【センバツ出場校分析】県立岐阜商業高等学校（岐阜）

高橋 純平（県立岐阜商）

【チーム構成の特徴】

秋季大会登録は31人。その内、右投げ左打ちは9人で、左投げ左打ちも5人いる。レギュラー格は3人が左打者。
31人中、29人が岐阜県出身で、学校所在地の岐阜市出身は9人。残りの2人は隣の愛知県出身。

【ディフェンス面】
今大会注目の右腕・高橋 純平は、11試合に登板し2完封を含む6完投。77イニングで防御率0.47と抜群の安定感を発揮した。32校の主力投手の防御率ランキングでは、木更津総合の早川 隆久に次いで2位となっている。さらに与四死球率1.40と被安打率4.56はともに3位、奪三振率9.23は4位と軒並み上位に名を連ねた。

東海大会では2試合連続3安打完封。準決勝の8回まで26イニング連続で無失点を続けた。
チーム全体でも1試合平均失点が1.59で、二松學舎大附属に次いで2番目に少ない。
守備は1試合平均失策が1.18で全体の13位だった。

【オフェンス面】
チーム打率0.3145は出場32校中19位。全150安打に占める長打の割合は19.3%で27位となっている。本塁打は出場校中6位タイの5本で、試合数が多くなったことが、単打の割合が大きくなったとも考えられる。
1番・村居 尚磨は打率0.245ながら、四死球11個を得て、出塁率は0.348まで上がる。この村居の出塁が、3番広瀬 将の12打点を演出した形だ。

ただしチーム全体の1試合平均四死球は3.14で、32校の中で2番目に低い。東海大会では4試合で8四死球。延長12回の激闘となった決勝の静岡戦では1つも四死球がなかった。相手投手の価値が増したとも考えられるが、四死球で出塁する術は少し課題と言えるかもしれない。
7番・大野 陸希は犠打飛が11で、全出場選手の中で2位タイの多さ。上位へと繋ぐ貴重な役割を担っている。

【戦い方から見える傾向】
夏が終わり、小川 信和新監督が就任してスタート。

岐阜県大会前の岐阜地区リーグ戦が8月11日から始まるため、夏休みの練習試合でじっくりとチームを作り上げていく他の地域とは少し違った形の8月となる。エースの高橋 純平が注目されるが、練習試合や岐阜地区リーグの相手に対しては継投主体の戦い方だった。高橋が初めて完投したのは、9月の岐阜県大会に入ってからである。

岐阜県大会準々決勝では、岐阜地区リーグ戦で敗れていた岐阜城北にコールドゲームでリベンジ。このあたりが公式戦中盤のポイントだったように感じる。
コールドゲームは2試合、延長戦も2試合で、1試合当たりの平均イニングは8.80だった。