Column

伝統の強打を武器に全国の舞台に上がる超名門・日大三(東京)のつながり

2019.05.28

 圧倒的な破壊力を持ち味に全国の舞台で大暴れする西東京・日大三。日大三は春20回、夏17回の併せて37回の甲子園出場経験を持つ。そのうち春は1回、夏は2回の優勝を誇るまさに名門校。そんな日大三の歴史を今回はたどっていきたい。

全国3度の優勝を経験する屈指の名門

伝統の強打を武器に全国の舞台に上がる超名門・日大三(東京)のつながり | 高校野球ドットコム
昨春、東京都大会を優勝した日大三(優勝旗をもらうのは日置航)

 最初の優勝は春の選抜。1971年に行われた第43回大会で準々決勝から3試合連続完封などで甲子園初優勝を成し遂げた。そして夏の初優勝は2001年。この年は21世紀最初の夏の甲子園で今も記録に残る3試合連続本塁打を放った主砲・原島正光を中心に自慢の打線で勝ちあがった。当時のチーム最高打率4割2分7厘という驚異的な数字を残し、日大三の名を徐々に広げ始めた。(現在は2004年の駒大苫小牧の4割4分8厘)

 そして2度目の優勝が2011年。セ・リーグ新人王を受賞した髙山俊や北海道日本ハムファイターズでおにぎり君で親しまれる横尾俊建。さらにシンカーを武器としたエース・吉永健太郎に、その年の選抜で1試合最多の6安打という大会記録に並んだ畔上翔らタレント揃いのチームが夏の甲子園で2度目の優勝を遂げた。

 その後2012年2013年も甲子園に出場するものの、いずれも初戦敗退。ただ2016年の秋、横浜DeNAベイスターズにいる櫻井周斗やトヨタ自動車の金成麗生などを中心に都大会決勝へ。惜しくも清宮幸太郎率いる早稲田実業の前に敗れるものの、翌年の2017年の選抜に出場を果たす。

伝統の強打を武器に全国の舞台に上がる超名門・日大三(東京)のつながり | 高校野球ドットコム
セ・リーグ新人王になった髙山俊の日大三時代

 初戦で履正社に敗れ甲子園を後にするも、春季東京都大会では準優勝。決勝で17対18でまたも早稲田実業に敗れたが、高校野球としては異例のナイター試合になるなど、大きな話題になったのは記憶に新しい方も多いのではないだろうか。

 2季連続の甲子園に向けて意気込むものの、夏の西東京大会ではその年に甲子園ベスト4に勝ち進んだ東海大菅生に敗れ、悲願の甲子園とはならなかった。だが、旧チームから出場していた日置航を主将にした昨年のチームは秋の都大会で優勝し、明治神宮大会に出場。さらに選抜に出場すると春の都大会、そして夏の西東京大会で見事優勝。東京で一度も負けることなく夏の甲子園の舞台に5年ぶりに返り咲く。

 初戦折尾愛真に16点の猛攻で勢いに乗ると、奈良大付には8対4(試合レポート)。3回戦龍谷大平安準々決勝下関国際には1点差勝負をものにしてベスト4に上り詰める。準決勝金足農戦では吉田輝星の前に1対2で敗れるものの、ベスト4に進出の輝かしい成績を残した。

 今年のチームは春季東京都大会でベスト8に入り夏のシード権を確保。エース・井上広輝や長身右腕・廣澤優のU-18一次候補の2人加え、主将・佐藤英雄前田聖矢など旧チームからベンチに入るメンバーを中心に2年連続の夏の甲子園を狙う。

[page_break:タレント豊富な日大三のOB]

タレント豊富な日大三のOB

伝統の強打を武器に全国の舞台に上がる超名門・日大三(東京)のつながり | 高校野球ドットコム
U-18にも選ばれた櫻井周斗

 OBには、先ほど取り上げた髙山や横尾、櫻井のほかにも、選抜で大会最多安打13の記録を持つオリックス・バファローズの山崎福也。若手には広島東洋カープで鍛錬を積む坂倉将吾や今年プロ野球ルーキーイヤーを迎えている伊藤裕季也などタレントが沢山にいる。そんな日大三のOBを世代ごとに振り返りたい。

■2002卒
原島 正光(明治大 – 日立製作所)

■2005卒
佐々木 大輔(明治大 – 東京ガス)
松島 侑也(法政大)
浅香 明生(日本大)

■2007卒
池永 周平(明治大 – 西濃運輸)

■2009卒
岡 翔太郎(東洋大 – JFE東日本)
竹内 啓人(明治大 – 三菱日立パワーシステムズ)

■2010卒
日下 京祐(亜細亜大)
関谷 亮太(明治大 – JR東日本 – 千葉ロッテマリーンズ)

