Column

浦和学院(埼玉)編「好投手を輩出し続ける投手王国・浦和学院のつながり」

2019.05.11

センバツに強い浦和学院


センバツで優勝を経験する浦和学院時代の小島和哉

 夏の甲子園では花咲徳栄に全国制覇を先に越されたものの、2013年センバツでは優勝を果たしている浦和学院。卒業生のつながりをチェックしていこう。

 浦和学院が甲子園の常連校となった歴史を紹介したい。浦和学院が初めて甲子園に出場したのは1986年の夏。初戦の泉州を10対3で下し全国初勝利を掴むと一気に勝ち進み、初出場ながらベスト4に進出した。

 1991年の夏に現監督の森士が指揮を執り秋季関東大会でベスト4に入り初のセンバツ出場を決めると、そのセンバツではベスト4に入る。その後、甲子園の常連校となり2013年には後にロッテからドラフト3位で指名された小島 和哉(早稲田大学)が2年生エースとしてチームを引っ張り、悲願の甲子園優勝を決めた。

 浦和学院はセンバツに強く、出場した全10回中ベスト8が3回、ベスト4が2回、優勝1回と好成績を残している。夏の甲子園では大会序盤での敗退が多いが、2018年の夏の甲子園では、渡邉勇太朗(現:埼玉西武ライオンズ)の好投でベスト8を決めた。

 これまで浦和学院の歴史を紹介したところで昨年のチームを紹介する。
 新チームが始まり迎えた秋季大会では、県大会準々決勝までコールドで勝利し順調のスタートを切っていたが準々決勝市立川越戦ではチャンスをものに出来ず1対0の完封で敗北しセンバツ出場を逃してしまった。


福井国体での蛭間拓哉

 リベンジの春季大会では、準々決勝で再び市立川越と対戦し3対0で破り雪辱を果たした。その後、勝ち進み花咲徳栄との決勝戦では蛭間拓哉(現:早稲田大学)が9回の土壇場で本塁打を放ち同点にすると、勢いそのままサヨナラで勝利し、春季大会6連覇を果たし埼玉県の王者へ返り咲いた。

 埼玉県第1位代表として迎えた春季関東大会では、初戦千葉黎明戦では県大会では故障でベンチ外だった渡邉が好投を見せ勝利。続く健大高崎戦では敗れるものの最大5点差を追いつき夏に向けて収穫のある大会となった。

 盤石の体制で迎えた夏の大会、圧倒的強さを見せ悲願の5年ぶり夏の甲子園出場を決めた。

 ついに迎えた甲子園大会、初戦では4投手の継投で仙台育英打線を無失点に抑え6年振りに初戦突破する。3回戦二松学舎大附戦では渡邉投手が完封の好投でベスト8進出を決めた。準々決勝ではセンバツ王者大阪桐蔭と対戦。
3投手をつぎ込む総力戦で勝利を目指したが大阪桐蔭打線を抑えることが出来ず10失点を喫してしまい敗北してしまった。

 そして迎えた最後の公式戦である福井国体。
 雨の影響で準決勝、決勝戦がなくなり浦和学院にとって最後の試合となった報徳学園戦ではサヨナラで勝利して最後の大会を終えた。

 今年のチームは34年ぶりに夏の大会ノーシードという苦しい戦いとなってしまったが、悲願である夏の甲子園優勝に向け豊富なコーチ陣と森監督の指揮のもと、混戦の埼玉を勝ち進み甲子園での躍動に期待したい。

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近年の卒業生


渡邉勇太朗

 強豪校として、名を轟かせている浦和学院。この時代に活躍した選手達を見てみよう。

■1988年卒
鈴木 健(西武ライオンズ-ヤクルトスワローズ)

■2005年卒
今成 純太郎(かずさマジック)
小山 琢也(明治大学)

■2006年卒
前野 達郎(明治大学)
今成 亮太(日本ハムファイターズ-阪神タイガース)

■2011年卒
南 貴樹(福岡ソフトバンクホークス)
阿部 良亮(東洋大-日本通運)
星 稜太(東洋大)

■2012年卒
小林 賢剛(東洋大)
日高 史也(日本体育大)
沼田 洸太郎(国士舘大)

■2013年卒
浦和学院佐藤 拓也(立教大-JR東日本)
笹川 晃平(東洋大-東京ガス)
林崎 龍也(国士舘大-富山GRNサンダーバーズ)
石橋 司(国際武道大)

■2014年卒
高田 涼太(立教大-JFE西日本)
竹村 春樹(明治大-JR東海)
涌本 亮太(東洋大-浜松ケイ・スポーツBC)
服部 将光(日本体育大)
西川 元気(東洋大-Honda鈴鹿)
斎藤 良介(立正大)
山根 佑太(立教大)
木暮 騎士(東洋大)
山口 瑠偉(東洋大)
渡邊 剛
佐藤 慶太(武蔵大)
前田 優作
贄 隼斗(国際武道大)
久保 和輝
伊藤 祐貴(上武大-深谷組)

■2015年卒
小島 和哉(千葉ロッテマリーンズ)
石森 亨(立正大-新潟アルビレックスBC)
熊倉 巽(環太平洋大-新潟アルビレックスBC)
田畑 瑛仁(中央大-室蘭シャークス)
岸 圭汰
酒本 祐也(上武大)

■2016年卒
渡邉 亮太(武蔵大)
小宮 賢人
水岡 拓巳(国士舘大)
加藤 朋也(防衛大学校)
新谷 剛樹(山梨学院大)
田村 将一(白鴎大)
山崎 裕太(上武大)
森兼 望(日本大)
氏丸 直岐(東洋大)
今村 一登(流通経済大)
澁谷 海
印南 航太郎(東洋大)
小倉 匡祐(三菱自動車京都ダイヤフェニックス)
荒木 裕也(東海大)
臺 浩卓(国際武道大)
江口 奨理(立教大)
髙橋 司(中央大)
山﨑 滉太(東洋大)
西野 真也(明治大)
津田 翔希(東洋大)

■2017年卒
榊原 翼(オリックス・バファローズ)
梶山 直暉(東洋大)
松永 蒼(上武大)
幸喜 勇諮(上武大)
諏訪 賢吉(東洋大)
大澤 魁生(中央大)
黒川 勝輝(帝京大)
辻 二郎(専修大)
桑原 魁利(桐蔭横浜大)
小澤 和也(国士舘大)
桑原 樹生(桐蔭横浜大)

■2018年卒
清水 洋炳(桐蔭横浜大-埼玉武蔵ヒートベアーズ)
杉山 翔(深谷組)
秋山 拓海(鮮ど市場ゴールデンラークス)
家盛 陽介

■2019年卒
阿部 鳳稀(上武大)
大澤 龍生
小町 竜梧(大東文化大)
福島 迅(桜美林大)
上野 暖人(東洋大)
矢野 壱晟(東海大)
坪井 壮地
河北 将太(東洋大)
近野 佑樹(中央大)
渡邉 勇太朗(埼玉西武ライオンズ)
蛭間 拓哉(早稲田大)
佐野 涼弥(中央大)

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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