【センバツ出場校分析】龍谷大学付属平安高等学校（京都）

高橋 奎二（龍谷大平安）

【チーム構成の特徴】

秋季大会登録は20人。その内、右投げ左打ちは4人で、左投げ左打ちも4人。レギュラー格は5人が左打者。
京都府出身は9人。その内、学校所在地の京都市出身は6人。府外出身者では、愛知県と熊本県出身が1人ずつ。残る9人は隣接する大阪府、兵庫県など近畿地方の出身。

【ディフェンス面】
新エースとなった高橋 奎二が秋の公式戦8試合全てを1人で投げ切った。68イニングで防御率は1.59。奪三振率の8.07は、32校の主力投手の中で9位。京都府二次戦では初戦から3試合連続で二桁奪三振と貫録のピッチングを見せた。
ただ、近畿大会1回戦までは2点以内に抑えていた失点が、準々決勝の北大津戦からは増えてしまった。被安打も増え、奪三振は反比例して減っている。そして天理戦では9四死球を与え、完全に完敗だった印象だ。このあたり、課題を突きつけられた試合だったと言えるのではないだろうか。

1試合平均失策は1.59で、32校の中では6番目に高い。特に高橋が初めて崩れた北大津戦で4失策と守りのミスも数字に出てしまった印象だ。春に向けて、どう課題を克服してくるか。
1試合平均許盗塁は0.79。捕手の吉村 颯は、近畿大会を制した天理に唯一盗塁を決められなかった選手である。

【オフェンス面】
チーム打率0.2996は出場32校の中で24位。ただ全74安打に占める長打の割合は32.4%で、こちらは3位にまでジャンプアップする。攻撃では昨年のチームに及ばないが、所々では、打のチームだった昨年の面影が残っているように感じる。
12安打を放ち、打率0.429でチームトップの成績だったのがエースの高橋 奎二。打順は8番で、打撃の期待はそれほどされていないように思えるが、近畿大会1回戦の大阪商大堺戦での本塁打など、当たった時の打球の鋭さは数字面にも表れている。

4番・西川 寛崇は、唯一野手で甲子園を経験した選手。秋は打率0.379を記録し、三振がわずか1個だった。
捕手の吉村 颯が2番に座る。打率は0.261だったが、10個の四死球を得て、出塁率は0.457まで上がる。出塁率と打率の差0.196は、出場校の主力選手の中で4位。盗塁も4つ決めており、対戦相手にとっては厄介な存在と言えるだろう。
チーム全体の1試合平均盗塁は2.09で32校中8位。全試合で必ず1個以上を成功させており、どんな相手にも仕掛ける姿勢を見せていたことが窺える。

【戦い方から見える傾向】
春夏連覇を目指した夏の甲子園は、大会初日の8月11日で終わった。高橋 奎二、元氏 玲仁、西川 寛崇の3人が残った新チーム最初の実戦は15日の水口戦。この試合でいきなり元氏が完封してスタートを切った。しかし元氏は27日の草津東戦を最後に、登板することがなくなる。逆に高橋は17日の国士舘と29日の三重海星の2試合で完封。結局、公式戦を1人で投げ抜くことになった。

公式戦では登板することがなく、近畿大会で外野手として1試合だけ出場した元氏は、11月15日の大垣西戦でマウンド復帰して以降3試合に登板して秋を終えている。2人の左腕の立ち位置が春にどうなっているかに注目だ。
公式戦8試合中、コールドゲームは2試合。1試合あたりの平均イニングは8.63だった。