【センバツ出場校分析】米子北高等学校（鳥取）

福本 廉 （米子北）

【チーム構成の特徴】

秋季大会登録は20人。その内、右投げ左打ちは4人で、左投げ左打ちは1人。レギュラー格は3人が左打者。
鳥取県出身は13人。その内、学校所在地の米子市出身は10人。県外では、近畿地方の出身者が5人いる。

【ディフェンス面】
エースの髙橋 晟一朗が故障の為、鳥取県大会ではベンチ外。その間は上貝 巧、福本 廉、古賀野 世南の3投手での継投策で中国大会出場を決めた。中国大会で髙橋が復帰したが、3試合ともリリーフでのマウンドとなっている。
最も多く投げたのが福本。6試合30イニングで防御率1.80と安定した数字を残した。髙橋も3試合で8回2/3のイニング数ながら、防御率1.04、被安打率3.11と素質の片鱗を見せている。

ただ1試合平均4.13の失点は32校で最も悪く、これは少しでも減らしたいところだ。
守りは1試合平均失策が1.25。チームの総失点33に対し投手陣は自責点23で、その差10という数字が、守りのミスが失点に繋がっていることを示している。ただし、延長13回の激闘となった益田東との中国大会準々決勝では無失策だったことが、勝因の一つになったと言えよう。
1試合平均許盗塁1.13は32校で下から5番目の多さだが、宇部鴻城との中国大会準決勝で6個の盗塁を許したことが数字を悪くする原因となっている。

【オフェンス面】
チーム打率0.3139は出場32校の中で20位。全86安打に占める長打の割合は12.8%でこちらは31位。本塁打は2本あるが、長打より単打のチームという印象がある。
攻撃の中心が4番の安場 翔吾。17安打を放ち、打率0.486、打点9、盗塁7はいずれもチームトップ。長打は三塁打1本だけで、ほとんどが単打というのが特徴である。1番の井田 嘉楠は二塁打と三塁打を両方放った唯一の選手。

1試合平均三振が32校でワーストの6.25。これは少し気になる数字と言える。中国大会の3試合に限って見れば、初戦の立正大淞南戦がわずか1個だったのに対して、準々決勝の益田東戦と準決勝の宇部鴻城戦は二桁三振。それでも益田東戦は延長13回まで戦ったため、多少割り引いて見なければいけない。
1試合平均犠打飛1.50は大阪桐蔭に次いで2番目に少なかった。これもオフェンスの特徴として挙げられる。

【戦い方から見える傾向】
新チーム最初の実戦は8月1日。最初こそ2連勝でスタートしたものの、以降は黒星が多くなった。加えてエースの髙橋 晟一朗は、8月3日の上宮太子戦を最後に故障の為登板機会がなくなる。復帰したのは中国大会前の10月12日の玉島商戦だった。

鳥取県大会を終えた後も、練習試合では1勝6敗と大きく負け越して中国大会に入ることになる。しかし中国大会では2試合連続で二桁安打。益田東との準々決勝では延長13回表に1点を勝ち越されながら、裏に2点を取って逆転サヨナラ勝ち。初めての甲子園出場へ向けて、大きな1勝となった。

結局、勝率は公式戦の0.750に対し、非公式戦は0.333と近年の選抜出場校では稀な成績で秋が終わった。
公式戦のコールドゲームは2試合、延長戦は1試合。1試合あたりの平均イニングは9.00。