Column

【センバツ出場校分析】神村学園高等部(鹿児島) 

2015.03.12

第87回選抜高校野球 特設ページ

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神村学園高等部【鹿児島】
2年連続5回目
鹿児島県いちき串木野市別府4460番地
九州大会ベスト4(鹿児島県1位)

北庄司 恭兵(神村学園)

【チーム構成の特徴】

秋季大会
登録は21人。その内、右投げ左打ちは6人で、左投げ左打ちは2人。レギュラー格は5人が左打者。
鹿児島県出身は4人で、その内、1人が鹿屋市出身。附属の中等部出身3人の内、2人が鹿児島市の小学校を出ていて、残り1人は宮崎県の小学校卒業。県外は17人いるが、その内7人が近畿地方の出身。残りは九州地方出身で、沖縄県の中学校卒業も2人いる。

【ディフェンス面】
投手陣は鹿児島県大会九州大会でエース格が入れ替わった。鹿児島県大会のエースは新里 武臣で、4試合に先発して1完投。防御率0.84は出場32校の主力投手の中で3番目に良い数字だ。

九州大会
のエースは北庄司 恭兵で、3試合全てで完投。初戦では熊本工業を2安打シャットアウトに抑えた。公式戦全体では防御率1.31で、こちらは主力投手の中で10位となる。春に2人の立ち位置がどうなっているかに注目だ。
守備は1試合平均失策が1.47とやや多い。特に12失策中、11個が内野手のものだったのは課題とすべき材料と言えるだろう。

【オフェンス面】
チーム打率0.382は出場32校の中で3位。全107安打に占める長打の割合は27.1%でこちらは15位となった。ただし32校で3番目に多い7本塁打があったのも特徴である。
1試合平均得点8.03と平均得失点差5.71、1試合平均四死球5.96はいずれも4位だった。
注目は昨春の甲子園でも本塁打を放った4番・山本卓弥。秋は12四死球と警戒されながら、打率0.500をマーク。出塁率0.634は宇部鴻城の梅岡と並んで今大会出場の主力選手の中でトップだった。打点は7だったが、山本の前を打つ3番・田中 梅里が13打点を挙げたためとも考えられる。

田中の打点へと繋げるきっかけを作ったのは1番の都甲 将央で、チームトップの17安打を放った。
6番・豊田 翔吾は13四死球を選び、出塁率と打率の差0.175は山本を上回った。32校の主力選手の中では8番目に高い。
もう一つの打のデータは1試合平均2.68の三振。これは32校で4番目に少ない数字だった。特に17安打を放った1番・都甲の三振0が目立つ。
またチームの盗塁12個は鹿児島県大会前半の4試合によるもので、準決勝以降は九州大会を含めて1つも盗塁が記録されていない。このデータが春にどうなるかは気になるところである。

【戦い方から見える傾向】
夏は鹿児島大会決勝で惜しくも敗退し、春夏連続出場は叶わなかった。2年連続の春を目指して始まった新チーム最初の実戦は8月3日。当初から新里 武臣北庄司 恭兵の両投手が完投する試合が多かった。8月後半は練習試合を行っていないが、この期間は非公式戦での申告がなかった南薩地区新人大会に参加していたためである。その新人大会は準決勝で鹿児島城西に延長の末敗れた。
9月に入り、新里が1試合を完投した以外、継投が基本の戦い方を見せる。これが鹿児島県大会前半で、4試合連続継投で勝ち上がった基となったように感じる。そして九州大会に入ってからは新里ではなく、北庄司が先発して全3試合を1人で投げ切った。鹿児島県大会九州大会で投手陣の立ち位置が完全に変わったようである。

選抜出場へ向けての大一番となったのが九州準々決勝の東福岡戦で、延長11回の末サヨナラ勝ちだった。この試合では打線が18安打6点だったのに対し、北庄司は5安打で5失点。接戦ではあったが、両校の戦い方は対照的だったことが読み取れる。
公式戦9試合でコールドゲームは3試合、延長戦は2試合。1試合あたりの平均イニングは8.22だった。

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神村学園高等部 戦力分析!

