、俄然注目度が高くなっていった。2006年夏は、初戦でいきなり2006年選抜優勝の横浜と対戦し、11対6で圧勝。中田も本塁打を放つ活躍を見せるなど、さすが大阪桐蔭と思わせる試合であった。2回戦では、優勝した早稲田実業に2対11で敗れる。そして中田が最高学年を迎えた2007年春。2回戦の佐野日大戦で2本塁打を放つ活躍を見せたものの、準々決勝の常葉菊川戦で優勝投手となる田中 健二朗(現・横浜DeNAベイスターズ)に封じられ、またも優勝はならなかった。そして最後の夏は大阪大会決勝で敗れ、甲子園出場を逃した。
このように平成に入ってから、西岡、平田、中田のように素晴らしい選手をプロに送り出していったが、全国トップクラスの実績を残し始めるのは2008年からである。
2002年~2008年卒までの卒業生
ここから2002年以降の卒業生を紹介していく。
■2002年卒
・中村 剛也(西武ライオンズ・埼玉西武ライオンズ)
・岩田 稔 (関西大-阪神タイガース)
■2003年卒
・西岡 剛 (千葉ロッテマリーンズ-ミネソタ・ツインズ-阪神タイガース)
■2004年卒
・三島 輝史 (元千葉ロッテマリーンズ)
■2005年卒
・高島 毅 (青山学院大-オリックス・バファローズ)
■2006年卒
・辻内 崇伸 (元読売ジャイアンツ、現女子プロ野球・埼玉アストライア コーチ)
・平田 良介 (中日ドラゴンズ)
■2007年卒
・丸毛 謙一 (大阪経済大-読売ジャイアンツ-オリックス・バファローズ)
・若松 政宏(近畿大-元パナソニック)
・謝敷 正吾(明治大-元石川ミリオンスターズ)
■2008年卒
・中田 翔 (北海道日本ハムファイターズ)
・岡田 雅利 (大阪ガス-埼玉西武ライオンズ)
・那賀 裕司(立教大-三菱重工神戸・高砂)
・生島 峰至(同志社大-西濃運輸)
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