【センバツ出場校分析】浦和学院高等学校（埼玉）

江口 奨理（浦和学院）

【チーム構成の特徴】

秋季大会登録は27人。その内、12人が右投げ左打ちで32校中最も多く、左投げ左打ちも3人いる。レギュラー格は5人が左打者。
埼玉県出身は9人。その内、学校のあるさいたま市の出身は2人。残り18人は県外出身で、関東地方以外の出身者は9人。

【ディフェンス面】
投手陣の柱は左腕の江口 奨理。公式戦は13試合に登板して8完投し、その内5完封。特に関東大会での2試合連続完封は見事であった。奪三振率4.21は32校の主力投手の中で6番目に少なく、三振0での完投が3試合あった。2安打完封の関東1回戦も三振1個で、バックの無失策を演出。数字面からは打たせて取る投手と言えるだろう。
1試合平均失策0.62は32校中5位にランクされた。また1試合平均許盗塁0.46は10位タイ。関東決勝と明治神宮大会決勝で少し走られた以外は、ほぼ完璧な数字を記録している。

【オフェンス面】
チーム打率0.316は32校中18位。試合数が多いこともあるが、レギュラー格の選手は投手以外二桁安打を記録している。全137安打に占める長打の割合は22.6%でこちらは20位だった。
チームトップの打率0.409をマークした7番・荒木 裕也は、関東準決勝でサイクル安打を放った。16打点を挙げた4番山﨑 滉太、11四死球の1番諏訪 賢吉の存在も大きく、唯一の甲子園経験者である主将・津田 翔希があまり目立たないほどである。

1試合平均三振は2.92で32校中6番目に少ない。ここで初めて目立つのが津田で、喫した三振はわずか1個だった。
チーム盗塁10の内、8個を1番から3番までが記録している。ただ、埼玉大会準決勝以降は9試合連続で盗塁が1つもなかった。このデータをどう見るか・・・

【戦い方から見える傾向】
新チーム最初の実戦は8月1日。練習試合の投手起用を見ると、夏休み前半は投手陣の柱が誰になるかを模索していたように感じる。新エースになる江口 奨理が初めて完投したのが11日の前橋育英戦。敗れはしたが、9回を2失点で投げ切った。ここから定期的に江口の完投が見られるようになっている。
公式戦のコールドゲームは3試合、二桁得点も4試合あった、無難に勝ち上がっていったように感じるが、埼玉大会準決勝の花咲徳栄戦以降はやはり苦戦の跡も見える。特に関東1回戦では桐光学園相手にわずか3安打と苦しんだ。江口の無四球完封と、無失策の守備がなければ危なかったかもしれないと言えるのではないだろうか。