学校情報

学校長 松ヶ野 透
監督 小田 大介 おだ だいすけ 1982年9月10日生 東筑紫学園高→亜細亜大 現役時代は投手 2008年から神村学園中等部(シニア)の監督を務め,2013年7月新チームから高等部の監督に就任 地歴・公民科教諭
責任教師 塩田 将孝 しおた まさたか 1979年8月13日生 明徳義塾高(97年春甲子園出場)→亜細亜大 現役時代は内野手 卒業後一般企業への就職を経て,2013年8月神村学園高等部野球部部長に就任 地歴・公民科教諭

選手名簿

   
打順
守備
名前 ふりがな
身長 体重 投打

打数 安打





打点 三振





打率 出身中学
1   8投 北庄司 恭兵 きたしょうじ きょうへい 3 178 76 右右 6 17 4 0 0 0 1 2 0 3 0 0 0.235 熊取町立熊取北(大阪府泉南郡)
2   6捕 豊田 翔吾 とよだ しょうご 3 171 76 右左 9 25 11 1 0 1 8 2 13 1 2 0 0.440 私立神村学園中等部[いちき串木野市]※宮崎県北諸県郡三股町出身
3   5一 松元 健太 まつもと けんた 3 180 82 右左 9 34 12 3 0 1 9 3 3 3 1 0 0.353 鹿屋市立第一鹿屋
4   1二 都甲 将央 とこう まさお 3 173 69 右左 9 38 17 3 0 0 4 0 6 0 4 2 0.447 日向市立日向(宮崎県)
5 7三 児玉 和也 こだま かずや 3 170 74 右左 9 29 10 3 0 1 15 1 2 7 2 4 0.345 堺市立月州(大阪府堺市堺区)
6   9遊 井原 誠 いはら まこと 3 161 59 右右 8 14 4 1 0 0 1 1 1 2 0 3 0.286 宝塚市立高司(兵庫県)
7   3左 田中 梅里 たなか はいり 2 170 80 右右 9 35 15 4 0 2 13 1 4 2 2 1 0.429 私立神村学園中等部[いちき串木野市] ※鹿児島市出身
8   4中 山本 卓弥 やまもと たくや 3 185 85 右左 9 28 14 3 1 1 7 4 12 1 0 0 0.500 日向市立大王谷学園(宮崎県)
9     2右 木戸 恵二 きど けいじ 3 177 70 右右 9 30 9 2 0 0 2 4 7 5 1 0 0.300 八尾市立曙川(大阪府)
10   新里 武臣 しんざと たけおみ 3 174 73 右右 4 8 5 1 0 0 0 0 0 1 0 1 0.625 石垣市立石垣(沖縄県)
11     内田 雅輝 うちだ まさき 2 176 68 右右 3 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0.000 宇土市立鶴城(熊本県)
12   高山 大河 たかやま たいが 2 176 68 右右 6 11 3 0 0 1 4 2 1 4 0 1 0.273 八代市立第二(熊本県)
13     坪井 聖太 つぼい しょうた 3 180 77 左左 2 2 1 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0.500 摂津市立第三(大阪府)
14     赤坂 泰成 あかさか たいせい 2 170 73 右右 2 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0.000 都城市立五十市(宮崎県)
15     藤恵 翔太 ふじえ しょうた 3 163 63 右右 1 1 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1.000 川西市立明峰(兵庫県)
16     長土居 一也 ながどい かずや 3 173 69 右右 3 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0.000 尼崎市立大庄(兵庫県)
17     吉田 虎太郎 よしだ こたろう 2 176 73 右左 2 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1.000 奄美市立金久
18     与那城 勝博 よなしろ かつひろ 3 175 75 右右 1 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0.000 石垣市立石垣第二(沖縄県)
19   真邉 凌斗 まなべ りょうと 3 167 67 右右 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 私立神村学園中等部[いちき串木野市] ※鹿児島市出身
20     鈴木 孔 すずき こう 3 170 81 左左 神戸市立長田(兵庫県神戸市長田区)
21     魚谷 耀平 うおたに ようへい 3 168 62 右右 神戸市立本庄(兵庫県神戸市東灘区)
 平均  身長 体重 チーム合計 試合数 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 打点 三振 四死球 犠打飛 盗塁 失策 打率 長打率 出塁率
173.0 72.4 9 280 107 21 1 7 65 22 49 29 12 12 0.382 0.539 0.436

注:昨夏の△は地方大会登録選手 ▲は同全国選手権登録選手 ◎は主将。

投手成績

名前 ふりがな 学年 身長 体重 利き腕 試合数 完投 完封 無四球 投球回数 被安打 奪三振 暴投 与四死球 失点 自責点 防御率
新里 武臣 しんざと たけおみ 3 174 73 4 1 1 0 21 1/3 18 13 0 9 4 2 0.84
北庄司 恭兵 きたしょうじ きょうへい 3 178 76 6 3 1 0 41 1/3 25 21 0 14 9 6 1.31
内田 雅輝 うちだ まさき 2 176 68 3 0 0 0 9 9 7 1 0 6 5 5.00
高山 大河 たかやま たいが 2 176 68 2 0 0 0 2 2 0 0 0 0 0 0.00