■2011卒
吉澤 翔吾(早稲田大 – JR西日本)
荻原 辰朗(東海大)
山崎 福也(明治大 – オリックス・バファローズ)

■2012卒
清水 弘毅(日本大)
鈴木 貴弘(立教大 – JR東日本)
関 悠平 (拓殖大)
髙山 俊 (明治大 – 阪神タイガース)
畔上 翔 (法政大 – Honda鈴鹿)
吉永 健太朗(早稲田大 – JR東日本)
横尾 俊建(慶應義塾大 – 北海道日本ハムファイターズ)

■2013卒
金子 凌也(法政大 – Honda鈴鹿)
斉藤 風多(日本大)
富岡 優太(明治大 – 日立製作所)

■2014卒
土居 一磨
戸所 秀輔(立正大)
鈴木 太規
荻野 佑真(日本体育大 – スクールパートナー)
渡部 京祐(桜美林大)
五十嵐 将太
河津 和也(立正大 – Honda鈴鹿)
佐々木 優(立命館大 – ミキハウス)
湯本 祐基(桜美林大)
石田 鴻太(専修大)
森 龍馬 (法政大 – 明治安田生命)
太田 和輝(日本大 – Honda)
大場 遼太郎(筑波大 – JX-ENEOS)

■2015卒
佐渡 俊太(明星大)
廣谷 真也(中央大)
稲見 優樹(明治大)
船山 貴大(日本体育大 – 日本生命)
新井 仁盛(日本大 – エイジェック)
三輪 昂平(明治大)
釘宮 光希(立正大 – 日本通運)
伊藤裕季也(立正大 – 横浜DeNAベイスターズ)

■2016卒
下小牧 淳也(創価大)
日大三 川崎 拳士朗(日本体育大)
桑村 和哉(立正大)
田村 孝之介(日本大)
小藤 翼(早稲田大)

■2017卒
洞口 敬太郎(立教大)
山本 幸次郎(日本大)
宮木 紳道(日本体育大)
坂倉 将吾(広島東洋カープ)
小谷野 楽夕(日本大)

■2018卒
吉見 樹之介(国士舘大)
長谷川 央都(桜美林大)
14088(常磐大)
高橋 遼 (国士舘大)
山崎 奨斗(神奈川大)
溝口 耕平(桜美林大)
大西 翔 (明治学院大)
八木 達也(法政大)
柿澤 海大(日本大)
津原 瑠斗(日本大)
金成 麗生(トヨタ自動車)
比留間 海斗(立正大)
井上 大成(青山学院大)
櫻井 周斗(横浜DeNAベイスターズ)
田口 仁平(日本大)
岡部 仁(日本体育大)

■2019年卒
小沢 優翔(大正大)
岡安 優太(駿河台大)
林 玲介 (明星大)
上野 隆成(明治学院大)
佐藤 コビィ(明星大)
山科 翔太郎
高木 翔己(桜美林大)
木代 成 (創価大)
飯村 昇大(日本大)
齊藤 龍二(桜美林大)
大塚 晃平(日本体育大)
中村 奎太(明治大)
金子 凌 (立正大)
柳澤 真平(日本大)
日置 航 (明治大)
河村 唯人(日本大)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.03.28

大阪桐蔭、大会NO.1右腕に封じ込まれ、準々決勝敗退!2失策が失点に響く

2024.03.28

中央学院が春夏通じて初4強入り、青森山田の木製バットコンビ猛打賞も届かず

2024.03.28

【センバツ準々決勝】4強決定!星稜が春初、健大高崎は12年ぶり、中央学院は春夏通じて初、報徳学園は2年連続

2024.03.28

健大高崎が「機動破壊」以来、12年ぶり4強、山梨学院は連覇の夢ならず

2024.03.28

星稜・戸田が2安打無四球完封で初4強、阿南光・吉岡はリリーフ好投も無念

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード

2024.03.24

【神奈川】桐光学園、慶應義塾、横浜、東海大相模らが初戦白星<春季県大会地区予選の結果>

2024.03.23

【東京】日本学園、堀越などが都大会に進出<春季都大会1次予選>

2024.03.27

報徳学園が投打で常総学院に圧倒し、出場3大会連続の8強入り

2024.03.25

異例の「社会人野球→大学野球」を選んだ富士大の強打者・高山遼太郎 教員志望も「野球をやっているうちはプロを狙う!」父は広島スカウト

2024.03.08

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.03.17

【東京】帝京はコールド発進 東亜学園も44得点の快勝<春季都大会1次予選>

2024.03.11

立教大が卒業生の進路を発表!智弁和歌山出身のエースは三菱重工Eastへ、明石商出身のスラッガーは証券マンに!

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード

2024.03.01

今年も強力な新人が続々入社!【社会人野球部新人一覧】