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早稲田大学編「スター選手から名監督まで、彩に満ちた『WASEDA』のつながり」【前編】

2019.05.11

 いつの時代も、コンスタントにプロ野球選手を輩出している早稲田大学野球部であるが、早稲田大学野球部のすごいところは選手だけに止まらず、優秀な指導者も輩出しているところにある。
 今回は、そんな早稲田大学野球部の歴史を振り返り、OBのつながりを紹介していく。

現在の名監督を多く輩出した1900年代

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県立岐阜商の鍛治舎巧監督

 多くのプロ野球選手、指導者を輩出している早稲田大学であるが、各方面で活躍する人材が集中する時代が所々にある。

 そんな時代が最初に訪れたのが、1970年からの10年間だ。1972年に卒業した石井好博氏は、習志野の前監督であり、その1学年下には元プロ野球選手であり、現在は九州国際大付の監督を務める楠城徹氏が活躍。そのさらに下の学年には、秀岳館を3季連続で[stadium]甲子園[/stadium]ベスト4に導いた鍛治舎巧氏(現県岐阜商監督)もおり、この時代には後に名指導者となる人物が多く集まっていた。

 また、鍛治舎氏が活躍した3年後、今度は早稲田大野球部の前監督である高橋広氏が活躍し、その3年下には阪神タイガーズのスター選手となった岡田彰布氏がいた。
そして、このスタープレーヤー・岡田彰布氏の背中を見てきた選手たちが、後の名監督として世に出ていく。

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早稲田実の和泉実監督

 岡田氏の1学年下には、2004年から6年間早稲田大野球部の監督を務めた應武篤良氏がおり、さらにその1学年下には仙台育英学法石川で監督を務めている佐々木順一朗氏が在籍。
 またその下の学年には早稲田実で監督を務める和泉実氏と、桐光学園で監督を務める野呂雅之氏がおり、この世代に活躍した選手たちは、軒並み名指導者として活躍する人物が多い。

 1990年代に入ると、現在の早稲田大学野球部監督である小宮山悟氏の卒業と同時に、今度はプロ野球の世界で活躍を見せる選手が目立ち始める。
 小宮山氏の1学年下には、近鉄やオリックスで活躍した水口栄二氏がおり、その3年下には読売ジャイアンツで活躍した仁志敏久氏が在籍。さらに仁志氏が4年時に1年生として入学してきたのが、読売ジャイアンツなどで活躍した三澤興一氏(現巨人コーチ)であった。

 早稲田大学野球部の2000年代の盛り上がりは、この期間に活躍した選手たちが礎を築いたといっても良い。ここから早稲田大学野球部は、プロ野球選手の輩出速度を一気に上げるのであった。

[page_break:1900年代に卒業した早稲田大学出身のプロ野選手を一挙紹介]

1900年代に卒業した早稲田大学出身のプロ野選手を一挙紹介

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早稲田大学野球部監督に就任した小宮山悟監督(写真は2014年のNIKEジャパンが主催イベントにて)

 ここからは1900年代に卒業した早稲田大学出身の選手の中で、プロ野球界へと進んだ選手を一挙に紹介していく。改めて見ると、選手としてだけでなく引退後にも球団の幹部や重役として貢献する人物も多いことがわかる。それでは早速見ていこう。

◆1900年代に卒業した早稲田大学出身のプロ入り選手
※年数は卒業年、球団は入団した球団
1952年 荒川博 毎日オリオンズ
1960年 徳武定祐 国鉄スワローズ
1961年 安藤元博 東映フライヤーズ
1965年 大塚弥寿男 東京オリオンズ
1966年 八木沢壮六 東京オリオンズ
1966年 西田鴨 中日ドラゴンズ
1967年 高橋直樹 東映フライヤーズ
1967年 三輪田勝利 阪急ブレーブス
1969年 荒川尭 大洋ホエールズ
1969年 小田義人 ヤクルトアトムズ
1969年 小坂敏彦 読売ジャイアンツ
1969年 谷沢健一 中日ドラゴンズ
1969年 安田猛 ヤクルトアトムズ
1970年 大木勝年 ヤクルトアトムズ
1971年 金子勝美 中日ドラゴンズ
1971年 中村勝広 阪神タイガース
1973年 楠城徹 太平洋クラブライオンズ
1973年 鈴木葉留彦 太平洋クラブライオンズ
1976年 松本匡史 読売ジャイアンツ
1976年 吉沢俊幸 阪急ブレーブス
1977年 山倉和博 読売ジャイアンツ
1979年 岡田彰布 阪神タイガース
1979年 金森栄治 西武ライオンズ
1981年 仁村薫 読売ジャイアンツ
1984年 石井浩郎 近鉄バファローズ
1987年 加藤正樹 近鉄バファローズ
1989年 小宮山悟 ロッテオリオンズ
1990年 水口栄二 近鉄バファローズ
1993年 仁志敏久 読売ジャイアンツ
1994年 織田淳哉 読売ジャイアンツ
1994年 山田和幸 西武ライオンズ
1995年 荒井修光 日本ハムファイターズ

1996年 三澤興一 読売ジャイアンツ
1999年 藤井秀悟 ヤクルトスワローズ
(以上、33名)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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