公式戦 9試合 8勝1敗

月日 場所 大会 スコア
対戦校 安打 打点 三振 四死球 犠打飛 盗塁 失策 投手名














自校 相手
9/28 [stadium]県立鴨池野球場[/stadium] 鹿児島県大会2回戦 10 0 5 福山・蒲生 15 2 9 0 2 3 0 0 1 0 4 0 1 2 新里、内田、高山 徳田
10/1 [stadium]鴨池市民球場[/stadium] 3回戦 11 1 6 霧島 12 2 11 0 0 4 12 0 2 1 4 0 1 0 内田、高山 谷名、塚田
10/3 [stadium]県立鴨池野球場[/stadium] 4回戦 5 2 9 樟南 11 9 5 2 2 6 5 6 4 2 1 2 1 1 新里、北庄司 畠中、浜屋
10/4 [stadium]鴨池市民球場[/stadium] 準々決勝 10 5 9 出水中央 12 13 10 5 5 7 9 0 6 4 3 0 0 0 北庄司、内田 溝口、宮田
10/6 [stadium]県立鴨池野球場[/stadium] 準決勝 10 0 6 出水 11 5 10 0 1 3 4 3 1 1 0 1 0 1 新里 濱島隆、園屋
10/7 [stadium]県立鴨池野球場[/stadium] 決勝 6 2 9 鹿児島城西 13 5 6 2 3 7 6 3 3 3 0 1 3 1 新里、北庄司 上原、渡邉
10/26 [stadium]筑豊緑地野球場[/stadium] 九州大会2回戦 5 0 9 熊本工 9 2 5 0 4 4 4 2 4 2 0 0 2 0 北庄司 内田、廣田
10/27 [stadium]北九州市民球場[/stadium] 準々決勝 6 5 11 東福岡 18 5 6 5 2 4 6 6 5 3 0 0 3 2 北庄司 ヒンブル、福島
10/29 [stadium]北九州市民球場[/stadium] 準決勝 3 4 10 糸満 6 11 3 4 3 3 3 3 3 3 0 2 1 2 北庄司 金城乃、安谷屋
一試合平均
(9イニング換算)
スコア 得失点計 安打 打点 三振 四死球 犠打飛 盗塁 失策
自校 相手 自校 相手 自校 相手 自校 相手 自校 相手 自校 相手 自校 相手
66 – 19 8.03 – 2.32 13.01 6.60 7.91 2.20 2.68 5.01 5.96 2.81 3.53 2.32 1.46 0.73 1.47 1.09

非公式戦(練習試合含む) 24試合 18勝5敗1分け

登板投手:新里、北庄司、黒島、内田、鈴木、高山

相手校:(8月前半新人大会前)星淋○○、加世田○、龍谷●○、九産大九産○○、東筑紫学園○△、(8月後半新人大会後)八代東○○、(9月県大会前)宮崎日大●、高鍋農○、加治木○○、佐賀商○○、(10月県大会後)高知●、明徳義塾●●、都城○、都城商○、鶴翔○、日南

参考:南薩地区新人大会 準決勝●2-3[延長10回]鹿児島城西 MBC旗争奪1年生大会 11/8●9-10鹿児島実業(P高山)

過去の戦歴

高校別データベース 神村学園

注:上記データは、主催者発表の資料に基づく。本大会での登録選手はこの限りではありません。
安打や被安打などの各種1試合平均の数字は、9イニング換算にしています。
攻撃部門はトータルイニング、守備部門は守備イニングを基に算出しています。

★こちらの記事もチェック!★
・【インタビュー】神村学園高等部 山本 卓弥選手【後編】「目指すは『相手投手から嫌がられ、仲間から信頼される打者』」(2015年03月18日)
・【インタビュー】神村学園高等部 山本 卓弥選手【前編】「才能開花のきっかけ」(2015年03月17日)
・【野球部訪問】神村学園高等部(鹿児島)(2015年03月17日)
・【試合レポート】鹿児島実vs神村学園(第20回MBC旗争奪選抜1年生大会 1回戦)
・【試合レポート】糸満vs神村学園(2014年秋の大会 第135回(平成26年度秋季)九州地区高等学校野球大会 準決勝)
・【試合レポート】神村学園vs鹿児島城西(2014年秋の大会 第135回九州地区高校野球大会鹿児島県予選 決勝)
・【試合レポート】神村学園vs出水(2014年秋の大会 第135回九州地区高校野球大会鹿児島県予選 準決勝)
・【試合レポート】神村学園vs出水中央(2014年秋の大会 第135回九州地区高校野球大会鹿児島県予選 準々決勝)
・【試合レポート】神村学園vs樟南(2014年秋の大会 第135回九州地区高校野球大会鹿児島県予選 4回戦)
・【試合レポート】神村学園vs霧島(2014年秋の大会 第135回九州地区高校野球大会鹿児島県予選 3回戦)

第87回選抜高校野球 特設ページ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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